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飛行機関連の本 #本棚をさらし合おう

今回もうちの本棚を紹介していきます。一応、最後になる予定。

・前回(第二回)はこちら
・前々回(第一回)はこちら

ハッシュタグ企画の「#本棚をさらし合おう」へは、第一回目を掲載していただきました。今回は、前回同様、大幅遅刻なので「自主制作」とします。

右の棚全容

前回やった右の棚の、飛行機関連の本を紹介する。パイロットの持っている飛行機の本とはどんなもんか、物語・エッセイ編とテクニカル編に分けて行ってみよう。

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【物語・エッセイ編】

夜間飛行/人間の土地 サン=テグジュペリ

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フランスの冒険飛行家、サン=テクジュペリの著書。「星の王子様」は有名だけれど、「夜間飛行」と「人間の土地」は、宮崎駿が表紙の絵を描いた新潮文庫版がおすすめ。

ちなみに、宮崎駿のサン=テグジュペリへの思い入れを描いた以下のドキュメンタリーで、「人間の土地」について少し語っている。

風の谷のナウシカ 宮崎駿

宮崎駿といえばこれ。最近現地の日本人の方から偶然いただいたもので「飛行機」関連と言えなくもないだろう。

原子力空母信濃シリーズ 鳴海 章

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今年春に引退したF-4EJ改、通称「ファントム」を艦載機にして、日本が原子力空母を運用したらどうなるのか。かわぐちかいじが「空母いぶき」でやったのと同じようなことを、何十年も前に物語にした作家がいたのだ。

当時から、書店で新品を探してもなかったりするほどマイナーな作品だが、とてもリアリティがある。著者は、当時の航空自衛隊のファントムライダーたちを取材し、しかもほぼ実名で登場させている。空中戦の機動を文章で描かせたら、この人の右に出る者はいないんじゃないだろうか。

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また、それぞれの上(中)下巻を並べると、実は表紙の絵柄がくっついていていることに気がつく。とても精緻で、迫力のある絵になっていて、この点も気に入っている。

ザ・ライトスタッフ トム・ウルフ

宇宙飛行士とパイロットの話で、個人的には人類で初めて音速を突破したチャック・イエーガー氏の逸話が好き。ただし全体の文体は、ちょっと読みづらいかも。

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【テクニカル編】

飛行の理論 フォン・カルマン

カルマン渦のあのカルマン博士の本。過去に、この本については記事を書いたことがある。

当たり前のことだけれど、亜音速の飛行機が飛ぶメカニズムってのは19世紀後半から20世紀前半にかけて今のパイロット教育に使われるような基本的なところはほとんど網羅されていたわけです。

この本の初版は私が生まれる何十年も前に発行されていて、今、手元にあるのは第七刷。それでも発行は今から50年近く前。出て来る人たちの顔はこんな人たちばっかり、、、

興味があれば是非記事をのぞいてみてください。

形とスピードで見る旅客機の開発史 久世 紳二

飛行機のテクノロジーの進化をライト兄弟の時代から現代まで丁寧に紹介している本。ワクワクするのはやはり黎明期の話。例えば、飛行機の翼はなぜ「分厚い」のか。直感的には、薄い方が空気抵抗が小さいと思えそうなものだが、、

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ちょっと詳しい人なら「燃料を入れるため」というかもしれないが、実は順序が逆で、翼が厚みを持ったから、そこに燃料を入れることになっただけ。興味があれば是非!

エアラインパイロットのための航空気象 横田友宏

知る人ぞ知る横田友宏さんの本。専門書なので少し根が張るが、パイロットが書いた気象の本はほとんどなく、実運航にとても参考になる。

気候変動がわかる気象学 住 明正 

こちらはどちらかというとアカデミックな内容だが、渦とかコリオリ力とか温度風や傾度風など、気象学の基本的なところを平易な言葉で理解するのに役に立った。

Waypointsの教科書シリーズ

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ニュージーランドで飛行機の訓練をするときに使った教科書たち。今でもたまにパラパラめくるときがある。

Mechanics of Flight   A.C. Kermode

ニュージーランドの小型機教官、通称C-catコースをやっていた時のバイブル的参考書。主に航空力学の話。

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私が持って居るのは第10版。表紙のX-29がかっちょいい。超音速の話も出てくるので、パイロットの最上級ライセンスだる「ATPL」の学科試験でも使った。

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【おまけ】

本棚にある本以外のものについて。

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ログブック(飛行日誌)も本棚にある。

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この辺は、訓練生時代から集めた資料や記録が。ここにあるはずのないどっかの会社の内部資料もあるとかないとか、、

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本よりいい場所に、模型の類が。

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額縁に入っているのは、スペインに旅行に行った時にロンダという町で買った版画。

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散歩で同じ風景を見つけて衝動買い。

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本棚自体

本棚は自分で作りました。

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今回はマニアックすぎたかな、退屈な記事だったかもしれぬ。

たくさんの方々からサポートをいただいています、この場を借りて、御礼申し上げます!いただいたサポートは、今まではコーヒー代になっていましたが、今後はオムツ代として使わせていただきます。息子のケツのサラサラ感維持にご協力をいただければ光栄です。