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反芻
仕事がおそい。
丁寧にやってるんだよと言われるけど、ほんとうにそうなのか客観的に証明するものがない。
仕事は早くて丁寧なのがいちばん良いと思う。でも、なかなかそうはいかなくて。
インタビューで聞いたお話を、自分のなかで整理して、いちばんしっくりくる言葉で表現する。
記事を書くという行為は、食べるという行為に似ている。というか、おんなじだ。
食べものを何度も噛んで飲みこんで消化して、自分の体の一部にするように、インタビューの内容も、何度も反芻して落とし込んで自分のものにして、やっと記事になる。
文章を書くって、とても頭を使う。でも、頭だけじゃなく、体もすごく使うんだと思う。
そういうことを瞬時にできるライターさんはたくさんいると思う。でも、わたしはとにかく時間がかかる。
もしかしたらわたしは、この職業に向いていないのかもしれない。
課題は多い。
そんなことを考えながら、日々生きている。
人の話も食べものも反芻しながら、いつも何かを書いている。
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