NZで帝王切開に立ち会った
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手術室には入れないと思っていたので、一瞬面食らったが、よく考えたら私も靴にはカバーをつけていたし、目の前のドクターとほとんど同じ格好をさせられていた。それは、当たり前だが、手術室内での出産に立ち会うためだった。
中に入ると、妻が手術台の上に横たわっていた。頭の上に周って声をかけると目を開けて私を見た。疲れ切った顔をしていたが、痛みから解放されてホッとした表情だ。しかし、まだ腹部は丘陵のように膨らんでいる。今にも向こう側からデイダラボッチが現れそうなほど立派な