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ミライノオトモニターN0.6「ただこの身が使われる場所へ」

ここの椅子の座り心地は格別だな、と改めて感じ入りながら、沈む夕日を見つめる。
オレンジと空の色、山の稜線、吹いてくる風、どこかから香る夕飯の匂い、そして小さく聞こえてくる音の数々。
思わず、目を瞑ってこの全てを繊細に感じ取りたくなってしまう。
そして、それだけの時間的精神的余裕が今の自分にあることを、今一度感じてみる。

呼吸はゆっくりと深くなっていき、胸と腹のあたりがどんどんと緩み、そして広がっていく感覚がただ、続いている。
とてつもない、何と表現していいのか分からないけど・・・
どっしりとした揺るぎなさと、それとは正反対の軽やかさが同居している感じ。
どちらも即座に選び取ることができる。
もちろん、これではない感覚も、自在に引っ張り出せるのだが。
今はこのどちらかが自分にフィットするらしい。

以前と同じ通訳という仕事に携わっているが、その仕事の種類が多岐に渡るようになってきた。

セラピストが海外のお客様と接するときに同席したり、Kindle出版をする方の海外版を翻訳することもある。
zoomを使ったセミナーの場で通訳をすることもあれば、アーティストの海外遠征に同行することもある。

通訳は、架け橋だ。

国が違えばもちろんだが、それ以前に人と自分は違う。
だから、常に異文化のコミュニケーションとなるという感覚なのだが、分かり合えないことを知りつつ、それでも分かり合いたいという人たちの架け橋となることができるのは、光栄だ。

今までは、オフィスや自宅など、固定された場所での仕事が主であったが、最近はどんどん外の世界に触れることが多くなってきた。
日帰りの仕事もあれば、海外遠征に同行する際は数日、場合によっては数週間の滞在になることもある。

これまでとは違うライフスタイルを選択することは、自分にとっては新しい刺激だ。
そして、それを静かに楽しめている感覚がある。
高揚しすぎるでもなく、恐れてしまうでもなく、ただそこに置かれた環境へと、静かに扉を開いていく、という感覚だ。

そう、自分から何かをするということがどんどんと無くなっていった。
その代わりに現れたのは、自動ドアのようなものたち。
誰かと仕事をするたびに、また別の誰かと繋がり、そこへ運ばれていく。
何かをせねば、という焦りはどこかへ置いてきたかのように。

もちろん、行く先々で様々なことを体験できるような用意がされていて、正直歓迎したくないものもあるのだけれど、それさえもなぜか愛しくさえ感じている。

闇の中にも光があり、光の中にも闇があることは、太極図が表しているが、それをどんな状況においても見つけられるようになった今、願ったことが叶うのか、叶うから願うのか・・・そんなことはもうどちらでもいい。

ただこの身が使われる場所へと、足を運ぶ。
通訳だけにとどまらない、架け橋として。

オレンジ色の空が急に陰りはじめ、夜のとばりが降りてきだした。
相反するふたつの色は決して混じり合わないが、それがあるからこそ、ここにしかない美しさを堪能できる。

そして、自分が繋がった人、場についての話を面白がってくれる人がいる、というのも新しい発見だ。
まさか今度は自分が本を書く立場になるとは思ってもみなかったが。

次の扉を開けることが実に楽しみになってきた。
繋いだ先の未来は、まだ知らぬ未知への扉への鍵であり続けるのだから。

このストーリーの後押しとなるように設定したアートを描かせていただきました!

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「ミライノオト・モニターシリーズ」
MIERUKAアーティストAKARIが綴る、
お申込みくださった方の「勝手な未来の妄想ストーリー」
今回は通訳業をされている方から、
「仕事」に関してのストーリーのご依頼でした。
モニター募集時の記事はこちら
https://resast.jp/events/YjkwYzc3NWQ4M

<追記>
本募集が始まりました!
小さな本のタイプと、動画タイプをお送りしています。


現在こちらで受け付けています。
https://resast.jp/inquiry/ZjI3OTgyNzQwM
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以下は、お申込みくださった方のご感想です。

・今回お申込みいただいたきっかけ、何にピンと来たかなどお知らせください。

AKARIさんのLINE公式の告知。
自分の未来の絵姿を描くのって得意じゃないなと思っていたため、描いてもらったらどんな形になるんだろうという興味があったため。


・届いた妄想ストーリーのご感想をお願いいたします

『願ったことが叶うのか、叶うから願うのか・・・そんなことはもうどちらでもいい』
(*『』内は私のミライノオトストーリーからの引用です)


(お届けしたストーリーは、ご自身が想像可能な範囲だったでしょうか?という問いに対して)
「想像内だった」というのは、「想定の範囲内」というよりも、ストーリーがとても「しっくりきた」というほうが合っていると思います。

最近、自分の未来を描けなくて、じゃあもういいやとフテ寝して投げ出していました(笑) そこに、AKARIさんがストーリーの中で語る言葉がすっとやってきて、それがまるで私自身が語っているかのように感じられました。

『どっしりとした揺ぎなさと、それとは正反対の軽さが同居している感じ。 どちらも即時に選び取ることができる。』

かつて、存在の耐えられない軽さ、という映画を好んで観ていましたが、太陽星座がふたご座であるということもあって、二極性が自分のなかにあることは強く感じています。それに振り回されるのではなく、どちらも選び取ることができるというのは、静かな喜びを感じます。

『高揚しすぎるでもなく、恐れてしまうでもなく、ただそこに置かれた環境へと、静かに扉を開いていく、という感覚。』
『ただ身が使われる場所へと、足を運ぶ。』

自分で語るとつい重たくなりがちですが、「誘われることに委ねる」ことをここまで軽やかに表現できるのがAKARIさんの感性の鋭さではないかと思います。

実は昨日早速、ストーリーに描かれている『場についての話を面白がってくれる人がいる、新しい発見だ』を体験をしました。とあるZoomライブに参加しただけなのですが、 その場で何気なくコメントした内容が思いがけず次々とウケていたので、嬉しかったです。

ストーリーの舞台が、夕日が落ちて夜のとばりが降り始める頃で、私が最も好きな時間。 日は落ちて、静かな時間が始まっていく。未知はこれから、そして未知は続く。


・届いたアートのご感想をお願いいたします

夜のとばりが降りて暗闇が迫る中、そこにふと立ち現れた行く手の道筋を示すような、きらめく螺旋の上昇を描くアートでした。
その立ち昇るさまと色合いのグラデーションが、まるでジャックと豆の木か道しるべを示す龍のようで、ここにも誘われて先に進むことを暗示しているような、そんな心持ちがします。身近なところに置いて、道すがらのお供にしたいです。


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モニターのご参加ありがとうございました。
未来への一つのヒントとなりましたら幸いです!

この度は本当にありがとうございました^^

さらにミライへ、そのオトを聴きならがら。

MIERUKAアーティストAKARI

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