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ミライノオトモニターNo.18「その香りが連れて行く先」

ブワッと汗が噴き出す。
この炎天下に外で作業をしていたら、そりゃ当たり前なんだろうけど、それにしてもまあ、暑い。
そしてこのタイミングで声がかかる。

「そろそろ休憩にしようかー?」

その言葉に救われる。
まるで砂漠をさまよってやっと出会ったオアシスのように。

この言葉そのものもだけど、彼の存在も同じように私にとってはオアシスだった。

彼に会うまでは、気づいていなかったのだ。
自分がこれほどまでに、乾いていたことを。

出会ってから、そう時間は経ってはいない。
けれども、その限られた時間の中で、いくらでも限界など知らずに吸い込んでゆく…まるで底なしのスポンジのように、わたしは彼からあらゆるものを受け取り続けた。

それは、言葉や態度、ちょっとした仕草からこぼれ落ちてくる、彼の断片。
何が好きで何が嫌いか、こんな時はどんな表情をするのか、どんな言葉をつむぎ出すのか。私を見る視線の熱さ。
触れるか触れないかの、あの感覚や、何かを言いかける時の口の開き方。

そして私への想い、これからの二人の進む道のりのことなど。

彼から発せられるものは、どんなものでも拾いにいく、そんなセンサーが常に働いているようだった。

といっても、それも一時期よりは落ち着きを見せて、今はそこまでの感覚ではない。最初の頃にぐんぐん吸収していったことが、私の中では積み上がってきているのと同時に、それとは違うものが見つかった時に素早く反応する、そんな風になってきている。

なんというか、マニアみたい。

ふと浮かんだフレーズに、自分でもちょっとウケてしまった。


二拠点生活、という言葉が目に入ってきたのは最近だった。
そんな風に聞くと、別荘でも持っているかのようなイメージだけど、実際はいろんな形があるらしい。
旅をするように各地の拠点を渡り歩けるようなサービスやコミュニティがある。
なんとなく気になったところへ、お試しとして一度訪ねてみようかと思った。
何が気になったのかというと、その拠点になっている古民家の写真から、とても良い香りがするような感じがしたからだ。

そこから見える、緑の色がとても濃くて、空との対比がまた美しくて。
朝の薄い水色の空、昼間の濃く高い青い空、夕暮れのオレンジやピンクの空、そして電気が少ないが故の夜の黒い黒い空。

それら全てにおいて、生き生きと活力を放出させている木の葉の緑が、時にくっきりと、時に柔らかく在る…そこからえもいわれぬ香りがしてくるようだった。

そして、所々に咲いている四季の花。
名前を知っているものも、知らないものもあるけれど、それらはなぜか私には、どれもがとても艶めかしく映るのだった。

自分の美しさ、そして子孫を存続させるための魅力を、これ見よがしに振りまいているその姿。
緑、という中立の色がこれでもかとある中で、目をそらせなくなるような、存在感。

なぜか、とても惹かれるものがあった。
決して珍しい花や葉でもなく、きっと近所を探せば同じものがあると思うのだが、この場所でしか味わえない何かがある、と未来の私が知らせに来てくれた気がしたのだ。

訪ねてみると、そこには年齢も違う、性別も様々、住んでいるところも仕事も趣味もバラバラの人たちが集っていた。
居心地がいいのか悪いのか、正直分からない感じだった。
完全にアウェイに来た感じ。今まで接したことがない人たちが、そこにいた。

だけれども、聞いたことのない話や、これまでの体験を聞かせていただいているうちに、自分が知らない世界はまだまだたくさんあるのだなあと思うしかなかった。圧倒されるような情報の波に、私は飛び込み、たゆたっていた。

情報量がとても多い日を過ごし、あっという間に帰る日になった。
帰り際、入り口に咲いていた花が気になって、ついじっと見入ってしまっている時だった。不意に、とても良い香りが漂ってきたのだ。
この花かな?と顔を近づけた途端に、背後から声がした。

「それ、綺麗ですよね。なんていうのか知らないけど」
「え、えええっ」

気配を感じなかったから、不必要にびっくりしてしまった。
振り返るとそこに立っていた男性は、昨日、あんまり話さなかった人だった。
私とだけじゃなく、他の人ともあまり話してなかった気がする。
ということを、ざっと思い出しつつ、その人をじっと見た時に、あれ?と思った。

さっき、花の香りだろうか?と思ったけど、そうじゃない。
この人から香りがしている。
何かいい香りがするものをつけているのだろうか?
でもそういう、よくありがちな男性がつける香りじゃない感じ。
もっと、自然なもの。そして、ずっと嗅いでいたくなるようなもの。
なんだか分からないけれど、目の奥と胸、腹の奥が熱くなって、何かが溢れ出してきそうな感覚に襲われた。
そして、それらがふいっとまとまるように、私の喉の奥から言葉と熱が溢れてきた。

「あ…私も、この花何かは知らないんですけど。
でも形と色がすごく魅力的だなあって思って。
なんというか、艶めかしくて」

「へえ、艶めかしいって、どんなところが?」

そんな会話のスタートからだったが、不思議な感じがした。
すごく趣味が同じなわけでもないし、感じ方が同じなわけでもない。
むしろ、「え〜そんなこと思う?」みたいなことが多々あるのだけど…
いや、それがあるから、目が離せない、聞き逃したくない、もっと知りたい。
その欲求に抗えなくなっている自分がいた。

いつの間にか時間が経ってしまい、私は滞在期間をもう1日だけ伸ばすことにした。抗えない、不思議な力を感じたし、これもどこかでわかっていたような気もするし、私が知っている法則に従ってみようとも思った。

そして何より、この人の香りをもっと、嗅いでみたいと思った。

それが始まりだった。
この、自然豊かな場所で彼と過ごすことになる、新しい環境の、始まり。

未来の自分からのお知らせは、いつもいつも目の前に現れている。
でも、それをキャッチできるかどうかは、ちょっとしたコツがいる。
私が今まで習得してきたことと、この経験、そして今も更新し続けている学びについて、話を聞きたいという人が、集まりだしてきている。

今日はどんな話を、そしてどんなものを使っていこうか。

日常を飛び出した先にある未来は、こんなにも予想外でこんなにも魅力に満ち溢れていることを、望んで飛び込んでいくと決めるなら、体験できるはずなのだから。
今日も誰かへそのきっかけを渡す日になりそうだ。


このストーリーを後押しするアートを描かせていただきました!

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「ミライノオト・モニターシリーズ」
MIERUKAアーティストAKARIが綴る、
お申込みくださった方の「勝手な未来の妄想ストーリー」
今回は、パートナーと暮らす未来や、学んできたことを広くお伝えすることについてのストーリーのご依頼でした。

モニター募集時の記事はこちら
https://resast.jp/events/YjkwYzc3NWQ4M

<追記>
本募集が始まりました!
小さな本のタイプと、動画タイプをお送りしています。


現在こちらで受け付けています。
https://resast.jp/inquiry/ZjI3OTgyNzQwM

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以下は、お申込みくださった方のご感想です。

・今回お申込みいただいたきっかけ、何にピンと来たかなどお知らせください。

タイトル


・届いた妄想ストーリーのご感想をお願いいたします

いつもありがとうございます!
物語とアート、全てが素晴らしいです!!!

なんでしょう、ワクワクドキドキがとにかく凄かったです!!!

もう、私の理想をそのまま見てきたんですか?
っていうくらいの物語でびっくりです。
加えて色からゲンキが飛び出してくるようなアート、見るだけで前向きになれてびっくりです。

『ミライノオト』 、
これを知った時も直感的に私向き♫って思ったけど、 ネーミングセンスの抜群さにも脱帽でした!
本当にこの企画全てが素晴らしいとしか言いようがないです。
この気持ち、伝わりますかね笑

しかも、物語に出てくる 二拠点生活 という言葉も知らなかったのですが、 さっそく調べてみると正に物語の中と同じくすごく引き込まれます。 
前に同じようなことを調べたりしてましたが、その時は、コスト的に無理〜と一度判断してしまっていて、脳が情報を勝手に排除していたみたいです。
それが、この物語を読んだ後はスルスル入ってきて、 しばらく反応しなかった私の好奇心ツボが反応しまくる!!

久しぶりの感覚です!
これを最近ずっと求めていました。

そして、匂いのくだりも、私の事知ってました?って思いました。
何故かというと、いつも友達に氣になる男性の話しをするとき、匂いがどーだったと説明するのです。けして臭いとかとも違う、苦手な匂いがあって。
とにかく、私にとって匂いがとても重要な判断材料になっているのです笑
これにもすごく驚かせられました。 

そして、 実際にこの物語のとおりにお試しで訪ねたりしようと早速候補を見繕ったので、 今度行ってきます!

他にも、私は散歩で気持ちがいいと花をじっくり観察したりすることがあります。 
好きの最大級はマニアだよなって考えたこともあります。

恋愛って最初の盛り上がりが樂しいけど、結局はその後飽きずに落ち着けるのがいいよな
って思ったこともあります。

などなど、もう、全てが当てはまりまくりで書くと物語を復唱してしまいそうなのでこれ以上はやめます。

ちょっと、ここ最近転職関係で行き詰っていたので、(行きたかった会社さんとスムーズに連絡がとれず、行けるのか行けないのかわからなくなくなったり、別で当てにしてた仕事が切られてなくなったり) アルゴリズム学んで、技もかけたのにおかしいな〜とモヤモヤしていたのですが、 イッキに前向きになれました!

このミライノオトが現実になったら、もはやゴール達成です。

また何か出来事など起こりましたら後日談送れる日を樂しみにしています。

最後になりますが、うまくまとめられず長文になってしまったこと、 お詫び申し上げます。

そして、 自分が描けなかったミライをこんな風に表現して頂き、本当にありがとうございました!



・届いたアートのご感想をお願いいたします

まず、好みでした。
元氣を貰えました。
後押しもしてくれました。
きっとこれからも見る程に力をくれると思います♫


・このミライノオトはどんな方にオススメしたいでしょうか?

自分が何がしたいかわからない人、
自分を変えたい人、
なんとなく氣になった人 など。


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モニターのご参加ありがとうございました。
未来への一つのヒントとなりましたら幸いです!

この度は本当にありがとうございました^^

さらにミライへ、そのオトを聴きならがら。

MIERUKAアーティストAKARI

ピコンと心が動いた時に、ぽっちり押してくださると、嬉しいです。 より良いものをお届けさせていただくともし火にさせていただきます^^