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木の家の住み心地

移住を機にログハウスを建てることにした。

新型コロナウイルスが蔓延した同時期にウッドショックがあり、木材価格が高騰した。その直前に手配したため購入できたが、ウッドショックの最中であれば、高価すぎて手が出せなかった。

選んだ木材はヒノキ
ヒノキの他に、杉やパインがあった。
杉は節が多く、色は赤みがかった濃いさがある。肌触りは柔らかく心地良いらしい。らしいというのは、触り比べても私にはよく分からなかった。
杉は柔らかい分傷つきやすいといわれているが、うちのヒノキの床も傷はつきまくっている。
家具はアイアン×濃い茶色系で統一したかったので、暗い感じになる。それならば、壁や床はは明るい色の方がいいだろうと、木目が薄く白っぽい色味のヒノキを選んだ。難燃性が高いことも魅力的だったし、香りが好みだった。基本ヒノキで、仕切り壁などは当時比較的安価なパイン材を使用することで費用を削減した。

ログハウスといえば、丸太を積み重ねた家をイメージしていたのだが、
室内に凹凸があると家具を壁にピッタリ寄せられないことが気になった。
また、丸太の上方に埃がたまっていきそうな気がして、掃除が面倒そうだ。
丸太の凸分、移住スペースも狭くなってしまう。
うちは夫婦無職になっての移住だ。コストとリスク、メンテナンスの手軽さを考えて、出来るだけ小さな家を建てたいと思っていた。うちは家族3人というのは揺らがないので、小さくて良い。
ということで、角ログにした。
角ログは、屋内・屋外側も平面のログ材。
Dログは、屋外部分が丸太の丸みを残してあり、屋内側は平面のログ材。
Dログにはかなり惹かれたが、日焼けにムラが生じて外壁塗装が面倒くさそうだし、凹凸があると雪や花粉が蓄積していきそうだ。そして、価格も角ログより高価だったため、却下した。

木材の厚みは、居住する地域の気候によって選べると思う。
冬は寒い地域なのでケチることなく厚くした。


ログハウス(角ログ)の住み心地

良い点

●木の香りは心地よい。
私は数日で感じなくなったが…。
雨の日や旅行で久しぶりに帰宅した時には、ヒノキの香りを感じるので、匂いは発しているのだろう。来客の方も木の香りは感じるらしい。
●リラックス効果
木材の温かみ?というやつだろうか。
木=リラックスというイメージに洗脳されている感じはあるが、まぁ心地悪くはないから心地よいんだと思う。
●調湿効果
これは感じる。自然素材で適度な湿度を保ってくれているのはありがたい。
ただし、薪ストーブを使用するとかなり乾燥するので対策は別途必要となる。
●DIY好きにはたまらないのでは
私は「ここにこんなやつを作ってほしい」と言えば、1年以内くらいには夫が作ってくれる立場なので、この気持ちは共有できないが。
ログハウスを建てると、木材の端材がでる。DIYできる方は、その端材を使って何か作ろうと思えるはず。ログハウスは全て木なので、大体の場所にビスを打ちまくることができるので、楽しいと思う。
●掃除
一般住宅とさほど変わらない。
角ログなので壁に埃がたまることはなく、床は主にロボット掃除機を使用。
部屋の角はロボット掃除機では届かないので、手動のモップを使う程度。
良い点に挙げることでもないか…。
あと、壁にマジックがついても、いつか気分転換で塗り替える時に塗りつぶせばいいやくらいに思える。

残念な点

事前に調べて納得した上でログハウスを選択したが、
残念なこともいくつか列挙する。
●音や声が響く
個室に入ったとしても声が聞こえる。
薪ストーブ1台で家の暖をまかなうように設計し、個室は暖気を取り入れる為に上方に隙間を設けたことと、引き戸にしたことも影響していると思う。
それにしても、ログハウスは音が反響しやすいので、一度泊まって体験してみた方が良いと思う。音的にはプライベート空間を持ちにくいと思った方が良い。
実際、夜に友達と電話をする場面では悩む。声が駄々漏れだと、子どもも寝づらそうだし…
逆に言うと、音響効果はあるので、楽器の演奏やホームシアターを好む人にはメリットになるのかな。
ちなみに、屋外への音漏れは気にならない。
●室内温度調整
1台の薪ストーブで家中の暖をとっているのだが、、、
私は寒いのでガンガン薪を入れる。夫と子どもはすぐに暑くなり、真冬でも半そで半パンのような恰好となる。
これはログハウスの問題ではなく、薪ストーブ1台稼働と家族の体感温度の差による弊害か。
木による保温効果はある、鈍感な私でもこれは感じる。
●間取り
音が伝わりやすいと先にも述べたが、そのためにトイレの設置場所は注意した方が良い。これは、一般住宅でも同じようなものか。
また、ログハウスは、強度を保つためにノッチ(横に積み重ねてあるログ材が十文字で交差する部分)を組むことになる。ノッチの場所によっては、間取りに不自由さが生じることがある。しかし、ノッチの場所はある程度移動できるし、ノッチありきで間取りを考えていくだろうから、そこまで支障はないと思う。
●木の節
これは個人の問題だと思うが…
私は視力が良くない。寝起きや入浴前など、床の節がクモやカマドウマに見えることがあり、ビビる。虫の大量発生シーズンには、下を注意深く見て歩かねばならない。
●防虫性
ヒノキには防虫性があると聞いていたのだが…
あるのかもしれないが、普通に生活していると季節によりアリの大群が侵入し、カマドウマがぴょんぴょん跳ねて、デッキや屋根下には蜂が巣作りに励んでいたりするので、壁に沿って害虫を退治する粉末をまいたりハチの巣が小さいうちに駆除したり、ハチホイホイ系アイテムをぶら下げたりしている。
話は逸れるが、うちはログハウスだからといって自然素材にこだわっているわけではない。無垢とか無添加とか無農薬とか…基本何でも良い(笑)

何ともいえない点

●耐震性や耐久性、耐火性
木材は柔軟性があることから、地震の揺れを吸収するため揺れにくいらしい。揺れを感じる程の地震を1度経験したが、ログハウスのおかげなのか土地の影響なのかはよく分からん。
耐久性についても環境とメンテナンスの影響を大きく受けると思う。
耐火性なんて、まだ火事になったことがないから分からない。
ただ、薪ストーブを使い始めて、意外と木は燃えにくいんだと感じた。
初心者の頃は、なかなか火がつかなくて試行錯誤だったから。
●メンテナンス費
①外壁塗装
これはセルフなのか業者に頼むかで費用は大きく変わる。
業者に頼むとなると、一般住宅に比べ長期的コストは高くなると言われている。外壁の再塗装が数十万円、セルフで行うにしても足場を組んでもらうことになるだろう。
うちは、夫が足場組の有資格者のため、塗料と塗る道具程度の購入で済む。
セルフで行うことを見越して、平屋だ。平屋ですら、頂上付近は高所なため、慣れない人は怖いと思う。私は怖い。
②セトリング調整
ログ材は、夏になると水分を含み、冬には乾燥して隙間がなくなるらしい。
木材に含まれる水分は徐々に減っていくのだが、すると家の壁が少しずつ下がるというのだ。また、ログ材の自重によってもログ材同士の密着性が高まり、ログ壁が下がっていく。壁が下がっていくことをセトリングという。
柱にはジャッキをつけてスクリューボルトで高さの差を調整したり、窓やドアなどの建具も調整したりする。うちは平屋なので階段はないが、あればセトリング調整が必要となるだろう。ボルトのゆるんだナットを締める作業なので、大方セルフでできると思うが、業者に頼む手段もある。
③薪ストーブ
ログハウスには薪ストーブをつけたいと、導入。
薪ストーブに煙突、設置で数百万円と高価な暖房機器。
煙突掃除は移住1年目しかしていない…まだ火の管理がへたくそで煤がつきまくっていたから。
ストーブ本体と煙突掃除をセルフで行うのであれば良いが、業者に頼むと30,000円~かな?地域性や業者により大きく差があると思う。更に煙突の長さや形状も影響してくるだろう。煙突をつけるなら、曲げることなく真っ直ぐが良いと思う。
平屋であっても、高所恐怖症ではなくても、私は怖くて屋根の上には登れない。夫の担当だ。


ログハウスを建てる選択肢がある人には知っておいてもらえると良いかなと。選択肢に挙がっている時点で、心地良さは感じると思う。
しかし、面倒くさがりで業者任せなのであればお金に余裕がある方にオススメする。がんがんセルフでできる方には、ぜひぜひログハウスをおすすめしたい。


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