理想の図書館

図書館が好きだ。
ただどこの図書館でも良いというわけではない。
自分にとっての理想の図書館はまず人が少ないこと。
それか十分なパーソナルスペースが保たれていること。
そして一番重要なのは自分の好みの本が置いてあるかだ。
この「自分の好みの本」とは自分のお気に入りの本のことではない。
あ!これなんか好きと直感、ときめきを感じるようなまだ読んだことのない本のことである。
それならば本の数が多い大きな図書館なら良いのではないかと思うが、それは違う。
大きな図書館はまず探すのが大変である。
ならば検索機を使えばいいのでは?
いや、ふらっと歩いてたまたま目に入る、直感を得た本を読みたいのだ。

そんな面倒な私だが、それが叶う図書館がある。
昔から通っている地元の図書館だ。
私の地元はとても田舎の雪国でもちろん図書館は小さい。
だが、だからこそ人は疎らでいつ行っても私は自由に本を選べる。
足音を気にせず、視線も気にせず。
たまに窓を見ると小学生が外で遊んでいるのを見れるのもなんだか良い。
小さい図書館だが毎月仕入れる本は多く、色んな分野を取り揃えているので飽きることもない。
近くにあれば週に1回は通いたいが残念ながら私は地元を出たのでもう頻繁には行けていない。
だがたまに行くと必ず素敵な本に出会わせてくれる。
なので地元に帰ると必ず一度は寄っている。
たまに心が弱るとその図書館を思い、精神を安定させようとすることもある。
それくらいいつのまにか私にとっては大切な場所である。

また少し別の話だが、以前働いていた職場で本好きの子がこの街の図書館の本を全て読み終えたらここを辞めてまた違う街に行くと言っていた。
そのときはそうなんだと普通に返したが、今はなんか良いなぁとジワジワと感じる。
これもまた直感、ときめきと同じようなものだろう。

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