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古いワイン、みその果樹園、農楽蔵、山田農場、コルツ

「続けられるかなぁ〜」で締めた前回、早速1ヶ月以上サボってしまいました…(不安的中)

過去は振り返らずに気を取り直して、本来やりたかった姿(note版)を綴ってゆきたいと思います。

第1回noteの繰り返しになりますが、本来やりたかったことの姿とは、《店頭でお配りしているワインにまつわる語り物+お手伝いしている葡萄畑 - みその果樹園 -について》です。

ただ、みその果樹園は現在作業がほとんどないので、チラリと今の畑の状態をご紹介、今回は先日訪問した函館の【農楽蔵】での収穫を中心に綴ってゆきたいと思います。

古いワインが美味しいの? - published in 30 Oct 2021 -

ワインとは古ければ古いほど価値があるのかという質問をよく受けますが、答えは「NO」です。大量に工場で造られるワインは早飲みがほとんど、熟成するポテンシャルを持っていません。しかし、丁寧に造られたワインならば、2000円台でもある程度瓶内熟成させたほうが全体がまとまって美味しくなります。

発酵、タンクや樽熟成を経て、瓶内熟成はワインにとって最後の変化の場です。瓶の中では【アルコールと水と酸】との間で、くっついたり離れたり、またくっついて、風味成分が生み出されます。(ややこしい人間関係みたい!)なんと赤ワインで500種類以上が確認されているそうです。
独立して2年目くらい、ワインって約6ヶ月単位で変わってゆくのかなぁと感じたことがありました。本領発揮した時は美味しいのですが、入荷直後はイマイチなワインは試飲すると、「ムズムズ」しています。ワインを注いだグラスをよく回すと奥に隠れていた要素が解放されて開いてきます。しかし、このように無理矢理開かせたものと時が来るのを待ってあげたものでは全く味わいが異なるのです。調和しているので、より滑らかなのです。

ムズムズしているワインは6ヶ月間アンケのテーブルの下で眠りにつきます。最近、そんなワインが増えてきて…
年末に向けてグゥグゥ眠ってるワイン達よ、あと少しで出番ですよ。

みその果樹園は柿のシーズン!

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10月末にチラリと畑を見てきました。

少しだけ実を付けていたシャルドネは9月5日、メルローは9月19日に収穫したので、今はほぼ何もない様態、葉や蔓の成長も止まって伸びません。落葉が始まっていました。

ほぼ1ヶ月ぶりの畑は秋の風景に早変わり。夏の間は生命力に溢れていた葡萄たちは一気にお休みモード、周辺の柿やみかんが我が物顔です。

年内の作業としては、最も主幹に近い新梢は残し、その他の新梢は芽の所でカットしてゆきます。(来年、また新しい梢が伸びてくるため)

来年は残した新梢を外側に広げるようにしてワイヤーに固定、樹が両手を広げているような感じです。こうして3年かけて葡萄の樹の形を整え、大きくしてゆき、初めての本格的な収穫へと向かってゆくのですね。

うーん、これもやっぱり携わっていなかったら気づかなかったこと。ふむふむ、楽しい!

農楽蔵・文月ヴィンヤードで収穫お手伝い

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ワインラバーならば誰でもその名を聞くと「なぬ!」となるでしょう、【農楽蔵】さん。

私が【みその果樹園】でお手伝いを始めて畑や醸造についてわからないことがあった時に、たまに相談する20年来の友人がおり、相談事していたところ、(その子はソムリエ、オーストラリアでワイナリーにいた経験もあり)「俺も詳しいことはわかんねーから、健くん(【農楽蔵】のオーナー)の収穫に毎年行くから、欠員でたら行く?」と誘ってもらったのが、収穫お手伝いのきっかけでした。

息子を儲けてからはなかなか家を離れることができなかったのですが、息子ももう小3。休日は夫と野球三昧なので、「行けるっしょ!」と思い、即答!何より、こんな機会滅多にない、学べる大チャンス、逃す手はないのです!

1日目は午前中のうちに函館IN。収穫は午後からなので市場で寿司です。(イカが美味しかった〜!)

【農楽蔵】さんの収穫は函館湾が一望できる”文月ヴィンヤード”、シャルドネの最後の収穫を日本中から集まった総勢約40名で行います。

集まった人の中には知り合いの酒屋さんがいたり…、東京でも滅多に会わないのにまさか北の地で会うなんて。(この後もそんなことがポツポツ起こる。)

房は既に手入れをしてあるので、収穫するだけの状態です。

今年は暑く、余市では9月に収穫をしなくてはいけないところがあったようですが、函館は全く気候が異なるそうです。2019年に似たある程度の酸も乗ったバランスの良い年だそうです。

ほとんどの葡萄は1,2週間前の収穫チームが獲っており、今回は本当に最後の方で量も少なめ、房には貴腐が割と多くついているような状況でした。40人だとあっという間に終わっちゃうかねぇなんて言いながらのスタートでしたが、なんやかんやで時は過ぎ、終わった頃には暖かかった日差しが控えめになり、冷たい風が吹いていました。

憧れのワイナリーで収穫すべき葡萄の状態を直に見れたことはいい経験になりました。あの顆粒の味、触った房の感触、葡萄の持つ雰囲気を忘れないようにしなきゃと。だって、葡萄の人に収穫のタイミングってどうやって決めるんですか?と聞くと、「雰囲気」「葡萄がそう言ってる」だとか、壮大な答えが返ってくるから…わからなくて、その答え探しも今回の旅の目的だったのです。

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最後に、収穫チームのためのお土産ハーフボトルを頂き、解散!

収穫だけではなく、収穫お手伝いの方へのおもてなしの仕方も勉強になりました。(来年はきっと【みその果樹園】でも収穫お手伝い募集すると思うので…)

夜は打ち上げ!人見知りなワタクシですが、勇気を振り絞ってちゃんと名刺持って挨拶しました。(社会人だから当たり前…)でも、挨拶終えて、ワイン飲んで、美味しいごはん食べてると、もうみんな仲良し!いっぱい笑って、色々梯子したら AM3:00!OMG! 20代を思い出しました。

山田農場と農楽蔵醸造所訪問

ショートスリープで2日目スタート。警報級の大雨の中、函館から車で1時間ほどの”ガロ”のチーズで有名な【山田農場】さんへ向かいました。”ガロ”は私もチーズ屋さんを通して取り扱いをさせていただいていましたので、すごく嬉しい訪問です!

【山田農場】さんは自給自足でチーズやジャムを造り、ワインの販売も行っていらっしゃいます。そのチーズはとてもとても美味しくて、素直で健康的、複雑で、熟成してゆくに従ってどんどん味わいも変化する素敵なチーズです。

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山田さんは小さな小屋の屋根にソーラーパネルを付けられたそうで、その話にモロに惹きつけられました。夏の間はその電気で生活できて、余った分はマキタの蓄電池に貯めておくそうです。

ボトルショップにとってはエアコンが生命線なので、停電時の電気をどうしよう〜と常に考えていて、ソーラーパネルいいじゃん!と思ってしまったワタクシ。そんな簡単にできることではないと思うのですが、こんなに暑い世の中で太陽を味方にしなくてどうする!と妙に興味が出てしまったのです。うーん、気になります!

大雨の中、どーするかーという中、「あ、農楽蔵行ってないじゃん!」と気づいてくれた友人。醸造所に向かいました。

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函館市内にあるアーバンワイナリー、元印刷会社だった建物を改装されたそうです。

ちょうど昨日取れた葡萄のジュースを絞っていました。貴腐がついているからゆっくり絞っていると言ってました。

樽の中では1,2週間前に収穫したシャルドネが発酵中。

忙しい時期にお邪魔してしまいました。恐縮恐縮。

その後は函館の人気店 Colzでディナー。北海道のレアワインを中心にセレクト、地元食材を使った洗練されたイタリア料理店です。こちらもいちいち感動するくらい、最高に美味しかったです!

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この日もなんとAM5:00まで飲みまくり、楽しい夜(朝?)は更けてゆくのでした。

今までの私のワイン関係の旅といったら、生産者を回るだけが多かったのですが、今回はワイン業界の第一線で活躍している方と触れ合う機会が多く、(人見知りなので、あまり知り合いがいない…)それが新鮮で刺激になりました。

函館で出会い、畑で収穫、ワインを酌み交わして、それぞれが何かしらを吸収し、それぞれの場所に帰り、新たなアイディアを含みながら各々のスピリッツの元、仕事をする。そして、また1年後に函館で!って、すごくイイ!

って、来年も連れてってもらえるかしら…。

そんなこんなで、私も大いなる刺激と気付きを頂き、今、やる気満々なのに、風邪を引いてしまいました… 。明日も試飲会4件ですが、ヌーボー前なのに大丈夫か?ワタシ?が、がんばるぞ。

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