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宇野千代著「行動することが生きることである」

コロナ、コロナ、コロナ・・・。同調圧力とイライラ感。政府や会社への不平不満、批難や攻撃でただただ時間を浪費する人たちが、私の周りにあふれかえっている。

そのような外の空気を今日一日、遮断してみます。基本的に不要不急のメールはしない、もちろんリモート飲み会も全く意味が分からない。

部屋をきれいに掃除して新鮮な空気を取り入れ、一人きりになってまっさらな意識で考える。誰のために何をしたいのか、自分のために何をしたいのか、それとももう何もしたくないのか。

次々に浮かんでは消えていく意識を、他人事のように眺めながら、答えを待つ。STAY HOMEは最高のGIFTだ。

それでも、ただ「頭で考えるだけのことは、何もしないのと同じことである。私たちは頭で考えるのではなく、手で考えるのである。手を動かすことによって、考えるのである。」

大袈裟な言い方かもしれないが、人生の局面に立った時、いつもこの本に立ち返る。記憶に残るところでは、東日本大震災の時、仕事を変えた時、福岡に移住した時。

宇野千代(1897~1996)。小説家、随筆家、編集者、着物デザイナー、実業家。名立たる文豪や画家等との4度の結婚、離婚。

「人生は凡(すべ)てのことに、のぼせなければいけない、と思っているのである。・・・何事かをするのに、あとさき考えてからすると、どうも勢いがつかない。のぼせていると、何事をするにも、することに勢いがつく。そこで初めて、行動することが生きることになる。」
「世間には貧乏が好きな人がいる
(中略)それと全く同じように、悲劇が好きな人もいる。生活が悲劇的でないと気に入らない。人の眼に、あの人くらい可哀そうな人はいない、と思われたいのである。悲劇そのものではなく、悲劇的に見えるものが好きなのである。
 不思議に、こういう人のところへは、ほんとうの貧乏も、ほんとうの悲劇も寄りつかない。ほんとうの貧乏やほんとうの悲劇が寄りつくと、一番狼狽(あわて)るのはこういう人たちだからである。神様はちゃんと知っていらっしゃる。」

宇野千代の語り口は、いつも小気味よく明快で、初夏のように爽快そのものだ。

「自信は成功の鍵である。」
「何事についても、私は“おばあちゃんだから”とか、“私はこんなにふとっちょだから”とか、自分で自分の欠点を広告して歩く人がありますが、私はそんな人のことを、そんな人だなァ、と思います」
「明るいことを考えましょう。いつでも、花飾りのついた帽子を冠っている気になりましょう。きものを着ても、このきものは自分に似合う、自分はきれいになれる、と、そう信じていきたいものです。」


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