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DXとICTの違いは何か

 「DX」とはどのような意味でしょうか?「ICT」とはどのような意味でしょうか?
 まずはそれぞれ言葉の意味について確認しましょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

 デジタルトランスフォーメーションは「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」というコンセプトのもとにエリック・ストルターマン教授によって作られた概念です。

 この概念をビジネスの文脈に置き換えると、デジタルテクノロジーを駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくような取り組みのことを指します。

DXの地方自治体における事例とは

 DXの地方自治体における事例を挙げるとすると、例えば下記の例があります。

・富山市 顔認証システム社会実験
・鹿児島共創プロジェクト
~顔認証を活用したおもてなしサービス実証実験~
・地方公共団体との共創 「みんなで育てる」AIチャットボット

【参考】NEC『デジタルトランスフォーメーション(DX)事例』https://jpn.nec.com/dx/case/index.html

 例えば『富山市 顔認証システム社会実験』は、顔画像やクレジットカード情報を登録することで、富山市内の様々な店舗で顔認証による決済サービスをご提供する社会実験です。
 カードやスマホも使わない手ぶらでできるキャッシュレス決済により、会計時の利便性の向上を計ります。

【参考】NEC『富山市 顔認証システム社会実験』https://jpn.nec.com/digitalid/toyama/

ICT(情報伝達技術)とは

 一方のICTはITにコミュニケーションを加えた「情報伝達技術」です。

 ICTの活用場面はパソコン・タブレットを使った学習システム(教育現場)や、独り暮らしの高齢者の状況を遠隔で把握できる高齢者見守りシステムなどが挙げられます。

 デジタルテクノロジーを利用することは同じですが、利用目的が異なる点に違いがあるといえるでしょう。

 近年はICTを活用したシステムは、教育機関や病院、オフィスなどで広く利用され始めています。

【参考】コボット『デジタルトランスフォーメーション(DX)とICT・IoTはどう違う?ビジネスにおけるDXの定義を解説』https://kobot.jp/rpa-dx-lab/2020/09/28/rpa-ict-iot

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ICTは私たちの身の回りにある

 実は皆様も、そうとは気づかずにICTシステムを利用しています。

 では、ICTではどんなことができるのでしょうか。主な一例を紹介します。

・パソコンやタブレットを使った学習システム
・電子黒板による遠隔授業
・防犯カメラと連携させたセキュリティ対策
・iPadなどを使ったハンディ端末

 このようにICTを活用することで、さまざまな業種で業務効率化を実現しています。

 たとえば遠隔地と繋いで会話できるツールを使用すれば、出張先や自宅から会議の参加が可能になります。

 さらに近年の保育士不足、保育園不足にあたり、厚生労働省は「保育所等における業務効率化推進事業」を創設しました。

【参考】wizcloud『DXとIT化は違う!DX化の必要性やメリット、成功のポイントを事例つき解説』

https://012cloud.jp/article/digital-transformation#article-chapter-7

  このように、DXとICTが今注目されている理由には、どのような背景が考えられるのでしょうか。

DX化により得られるメリットとは

 DX化を実現することで、企業はどのような恩恵を受けられるのでしょうか?初期費用がかかり、場合によっては組織の抜本的な改革も求められますが、DX化にはそれだけのメリットがあります。

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DXメリット1 「2025年の崖」の解消が出来る

 DX化を広く推し進める契機となったのが、経済産業省が発表した「2025年の崖」問題です。

 「2025年の崖」とは、経産省がDXに関するレポートの中で使用された言葉で、2025年までにDXの推進を実現しなければ、日本全体で大きな経済損失を被ることへの危惧を表しています。

 レポートによると2025年までにDXが推進されなかった場合、以降は1年間で毎年最大12兆円と、現在の3倍に損失が膨らんでしまうと予測がされています。
 しかし、新しいシステムを導入することで、維持管理コストが安価で最新のサポートを受けられる環境を整え、コストパフォーマンスの向上とリスクの低下を両立できます。

DXメリット2 業務効率化

 DX化の実現によって、業務効率化にも役立てられます。例えば、RPA※1は作業労働として発生していた単調な業務を、すべて自動化できるという優れたツールです。

※1 RPA (Robotic Process Automation):コンピューター上で行われる業務プロセスや作業を人に代わり自動化する技術です。

 DXメリット3 働き方改革の実現

 業務の効率化によって、組織の働き方改革の実現にも役立ちます。

 作業労働が減ったことで、残業が発生してしまうケースを減らし、クラウドツールを導入することで、テレワークも容易に実現できるでしょう。

まとめ

   DX化とICTをスムーズに達成するためには、積極的なIT活用が求められます。

 素早くDXの推進を進めていくためにも、どのような手順でDXを進めていくべきかを理解し、課題に対する意識を高め、最適な人材確保と打ち手の模索を進めていく必要があるでしょう。

 今後、国・起業全体で取り組まなければいけないのが「DX化・ICT」なのでしょう。

 次回以降、下記のタイトルで記事を作成いたします!お楽しみに。

「デジタル庁は何を行っているところなのか」
「自治体DXは何から始めるべきか」

【引用元】経済産業省「D X レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

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