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「新しい友達と遊べないのは新しい友達が欲しいから」

小学校に入学して2か月弱。
入学のお祭り気分も終わり、ゴールデンウィークも終わり、日々の生活も落ち着いてきた。
小さいことはいろいろあるけど、娘は学校へ行き、私は仕事をし、ごはんを食べて一緒に眠る、すこやかな日々。
もうそれだけでハナマル。

そんな普通の日のお風呂で、ふと、娘が言った。
「明日はりかちゃんいるかな。でも遊べないかな、ゆうこちゃん、みさちゃんがいるだろうし。」

りかちゃんは初めて聞く名前で、ゆうこちゃん&みさちゃんは保育園から仲良しの友達。(仮名です)
私「ゆうこちゃんとみさちゃんがいたら、りかちゃんと遊べないの?」
娘「遊べないってわけじゃないけど、でも遊ばないようにしてる」
私「ゆうこちゃんとみさちゃんがいないときに遊んでるの?」
娘「ゆうこちゃんとみさちゃんいなくても、りかちゃんとは遊ばない」
私「そうなんだねー(遊ばんのかい、どういうことよ)」
なんてふんわり会話していて、分かったことは、

・娘は小学校で保育園からの友達と遊んでいる
・新しい友達と遊ぶことは避けたいと思っている
・新しい友達と遊ぶとよくない感じがしている

ちょっと真剣に聞こうという気持ちになってきて、
私「りかちゃんのこと、好きなんだなと思ったよ。遊びたいんだね。どう?」
娘「でもがっかりしてさ、がっかりしたら悲しくなるからさ、そしたらだめじゃん」
私「遊んだらがっかりしちゃうって思ってるの?」
娘「うん」
私「誰が?」
娘「りかちゃんが」
私「りかちゃんががっかりするのが嫌だって思ってるんだね」
娘「そう、だって、嫌いだと思われるかもしれない」

娘の中の世界が解明されるまであと30行くらい必要なので要約すると、

新しい友達と遊ぶ→次の日に保育園からの友達と遊ぶ→それを見た新しい友達は「私のことが嫌いになったからもう他の子と遊ぶことにしたんだ」と思う→悲しなってもう遊べなくなる→新しい友達と一緒に遊んだらだめだ

というストーリーだった。
新しい友達と遊ばない理由は、新しい友達と仲良く遊びたいから、だった。
そのストーリーが正しいかどうかなんて分からないし、娘にとっては、これ以外のストーリーは考えられないわけだから、「そんなことないよ」なんてナンセンスなこと言いたくないなと思った。
彼女なりに、一生懸命考えたのだ。
私「新しい友達と仲良くなりたくて、一緒に遊びたいから、がっかりさせないように、一緒に遊ばないようにしてるんだね」
って言ったら、
娘「そうなんだよ」
私「自分がそう思ってること、知ってた?」
娘「知らなかった!!!」
と言っていて、ちょっと楽しそう。
よしよし、元気が出てきたようで。

私「遊ぶ時間がたくさんあったら、両方の友達と遊べそう?」
娘「でも休み時間は短いから無理」
私「みんなまとめて遊んだら?」
娘「それはみんながどう思うか分からないしクラスが違うから(以下ごにょごにょ)」
私「何かママが手伝えることある?」
娘「、、、おうちで遊びたい、りかちゃんと、お菓子パーティーしたい」

新しい友達との時間が欲しいから、家でお菓子パーティーがしたい。
何が欲しいか分かって、具体的なリクエストを出せた娘が誇らしく、いとおしく、もうお菓子なんでも買っちゃうよっていう気持ちになった。

「新しい友達と遊びたくて、だから遊びたくない」
矛盾してるけど、大人もこういうこといっぱいやってると思う。
仕事頑張りたくて頑張らなかったり、
大好きって言いたくて言わなかったり、
チャレンジしたくてしなかったり。

本当はこれがしたかったんだなっていうのに気づくとやっぱり自分でも嬉しいし、それを分かることができたら、家族は嬉しい。
新しい友達ができたって、できなくたって、どっちがいいも悪いもなくて、
娘の願うことに触れたいし、一緒に叶えるトライができたら、それが共に生きる幸せなんだろうと思う。

テンション上がった娘は友達に招待状を書くと言い出し、なかなか寝ないことを怒られ、「大人はいいよね、寝る時間に怒られなくて」と言って拗ねて寝るというオチつき。

招待状を渡せるのか、遊びに来てもらえるか、それはまた次のストーリー。
たのしみ!



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