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刺さった漫画その1 ~路傍のフジイ~

あーなんだです。

かっこいいアクションも格闘もない、魔法や特殊能力も使えない、めちゃくちゃおもしろいギャグもない、美少女も出てこない、異世界に転生もしない。

今はやりの要素が全然入っていない漫画をご紹介したいと思います。

それが「路傍(ろぼう)のフジイ」。


主人公は、40過ぎの派遣社員フジイ。独身のおっさんです。

見た目も地味。

会社でもていよく使われるわりに、空気のように軽く扱われる。

なりたいものは不老不死という、何を考えているかよく分からない男。


でも、ふとしたきっかけで近づいてフジイの生き方に触れると、

彼をバカにしていた後輩社員も一線を引いていた訳あり女性社員も

一切飾らない、人にどう思われようと自分を偽らない強さと魅力に

魔法のように感化され世界観、生き方がガラッと変わってしまう。

そんな男が主人公の変わった漫画です。


「路傍のフジイ」は、現代社会の一見良さそうに見えるが

実は自分を蝕む価値観・考えをそぎ落とし、人にとって大事な本質って

なんだ?と、自分の内面に目を向けることがメインテーマに

据えられています。(と自分は考えています)

そういう意味では、これまでの漫画やアニメとはまったくの逆ベクトル。

普通の漫画は、現実の自分より能力や魅力がある主人公たちが、

非日常の世界で、とんでもなくかっこいいスゴイことをしたり、

あり得ないくらいいい思いをしたりする「夢の世界」。


でも、フジイの世界観にはそんな要素は一つもない。

読んだ人の中には

「フジイのような生き方なんかできない。現実無視の理想論」

と思う人も出てくるかもしれませんが…。

「路傍のフジイ」を読むと…

  • 人生って、幸せってこういうものという思い込みに気付くかもしれません

  • 自分が自分についているウソが心の中から聞こえてくるかもしれません

  • 何でも序列をつけて優越感を欲しがっている自分が見えるかもしれません

  • 理由をつけてあきらめてしまった夢や理想が蘇って来るかもしれません


主人公フジイの生き方にあれこれ思いを巡らすうちに、

自分自身の在り方、生き方を自ずと振り返ってしまう

「読む瞑想」のようなこの作品。

つい人と比較して落ち込んでしまったり、外側の情報に振り回され過ぎて

どう生きたいか分からない!なんて思っている人にはぜひおすすめしたい。

(自分もちょいちょいそんな感じになるので)


普段漫画を読まない人にも読んでみてもらいたいなぁと久しぶりに思う作品です。

■作品情報
作者は鍋倉夫さん。

「路傍のフジイ」は小学館の週刊ビッグコミックスピリッツ、漫画アプリ・Webのマンガワンで読めます。

コミックスは1巻まで発売中で、もうすぐ2巻が出るとのことです。

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