雨の仲
私はいつも、夜にギターを引きに近くの公園に行く。ほぼ毎日いくので日課と言っていいだろう。
先日のことだ。私はいつものように風呂上がりにギターを片手に表に出た。外は私が思った以上に雨が降っていた。
いつもと違い、傘をさしてギターを担ぐ。歩く時にギターに傘が引っかかって大変だった。
いつも私は決まったところでギターを弾く。なぜだかわからないがそこはとても落ち着くのだ。
そこはドーム状の屋根があって、少し開けたところで、大きいベンチが中央にある。そこにいつものようにギターを置く。
雨の音が屋根から伝わってきて、雨が僕を覆っていた。
僕は何故かわからないけれどとても落ち着いた。普段なら雨はうっとおしいだけなのに、そのときだけは雨と仲良しになったのだ。
ギターを弾こうとしたのだが、そんな気分にもなれなくて、雨音をぼーっとしながら楽しんだ。
そのまま、ギターを弾くことはなく、私は歌を少し歌ってそのまま、雨の中、傘をさして私は帰った。
ギターを弾かなかったのははじめてだった。だけど一番いい時間を過ごせた気がする。
そうして今日も私はギターを担いで、夜道をあるいて行くのだ・・・
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