我が猫と心筋症【ほぼ無料記事】

※この記事は全文無料で読めます。下心で有料設定にしました。

我が家の愛猫が心筋症と肺水腫に罹り、現在投薬治療中です。
この記事中には、医療エビデンスに基づく病気の詳細や、心筋症の治療に直接的効果のあるケアの方法などは一切出てきません。
一人の飼主と一匹の猫が病気に向かい合う記録であり、この記録が同じ病気に悩む飼主さんへの一助となるよう、僕と我が猫のケースの提供を目的としています。
大変に苦しく、そして根治の無い、それでいてあまりにもポピュラーな病気である猫の心筋症について、「そういえば猫の心筋症や肺水腫でこういう記事があったな」程度にどなたかの参考の一つとなれれば幸いです。

はじめに

発症は2022年9月の中頃、発作のような症状が起き緊急入院。
眼の前がまっくらになりました。
縋るような気持ちで必死に病気についての情報を探りますが、ショックを受けていたり退院後のケア中の多忙さで調査は難航しました。間違った情報を受け取ってしまう可能性も大いにあります。また、あまりにも残酷な現実を目にしてしまい、さらにショックを受けてしまう場合もあるかもしれません(僕は受けました。)
これから先、もしあなたの猫が心筋症と言われたら......そんな飼い主さんたちの一助となるよう、現在までの記録をNOTEに纏める事にしました。
冒頭にもあるように、病気の解説ではなく、どういう経緯で発症に至り、獣医さんとどんな連絡をし、どういった日常のケアをし、治療費用はいくらかかったのか、何回病院に行ったのか、ケア生活の上で必要と感じた事などといった所に焦点を当てた主観による記録です。
尚、現在(12月20日時点)も依然として入退院を不定期に繰り返す状態であり、総合的な情報として見た場合不足や矛盾も生じるかもしれません。ご質問やご指摘等ございましたらDMやコメントなどでお気軽に宜しくお願い致します。
※加筆・修正に関しましては、適宜行っていこうと思います。
※この記事以降の記録に関しては、別記事にて再度纏める予定です。

プロフィール

眠気を我慢するおしりくさ子

おしりくさ子(仮名)
メス
2021年12月生まれ(発症時生後満9ヶ月)
飼育崩壊寸前の家庭から知人経由で子猫を保護。生後1か月半で我が家の家族に。迎えの車中で爆睡カマすビッグルーキー感を出す。
その後もマイペースに暮らし、頻繁に机の上から滑って落ちている。
猫草を吐き戻し出来ず、尻の穴からウ〇コと一緒にチョロリと出しては小粋に家中を闊歩している(寄生虫かと思ってビックリするのでやめてほしい)。
基本的にトロくてマヌケだが、オモチャにかける熱意と突進力だけは高い。
人見知りは全くしないが、世界で唯一、動物病院の院長だけが嫌い(報われねぇなぁ)。

事の起こり 発症〜退院

2022年9月16日21時過ぎ。
ごろ寝をしていた猫が突如当て所なくうろつき始める。妙な中腰で座ったり、いつもは素通りの廊下の真ん中で横になったりと、とにかく普段と様子が違う事に気づく。
おや、おかしいぞ?と思い様子を見ていると、呼吸が若干荒い。「猫は呼吸が怪しくなったら一大事」という知識はあったので、かかりつけの獣医さんへ一報、診察。お腹の炎症があったのでかゆみ止めを注射し様子を見つつ、深夜の診察であったため翌朝再度受診、検査をすることに。

翌17日朝7時。
食事後に開院の時間まで様子を見ているとみるみるうちに容態が悪化し、あまりのヤバさに即座に動物病院へ電話。
・呼吸が荒くて早い。お腹から胸辺りがベコンベコンととても激しく動く。
・シューシュー、ハーハーというとても異質で大きな呼吸音が聞こえる。
・ぐったりとしているが、じっともしていられず、数歩移動しては倒れ込む、という事を繰り返す。

といった、ひと目で緊急事態とわかる状態。
獣医さんに電話が繋がるや否や「早急に連れてきて下さい」とのことで救急扱いで動物病院へ行き、今度は即時入院。呼吸困難のため酸素カプセルに入り、様子を見つつ検査という運びに。
結果、肥大性心筋症、弁膜症、心因性肺水腫による窒息状態と診断される。「年齢から考えても(生後9ヶ月)遺伝性だろう」「この病気は遺伝性であるものが非常に多い」、との獣医さんの言。猫の心臓に関して手術は現実的ではないため、投薬治療になるがまずはしばらく入院治療。毎日電話で容態を伺う事に。

入院も3日目になり、容態が安定しつつあるとのことで翌々日に退院予定、都合5日間の入院生活。
「安定」の一言で胸を撫で下ろした覚えがある。
いや、実際はまだまだ何も安心できないのだが……とにかく命だけは助かったのだ、と安堵した。

Point

・どんな子猫でも保険には入っておこう
獣医さんは忙しい。なぜなら、通常の診察の合間に我が猫のような緊急性の高い患畜の受け入れがジャンジャンやってくるから。
・そんな時に、へんに遠慮したり、逆に大慌てをしないよう、緊急時の対応について獣医さんと前もって話あっておこう。
・入院時の治療内容としては「酸素カプセルで呼吸を確保しつつ、利尿剤を使用し尿と一緒に肺の水をしぼりだす」といったもの。各種検査と平行して治療。
・保険に入れ

退院後~ケア生活の始まり

9月21日、退院。
9月24日、通院。退院後の様子見&検査
10月1日、通院。経過がやや安定したため、利尿剤を減らす事に。
10月4日、入院。利尿剤を減らした途端に再度呼吸困難になり、またもや大慌て。動物病院に救急で入り、朝イチ〜夕方までの酸素カプセルと利尿剤注射で持ち直す。とりあえず日帰りで退院することになった。
が、ここからが秋の通院ラッシュの始まりであった……

10月5日、通院。様子見&検査。グッタリしていて呼吸は早い。
10月6日、通院。様子見&検査。持ち直したか?食欲が出てくる。
10月8日、通院。様子見&検査。呼吸が安定。スパンが1週間に。
10月15日、通院。検査。容体安定。
10月18日、入院。落ち着いてきたところで、前触れナシの呼吸困難。
10月19日、退院。帰宅後、何故かすごい元気に。
10月23日、通院。様子見&検査。結果は良くないが体調は悪くなさそう。

猫に関する日誌を見て仰天した。
無我夢中の日々だったが、月の1/3を病院に費やしてたとは。当然の結果だけれど、仕事はパンク状態。僕の腰痛もパンク状態。財布もパンク状態(後述)。

発作が起きてない時の我が猫は、相変わらずのキョトンとしたマヌケ顔をしている。それだけが救い。

11月1日。10月中の容体の不安定さから、薬が変更&追加となった。
変更以降、週1の検査通院を繰り返すが、症状が安定しつつあり、2週に1回の通院へとスパン変更となった。我が猫の様子もだいぶ落ち着いており、恨めし気な目つきでオモチャを見つめていたり、若いエネルギーを発散すべく家中を縦横無尽に走り回ったり(心臓に負担がかかるのでやめてくれ)している。
食欲に関しては発病初期から安定しており(元々たくさん食べる方ではないが)体重が極端に減ったりといった事は無かった。さすがに腎機能の悪化で毛並みは悪くなった(元々良い方でもないが)。

容態が安定したかな、と思ったのもほんの束の間。
12月19日朝、再度の呼吸困難により救急入院。検査の結果、肺水腫がまた進行しているとの診断。
「症状が出るまでわからない。分かった時にはもう遅い。」と巷で言われているこの病気の恐ろしさが骨の髄まで染みた。

Point

・猫から目を離せない日々が続くが、自分のメンタルがやられては話にならない。飼主の健康も飼主が責任を持って管理しよう。特に食事と睡眠は必ず取ろう。
・キャリーバッグはちゃんと選ぼう。飼主と猫への負担がかなり違う。既に持ってても買い直すくらいの事はしておいたほうがいい。何度か買い替える羽目になっても使いやすいものを選ぼう。
・利尿剤を服用しているので、バッグ内でお漏らしもままある。洗濯の手間を減らすためにペットシーツを必ず敷いておこう。
・病院はとにかく待つ。数時間もザラ。救急でなければ、忙しい獣医さんのために、そして、自分のメンタルケアのために広い心を持とう。暇つぶしも忘れないようにしよう。我が猫は飽きたら寝てる。猫の手を握りながら、もう片手でスマホでもいじっていよう。
・保険に入れ

おうちでのケア生活 実践編

具体的に家でのケアは何をやっているのか?と言うと、

・投薬 - 1日2回、指定の錠剤を朝晩各5~6錠。我が猫に関しては投薬は苦ではない。呼べば喜んで来るし、口を開けて錠剤を放り込むと抵抗なく飲む。すごい渋い顔はするが。
・行動制限 - 心臓に負担をかけないためオモチャは封印。激しい運動は控えて頂いている。ちょくちょく恨めしそうな視線を送ってくる。
・給水と排尿の促し - 油断するとオネショするようになった。利尿剤がすごいのか、我が猫の不精さが際立っているのか。とにかく脱水に気をつけながら給水、排尿をさせ、肺水腫を防いでいく。
・室温管理 - 薬の影響か、体温が低い。前にも増して寒がる上に、体感温度もバカになっているのか、震えながら変な所で寝がち。常に適温の場所を必ず作っておこう。血行が悪いためか、後肢肉球が冷えっ冷え。そっと握ってやるとイイ顔をする。

ひたすら心臓の薬の効果が出てくれる事を期待しつつ、利尿剤で肺水腫をケアし凌いでいる現状。凌ぎきれない時に再度入院、といったループから早く脱却したい。同時に、腎臓の数値が悪い方に高止まりしているので、そちらが非常に心配である。

Point

・錠剤が苦にならない我が猫は投薬が簡単だが、おやつが毎回必要。ここらへんは猫の個体差なので投薬が難しい場合に関してはその都度獣医さんと相談をしよう。
・トイレはいつもの所とは別に、寝床近くにも設置しよう。猫の動線上にももう一つあると良いが、人間の動線と共有している場合が多いと思うので工夫しよう。トイレが遠いと面倒臭がって我慢するので、複数あったほうが良い。
・利尿剤の服用の作用でとにかく水を大量に飲むようになった。こちらも動線上、若しくは寝床からアクセスの良い場所に追加で置いてあげて脱水に気をつけよう。
・利尿剤の服用の作用でとにかくオシッコをするようになった。ビックリするくらい頻繁に大量にする。トイレが複数あったほうがいいもう一つの理由。
・忙しい獣医さんと我が猫のために、普段の様子や特別な報告事項、質問などはメモにとって診察時に具体的に伝えるようにしよう。
・日記や日報などをつけると良い。投薬時間やその日の様子が後から追えるのでべんりである。自分の記憶だけに頼らず、ちゃんと記録をつけよう。
・保険に入れ

治療費について

おそらく、猫の健康と同じくらいに関心のあるだろう費用について。実際のところ猫によって、症状によって、獣医さんの方針によって、多々あるご家庭の都合によって、診療内容そのもの自体が変わってくる。当然、それに掛かる費用も大きく変わってくる。とはいえ、実際にいくら掛かるの?という疑問にはなかなかインターネットは答えてくれない。なので、ここではまず我が猫に関しての実際の月の通院・入院回数と月別合計の費用のみをざっと書き上げる。

・9月
通院回数 : 2回 費用 : ¥22,967-
入院回数 : 1回 費用 : ¥85,393-
月計 ¥108,360-
・10月
通院回数 : 6回 費用 : ¥83,534-
入院回数 : 2回 費用 : ¥44,110-
月計 ¥127,644-
・11月
通院回数 : 4回 費用 : ¥85,360-
入院回数 : 0回 費用 : ¥0-
月計 ¥85,360-
・12月(20日時点)
通院回数 : 1回 費用 : ¥20119-
入院回数 : 1回 費用 : ¥47069-
月計 ¥67,188-

合計 ¥388,552-

先述したように、診療内容は都度かなり違うので、確実に幾らかかると言いきれないためあくまでも参考として実際の数字を出した。
ちなみに僕は避妊手術の直後くらいからペット保険の検討を始めた。が、それから2か月ほどで発症したため結局無保険。正直かなりつらい。ノンビリしていた自分を恨む。

Point

・保険に入れ

現在の状況&まとめ

12月20日、退院しました。
治療内容は変わらず、酸素カプセル&点滴が主。利尿剤で水を絞り出すやつ。
帰宅後、ひどい目にあったと言いたげな顔で、鬱憤を晴らすかのごとくカリカリを食い散らかしています。水もガブ飲みです。食後の家中パトロールとトイレが済めば、さも当然かのように膝に乗ってくる事でしょう。きっと今日もお尻が臭いはずです。僕にケツを拭かれ「この世の終わり」のような顔をするでしょう。この一瞬だけを切り取れば、全くもっていつもの日常となんら変わりません。

この病気と3か月付き合ってわかることは、

・普段の様子からは病状の進行がわからない。急速に症状が進行し、発作のように呼吸困難に陥る。定期的な検査と動物病院での処置が必要。
・心因性の他の病気のリスクは書き記した以外にもまだまだあるが、とてもそこまでは手も気も回らない。目下の症状(肺水腫での酸欠)の対処に追われっぱなし。
・飼い主に出来る事は、残酷ではあるが、現状そう多くない。

という点。要するに、まだ初動の一歩目から進展の無い状況です。その場その場の状況で獣医さんと連携して、症状をコツコツと緩和させていく事しか出来ておりません。
動物病院とのホットラインを形成しておくこと、獣医さんとコミュニケーションをちゃんと取ること、猫の体調に合わせてフレキシブルに対応をとれるようにすること、自分のヘルスケアも大切にすること。現状をまとめてしまうとこの程度に収まってしまいます。この病気特有のケアは今のところ模索中の段階です。
もしかしたら、僕に出来る事は何もなく、ただひたすらに愛してあげる事だけしか無いのかもしれません。
無力感でいっぱいですが、病気と向かい合い、力の限りを尽くして、これからも寄り添って生きていきます。

尚、現在は保険の資料請求を乱打しております。読むのがたいへん。


この記事に関しては以上となります。何か病状や体制などに進展があったらまたNOTEで記事にしようと思います。ご質問やご要望がございましたら、お気軽に連絡下さい。



我が猫、そして、全ての猫に、愛と幸福を。


#猫 #肥大型心筋症 #肺水腫 #弁膜症

以下有料部分は、ただ我が猫の変顔が載っているだけです。

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