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茜染めをして思ったこと

茜で染めているときに思ったことがあります。

延喜式にある日本茜の染め方に記載されている米とは何であるか?

いや、もちろん米は米なのでしょうが、
他の染料に記載のある酢とは何が違うのか?
酢ではなくあえて米と記しているのだから酢とは異なる使い方があるのではないだろうか?

・・・と
書かれている方も多く
それを目にして
「なるほど、言われてみれば確かにそうだ」
など私自身も思っていて
それにまつわる先人の方々、先生方の考察などを探したりもしました。
でも、この赤く染まった布を前にして感じたのです。

「そこ拘らなくてもいいな」と。

知識として知りたい、好奇心を満たしたい
という気持ちはもちろんありますが
学術的に古代の色の再現を目指しているわけではないのだから、そこを追求していくことは
私にとっては意味がないなと思ったのです。
また新たな文献が出ない限り、
現時点でこの疑問が解けることはないだろうとも思います。

何が正しくて何が悪いなんてない。
延喜式が正解でそれ以外は間違いということではありません。

おそらく酸性抽出的な要素は含んでいるのだろうし
それであるならば今の私には酢で十分です。

いわゆる赤色。

茜は茜。
紅花は紅花。
蘇芳は蘇芳。

金子みすゞさんの言葉を思い出します。
『みんなちがって、みんないい』

この植物からこんな色が出た!
やり方でこんな色にもなった!
この感動こそが私には大事なのです。

それにしてもこの色。
媒染、繊維の種類、煮出した回数でこうも違うとは。
極めるなどとはおこがましい、
把握することすらも難しい。

ただ一つ。
自分が納得出来ればそれでいい。



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