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【まっぱだか】1週間車中泊からベッドに辿り着いた話①

監督・主演作『1人のダンス』が元町映画館で1週間限定公開された2019年8月31日~9月6日。僕、安楽涼はお金もないので1週間車中泊をしながら舞台挨拶をしました。その時の元町での7日間のお話。ベッドで眠れる日が来るまでのお話。まずは初日。

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2019年8月31日。劇場デビュー作「1人のダンス」は東京の公開を終えて、元町映画館が初めての地方公開となった。写真左から片山享さん、安楽、DEG、大須みづほさんの4人で初日舞台挨拶。

まずは腹が減ったのでご飯を食べに。当時食に疎い僕は、正直なところどこでも良かったので皆が選んでくれた洋食ゲンジさんに入った。今後気づいていく事になるんですがこの街は飯がべらぼうに美味い。元町初の食事から美味しかった。

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腹ごしらえも済んで、神戸っぽい場所ってなんだ?海?じゃあ行こう。雨降ってるけどまぁ良いか。って感じで海に辿り着いた。古くからの友人のDEGと毎年海に遊びに行ってるが、この海は入って遊ぶようなとこじゃなかった。後々作られた『まっぱだか』でこの海はロケ地に。

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その後はHATなぎさの湯でリフレッシュ。ちょうど次回作『追い風』の脚本執筆中だった為、片山さんがDEGに根堀り葉掘り聞いていた。裸の付き合いってやつなのかな。僕は監督なのに1週間車中泊に備えてただただゆっくりとした。露天風呂が最高。そして元町映画館に戻った。

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さぁ、いざ初日!上映を待っていた。全く知らない土地での初の劇場公開初日!!来ていただいたのは、13名でした。インディーズと呼ばれる作品の平均的な入りがわからなかったが、キャストも居てくれる初日に13名だったら、今後6日間はいったいどうなるんだこれは。東京公開初日は177席ある池袋シネマ・ロサがほぼ満席。正直自惚れてたんだろう僕は。現状を知って、支配人の林未来さんにごめんなさいなんて心の中で思った。

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写真左は映画館スタッフの石田涼さん(以降りょーちん)。この人が『1人のダンス』を拾い上げてくれて元町映画館公開は進んだ。りょーちんは僕の1週間車中泊舞台挨拶に毎日司会として一緒に立ってくれると言っていた。この人が喜ぶような1週間にしたいなーなんてぼんやりと思った。舞台挨拶はキャストが居てくれたので盛り上がって初日終了。出てくるお客さんに感想を直接言って貰う。記憶が正しければこの日に東京からも見に来てくれたお客さんがいた。今後に怯えながらも感想を聞くと元気になるから変なもんだ。

その後は支配人達と皆でDEGと大須さんの夜行バスの時間まで飲みに行った。インディーズの地方興行はどんなものかなど色々と聞いた。やはり東京に比べたら少ない人数の入りだけど、入る映画は入るとの事だった。そうなりてぇもんだなぁなんて思って気持ちよく酔った。

店を出て片山享さんと二人になった。「俺残れる限り残るから宣伝行こうぜ」なんて言ってくれて、深夜もやってるBARを探した。なんとなく向かったANCHORというお店。目の前に着くと眼鏡かけたバーテンダーの恰好したお兄さんが客を送りに店前に出てきた。片山さんと「どうします?」「いくか」となり、話しかけた。閉店間際だったみたいだがお店に入れてくれた。入ると洒落た店だし、マスターは声渋めだし、ちょっと戸惑った。「映画やってんすよ」と片山さんから切り出し映画の話に。この日の事は酔っぱらってたからかあんまり鮮明には覚えてないんだけど、最後はこんな感じで街の人達と話して、「映画行くよ」と皆が言ってくれてた。このANCHORは『まっぱだか』のロケ地となり、マスターのタケザキダイスケさんは出演もしている。この先6日間ほぼ毎日ここに入り浸る事となった。これは片山さんが撮った写真、深夜3時くらい。

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そして初日を終えた。8月末の残暑。屋根もなんもない花隈らへんの安いコインパーキングでの車中泊が始まった。片山さんも車だったけか?記憶は不確か。窓を少しだけあけて睡眠。いや、暑すぎるだろ。まじかー。

続く


『まっぱだか』
2021年/日本/99分
監督・脚本・編集:安楽涼、片山享
出演:柳谷一成、津田晴香、安楽涼、片山享、タケザキダイスケ、大須みづほ 他
8月21日(土)より元町映画館、9月10日(金)より京都みなみ会館、
9月11日(土)より、大阪シネ・ヌーヴォにて京阪神先行ロードショー。
https://mappadakacinema.wixsite.com/mappadaka
© 2021 元町映画館

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