専門職=タイムマシン説

先日、ある弁護士がテレビの生放送中にこんなことを言う場面を見た。

「その発言は、放送法違反なので謝ったほうがいいです。」

その弁護士は、隣に座るキャスターが暴言ともとれる発言をしたことをその場でたしなめたのだが、私はこれをみたときに、あぁ、この人はプロの弁護士なんだなと感じたのだった。

なぜ私がそう感じたのかというと、その人が「その場で、直ちに」指摘をしたからだ。

今、となりの人から出た発言が、遠い昔に机の上で勉強した「放送法」に違反するとその場で、すぐにわかること、そして、それを遅滞なく指摘すること。これこそが彼の持つプロフェッションなのだ。

弁護士になるために法律を勉強している人なら、あの映像を見て、この発言は放送法に抵触しているのではないだろうか、という疑問を抱くことはできるかもしれない。そして、法律の本を開くかインターネットで検索をして、この発言が放送法違反である、根拠を見つけ出し、最終的に結論するところまではいけるかもしれない。これは、プロフェッショナルの片鱗を見せていることになるが、十分ではない。なぜなら、その場で、直ちに、言い切っていないから。

操縦と運航の違い

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