(無料)目黒記念2020~舞台・傾向・出走馬評価~

・舞台画像1

(出所):競馬ラ(https://www.keibalab.jp/db/race/202005310512/course.html)

解説
目黒記念とアルゼンチン共和国杯の年に二回しか使用されないコース。スタート地点は東京芝2400mから後ろに100m下がっただけであるが、坂の途中からスタートしていることもあり、向こう正面の坂を合わせると3回も坂を上ることになり、かなりタフなコースとなっている。これは産駒成績にも如実に表れており、2400mのディープインパクトは勝率15%、複勝率36%あるのに対し、2500mでは勝率0%、複勝率25%に低下している。※1
この条件の試行回数が少ない為、サンプル数が少ないので精度は欠くが成績上位の産駒は、ステイゴールド(勝率13%、複勝率25%)、ハーツクライ(勝率14%、複勝率23%)、ディープインパクト(勝率0%、複勝率25%)である。
※2

Point
・坂を三回上るタフなコース
・パワー・スタミナ血統

※1:集計期間が2015/5/28~2020/5/25。この記事では集計期間をこの範囲であることを前提として記載していく。
※2:今回出走する馬の産駒かつ集計期間で総出走数が10頭以上の馬に限定しての成績上位の産駒である。

・傾向画像2

(出所):競馬ラボ(https://www.keibalab.jp/db/race/202005310512/past.html)

解説
前走は重賞含むハンデ戦を使ったかGⅡ以上を走った馬が好走する傾向にある。さらに細かくすると前走3勝クラス(1600万下)では連対経験、重賞以上では過去に2400m以かつGⅡ以上で連対経験をしたことがある馬が特に好走していることに注目だ。
血統では瞬発力よりもパワー・スタミナ系の血統が来やすく、ここ5年でもディープインパクト産駒が勝利していないことにも注目したい。ディープインパクト産駒が目黒記念で勝利したのは近10年でも2012年のスマートロビン一頭のみで相性はそこまでよくない。よって、目黒記念で狙うべき血統では、父系ではパワー・スタミナ寄りのサンデーサイレンス系、トニービン、キングカメハメハの血が入っている血統である。また、母系の血統ではNorthen Dancer、Robert、Mr.Prospectotの血が入っていることが好ましい。

Point
・前走がハンデ戦の馬が好走傾向。
・前走が重賞の場合、これまでに重賞で連対経験をしている馬が好走傾向。
・パワー・スタミナ寄りの血統。

・出走表画像3

(出所):netkeiba(https://race.netkeiba.com/race/shutuba.html?race_id=202005021212&rf=race_list)

・出走馬評価

1枠1番 タイセイトレイル
・買い要素
前走のメトロポリタンステークスは斤量57kgを背負い3着。今回はそこから斤量2kg減での出走となっているのはプラス材料である。また、昨年同条件のアルゼンチン共和国杯で2着にもなっていることから適性もあることは明確である。
好走パターンもスローペースからの瞬発力勝負の方を得意としているので今回の展開を考えると向く可能性は高い。
・消し要素
当馬は高速よりもタイムのかかる馬場の方が得意である。条件が同じであるがアルゼンチン共和国杯は基本的にタイムのかかる馬場で施行されることが多く、当馬の持ちタイム2:31.7なので春の高速化しやすい東京競馬場の馬場と合うかどうかが不安材料である。

1枠2番 ノーブルマーズ
・買い要素
一昨年の目黒記念2着馬。昨年の小倉記念でも1:58.9で後の豪GⅠ馬メールドグラースに0.1秒差の3着である実績を見ると地力はある。今年に入り2戦使っているがどちらとも4着であるところを見ると2年前から実力の衰えはそこまで考慮する必要はない。
他の出走メンバーと比べると好走馬場適性もあることから今回も好走する可能性は十分にある。
・消し要素
前目の位置に付けないと好走しない傾向であるが、今回明確な逃げ馬はいないが先行で競馬する馬が多頭数いる。高い位置に付けなければ凡走する可能性も十分にある。

2枠3番 ポポカテペトル
・買い要素
ボスジラの全兄であり母父のMr. GreeleyはMr.Prospectot系の血を引き継いでいることから血統面ではプラス材料である。また、ディープインパクト産駒は先述しているがこの条件での成績は上位である。
菊花賞では極悪不良馬場でキセキの3着だったこともあり、当日の馬場がパワー系の産駒が来るような馬場であれば買える。
・消し要素
古馬重賞レースに出走するようになってから最高順位が一昨年の目黒記念の4着ということで能力不足感が否めない。展開が向かない限り好走は難しいか。

2枠4番 アイスバブル
・買い要素
昨年の目黒記念2着馬。過去に2400m以上かつGⅡ以上で連対経験有りという点では好走傾向に合致している。ハイペースで前がつぶれる展開かつ上がり3Fが34秒以上あれば一考か。
・消し要素
斤量55kgであるが、オープン入りしてこの斤量で複勝圏内に来たことがない。(というより去年の目黒記念以来来ていない。)今回、明確な逃げ馬がいないためハイペースになることは考えにくい。

3枠5番 キングオブコージ
・買い要素
斤量54kgはこれまで出走してきた中で最軽量の斤量である。鞍上の横山典弘騎手とはここまで近3戦コンビを組んで全勝しており、相性が非常にいい。父のロードカナロアは短距離血統であるものの当馬は長距離もこなしているのでこの血はプラスに働く可能性は大きい。母父のGalileoはNorthen Dancerの血を引く欧州血統で母系でも血統的にはプラス要素である。
・消し要素
明らかな右回り巧者でこれまでに東京で二度走っているがどちらとも掲示板を外している。

3枠6番 メートルダール
・買い要素
血統面では、母父Silver HawkはRobert系の血統であることからプラス材料である。
当馬の好走傾向も左回りの競馬場で走った時にスローペースからの瞬発力勝負を得意としているので、今回明確な逃げ馬が不在のレースでは展開は向く可能性がある。また、高速馬場にも対応できるので高速化しやすい春の東京競馬場の馬場にも適応できる。
・消し要素
2400m以上のレースに出走した時は一度も馬券に入っていないことから距離適性がない。2018年から自己条件である2000~2200mをメインで使っているがほとんど馬券にならなくなっているので確実に能力が落ちてきている。

4枠7番 ミュゼエイリアン
・買い要素
血統面では、スクリーンヒーロー産駒はRobert系のパワー寄りの血統で、先週オークスで2着になったウインマリリンも同産駒である。ま、母父エルコンドルパサーはMr.Prospectot系の血統でもあるのでこちらもプラス材料である。今週も先週と似たようにパワー・スタミナ寄りの血統が好走する馬場であれば好走する可能性は有る。
・消し要素
血統面以外では好走条件に合致する要素がない。また、当馬は基本的に外国人のようなパワーがある騎手でないと好走しない傾向にある。水曜日の段階で鞍上が決まっていないところを見ると運営のやる気も感じられない。

4枠8番 アフリカンゴールド
・買い要素
ステイゴールド産駒は上記の通り勝率13%、複勝率25%と比較的にいい数字を持っている。母父もGone WestなのでMr.Prospectot系の血統であるのも評価ポイントである。また、鞍上の福永騎手はこの条件で勝率25%、複勝率50%の数字を持っており一番成績がいい。
・消し要素
高速傾向のある春の東京競馬場にこの馬がついていけるかが不安要素である。好走傾向にも何一つ合致していないこともあり、優先度は下がる。

5枠9番 サトノクロニクル
・買い要素
実績だけで行くとGⅢ一勝GⅡ連対二回と上位である。過去にGⅡ以上で連帯経験のある馬は好走条件とも合致している。父ハーツクライはこの条件でリーディングをとっており、上記にもある通り勝率14%、複勝率23%と比較的に相性は悪くはない。高速適性もあり、春の高速馬場化しやすい東京競馬場の馬場とは合っている。当日が高速馬場であれば一考。
・消し要素
長期休養後今年のAJCCから再び戦線に復帰してきたが、復帰後は一度も複勝圏内にも入ってきていない。馬自体が終わっている可能性が否めない。また、鞍上の武藤騎手もデビューしてからこれまでにGⅡで計11回騎乗し、馬券内に来たのは1回だけなので実力不足か。
好走パターンはミドル~ハイペースになった時のスタミナ勝負なので、今回スローペース濃厚であることから展開面では不利か。

5枠10番 ミライヘノツバサ
・買い要素
前走の天皇賞・春から斤量が2kg減量し、距離を短縮していること、今年のダイヤモンドステークスを勝っていることからここで激走する可能性はある。また、このレースの好走傾向にも合致している。過去に日経賞で連対経験をしていることもあり、穴であれば特に狙いたい一頭である。
・消し要素
ダイヤモンドステークス、天皇賞・春と長距離を二度も使っているので疲労の蓄積があることが不安要素である。

6枠11番 ステイフーリッシュ
・買い要素
父ステイゴールドは上記にも書いているが勝率13%、複勝率25%と産駒実績では上位である。また、母父がキングカメハメハなのでMr.Prospectot系であることから血統面では好走条件と合致している。
・消し要素
明らかな右回り巧者である。また、2400m以上のレースでは一度も複勝圏内に来ていないことから今回は距離が長いか。
好走パターンもミドル~ハイペースになった時のスタミナ勝負かスローペースでも上がりがかかるような馬場の時なので今回は展開的にも不利になるか。

6枠12番 ゴールドギア
・買い要素
当馬もキングオブコージ同じく父ロードカナロアで長距離もこなせる母系の血が比較的に強い馬である。母系の中にはトニービンの血が入っており、これも血統との観点から行くとプラス材料である。また、前走緑風ステークスの勝ち馬には一昨年にウインテンダネスがおりローテーションも悪くない。加えて、メンバーの中では好走馬場への適性もあり、春の高速馬場化しやすい今の東京競馬場の馬場にも適応できそうな一頭である。
好走パターンはスローペースからの瞬発力勝負で、今回は逃げ馬もいないため好走パターンに当てはまりやすい状況である。
・消し要素
鞍上の三浦騎手は2015~2019年でGⅡに49回騎乗しており、成績が(0,0,2,47)と非常に低い数字を持っている。

7枠13番 ウラヌスチャーム
・買い要素
サンプル数が少ないが、ルーラーシップ産駒は勝率20%、複勝率40%という高い数字を持っている。また、近10年まで過去成績を広げるとメトロポリタンステークスの勝ち馬は3頭が勝利含む馬券内にまで来ている。メトロポリタンステークスのように自身が逃げてスローペースに落とすことができれば残れるチャンスはある。
・消し要素
前走が奇策を打って逃げているが今回も逃げるとは限らない。また、重賞では牝馬限定戦でしか掲示板内に入っていないことから混合戦での好走は難しいか。当馬の好走パターンを見ると、タイムのかかる馬場の方が好走しているので高速馬場傾向のある春の東京競馬場に対応できるのかも不安要素である。

7枠14番 パリンジェネシス
・買い要素
母父のメジロライアンはNorthen Dancer系であり好走条件と一致している。
・消し要素
能力不足。オープン入りし頭打ちを食らっているのでここで好走することは難しいか。水曜日の段階でも鞍上が決まっていないところを見ると陣営もやる気がないか…。

7枠15番 バラックパリンカ
・買い要素
前走のように逃げてペースをコントロールできるのであれば好走の可能性あり。また、東京競馬場の馬場が先週のようにパワー・スタミナ寄りの馬場であればアイルランド産の父ノヴェリストのような血統は向いてくる。母父はジャングルポケットなのでトニービンの血が入っていることもあり、血統面ではプラス材料である。
・消し要素
前走の御堂筋ステークスで目黒記念を好走している馬が近10年を見てもいない。また、今週からCコースが解放されるので馬場の高速化が考えられるのでパワー系の当馬が好走することは難しい。

8枠16番 オセアグレイト
・買い要素
2400m以上の距離を走った時の成績が(3,1,2,1)と抜群の安定感がある。
好走パターンとしては好位抜け出しである。2400m以上のレースに出走し、4角で5位より上にいる場合の馬券率は100%である。今回の出走馬は前に行く馬が少ない為、前に行きやすい点もこの馬にとってのプラス要素である。
・消し要素
重賞での連対経験がないのでここで凡走する可能性はないとは言い切れない。また、好走パターンとして、時計のかかる馬場の方が好走するので高速馬場傾向の今の東京競馬場に適応できるかも不安要素である。

8枠17番 ボスジラ
・買い要素
母父のMr. GreeleyはMr.Prospectot系の血を引き継いでいることから血統面ではプラス材料である。また、ディープインパクト産駒は先述しているがこの条件での成績は上位である。
・消し要素
これまでの戦績を考えると少々能力が不足しているか。当馬の好走傾向として、タイムのかかる馬場での好走が目立つ。今週からCコースが解放されるので高速馬場化されると考えるとなると適性から外れる。今週の馬場を見て判断が必要である。

8枠18番 ニシノデイジー
・買い要素
高速馬場の適性あり。昨年のダービー及びセントライト記念では後方待機からの末脚勝負をした結果届かずに掲示板に来たことから道中5~6位くらいで待機すれば一発ある可能性は有る。スローペースからの瞬発力勝負を得意としており、春の高速化しやすい東京競馬場の馬場とは相性が合う。
・消し要素
ハービンジャー産駒はこの条件での成績が複勝率0%と非常に相性が悪い。また、当馬の戦績を考慮すると2200mを超えると掲示板がやっとであることから1800~2000が適性範囲だと言え、距離が長い。

・その他

全頭評価は馬の能力及び適性と騎手・厩舎の舞台適性を前提として書いています。騎手と厩舎の相性や所属先(美浦・栗東)及び枠による有利不利までは考慮していません。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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