【マーケティング・オートメーション】7選

マーケティング・オートメーションは、2014年頃から日本市場に浸透し始め、2015年にバズワード化して、一気に普及してきたサービスになります。

当初は海外ベンダーの独擅場でしたが、徐々に国産のサービスも出てき始めている状況ですね。

今日は分かるようで、よくわからないマーケティング・オートメーションと、提供されているプロダクトの紹介をしていきます。

マーケティング・オートメーションとは?

マーケティング・オートメーションとは、マーケティングのプロセスを自動化する仕組みになります。

マーケティング担当者が行う「顧客を集客し、その顧客に対してメッセージの送付、そこからの見込み顧客数、販売の拡大を目指す」というプレセスに関して、マーケティング・オートメーションは、すべてのアクションを記録し、そこから最適なメッセージを、適切なタイミングで顧客に届けることを自動化するプロダクトになります。

自動化するとはいえ、クリック一つであとはよろしく、となる訳ではなく、マーケティング戦略を考えた上で、そのオペレーションを自動化していく事を目的としているものです。

また、マーケティングというと広告をイメージすることが多いと思います。広告予算をどのくらい掛けて、顧客を集客するということが目的となっていることも多いでしょう。

マーケティング・オートメーションは、そのマーケティングを「集客」の話に留めるだけでなく、

顧客の動きに合わせて、One To One マーケティングを実現し、見込み客の育成、顧客一人あたりの売上を伸ばしていくなど、マーケティング・プロセスの全体を把握、最適化していく思想をもったサービスになります。

カテゴリとして、toC向け、toB向けに分けることが多いです。

【BtoC】

toCですので、一般ユーザ向けにサービスを提供している会社のマーケティング担当がターゲットになります。

例えば、ECサイト、転職やバイトなどの人材サービス、エステ、料理や英語などの学習サービスなどを提供している会社になります。

数多くの顧客に対して、色々なチャネルから統一したメッセージを届けることをコンセプトとしています。

主に、サイト訪問者、来店した人などの既存顧客に対して、様々なチャネルにで、統一されたメッセージを顧客に届けることをサポートします。CCCM(クロスチャンネルキャンペーンマネージメント)と言われているものです。

【BtoB】

ビジネス顧客をターゲットしたサービスを展開している会社のマーケティング担当がターゲットとなります。

多くの顧客がいるわけではなく、一定の顧客の中から「見込み顧客の育成」していくことをコンセプトとしているサービスです。

主に、顧客を管理、スコアリングして、メールや電話などの絞られたチャネルで、適切なタイミングでメッセージを届けることをサポートしていきます。

BtoC / マーケティングオートメーション・ツール7選

今回はCCCM、つまりtoC向けのマーケティング・オートメーションのプロダクトを10選を紹介していきます。

Salesforce Marketing Cloud(Einstein)

マーケティング・プロダクト領域の老舗であり、重鎮であるセールスフォースが提供しているのがSalesforce Marketing Cloud(Einstein)。あらゆるチャネルにおいて、One to One カスタマージャーニーを実現するプラットフォームと銘打っています。

顧客を管理し、カスタマージャーニーを作ることはもちろん、顧客とのチャネルは、メール、およスマホ・アプリ向けのPushやLine、また、ソーシャルメディア向けの投稿などをカバーしています。オウンドメディア向けとして、ページやフォーム等の制作、または、レコメンド配信を提供しています。さらに、ソーシャル向けの広告配信ツールとの連携を行い、セグメント作成→ターゲティング配信を行えるようになっています。統合型として、マーケティング・プロセスのすべてをカバーしていると言えるでしょう。

◯ プロダクトサイ

http://www.salesforce.com/jp/marketing-cloud/

◯ コスト

初期費、ランニングともに都度見積もり

◯ サポート

ヘルプサイトは充実しており、テキスト、動画ともに情報の提供を行っています。また、製品のユーザ会も積極的に展開しています。海外製品でもあるので、日本のように痒いところに手が届くことは期待しない方がいいと想定しています。直販のみでなく、パートナー制度を設けているので、日本では、直接というよりは、パートナー経由の方がいいでしょう。

Adobe Marketing Cloud

Adobeと聞いて、PhotoShopなどのクリエイティブ向けのプロダクトを想像する人も多いかもしれませんが、Adobe社は、マーケティング領域にもかなり力を入れています。Omunitureの解析ツール(サイトカタリスト)、Day Softwareのコンテンツ管理、Neolaneのキャンペーン管理などのプロダクトを買収してきました。そして、それらのサービスを統合してできたのが、Adobe Marketing Cloud になります。

提供している機能は8つの分野です。日本では、こちらの名前から機能がパッと思いつかないと思いますので、ざっと説明すると、以下の通り。

Analytics(計測・分析)

Audience Manager(顧客管理)

Social(FB、TWなどの投稿)

Campaign(メール、Pushなどの施策)

Media Manager(SEM/Display/Social)

Primetime(動画配信)

Target(セグメント作成→ABテストやレコメンド)

プロダクト構成としては、それぞれ独立している構成となっており、Adobe Marketing Cloudですべてと言うよりは、この8つの分野で利用するサービスを選択するようなイメージとなります。

◯ プロダクトサイ

http://www.adobe.com/jp/marketing-cloud.html

◯ コスト

初期費、ランニングともに都度見積もり

◯ サポート

Salesforceと同様、ヘルプサイトは充実しており、テキスト、動画ともに情報の提供を行っています。とはいえ、海外製品でもあるので、日本のように痒いところに手が届くことは期待しない方がいいと想定しています。こちらも、直販のみでなく、パートナー制度を設けています。パートナー経由の方がベターです。

Marketo

Marketo社は米国本社は2007年に創業、2013年にナスダックに上場しています。直近は、投資会社からの買収を受けて、MBOを実現しています。

また、2013年12月より日本語版を提供開始しています。全世界で3,500社、日本ではBizreach、Freeeなどの新興企業や、楽天、富士通などの大手企業にも導入されています。

Marketoのサービスは、他のサービスとは違い統合型というよりは、コンテンツマーケティングに特化したサービスとなっています。

顧客管理・育成、ページやフォーム等のコンテンツ制作、また、ユーザへのアクションはメールに絞られています。オウンドメディアの運用、顧客管理をメインにつかわれるかたが対象となるでしょう。

とはいえ、他のサービスとの連携を行う仕組みを推進しており、独自のエコシステム / Launch Pointの構築をしています。そのため、Marketo単体のコストの方は抑えられている状況になります。。

また、四半期に1度のユーザ会、LinkedInでのユーザグループ、オンラインコミュニティなど、ユーザ同士のディスカッションの場を積極的に設けているのも特徴の一つです。

◯ プロダクトサイ

https://jp.marketo.com/

◯ コスト

初期費、ランニングともに都度見積もり

◯ サポート

ヘルプサイトは充実しており、テキスト、動画ともに情報の提供を行っています。とはいえ、海外製品でもあるので、日本のように痒いところに手が届くことは期待しない方がいいと想定しています。認定制度もあり、教育にも力を入れています。

IBM Marketing Cloud

IBMでは、次の成長領域をデジタルマーケティングとし、これまで数多くの買収を行ってきました。Unica、Silverpopなどが大きなM&Aだったと思います。直後は、それぞれのサービスを提供してきましたが、それらを統合して提供しているのが、IBM Marketing Cloudになります。

IBM Marketing Cloudの構成要素としては、「Journey Designer」、「Journey Analytics」と「Universal Behavior Exchange」となります。

「Journey Designer」、「Journey Analytics」はその名の通り、カスタマージャーニーの作成、分析を行うもので、Journey Designerは、カスタマージャーニーを自由に作成できること、また、チームメンバー間の協業がスムーズにできることJourney Analyticsは、顧客の動向をカスタマージャーニーベースで把握することができること、をコンセプトとしています。

また、エコシステムの構築を力強く進めている。それを実現するのが、「Universal Behavior Exchange」になります

IBMのプロダクトのみならず、パートナーが提供する外部ツールとの連携もスムーズに行えます。例えば、外部のオーディエンスと自社オーディエンスとの連携 → 広告配信などだろう。MarketingCloudにて提供する付加価値を、パートナーと一緒になって協業していく仕組みを強化している。

◯ プロダクトサイ

http://www-03.ibm.com/software/products/ja/ibm-marketing-cloud

◯ コスト

初期費、ランニングともに都度見積もり

◯ サポート

Salesforceと同様、ヘルプサイトは充実しており、テキスト、動画ともに情報の提供を行っています。とはいえ、海外製品でもあるので、日本のように痒いところに手が届くことは期待しない方がいいと想定しています。

Oracle Marketing Cloud(Eloqua)

日本ではあまり知られていませんが、Oracleもマーケティング領域に大きな舵を切っており、2012年にカナダのEloqua社を約800億(8億ドル)にて買収しています。

その買収を契機に、他のプロダクトと統合してOracle Marketing Cloudを提供しています。Eloquaはプロダクトのサブタイトルにもなっているものです。

マーケティング・オートメイションとして提供している機能はオーソドックスに、顧客管理と見込み客への育成、高度なセグメント作成、スコアリング、並びにコンテンツ管理になります。また、そのほかにも、DMP、クロスチャネル配信、ソーシャル・アナリティクスを提供しています。いわゆる、統合型のマーケティングプロダクトと言えるでしょう。

◯ プロダクトサイ

https://www.oracle.com/jp/marketingcloud/index.html

◯ コスト

初期費、ランニングともに都度見積もり

◯ サポート

 不明。サイト、メディア情報からは読み取れない。

B→Dash

フロムスクラッチ社が提供しおているのがB-Dash。2014年にリリースをして、最近一気に導入数を増やしている国内勢の1つです。2015年に3億、10億の資金調達、ならびにFobesに注目のスタートアップとして掲載され、注目を集めている会社ですね。

All in oneがコンセプトで、他サービスがプロダクト毎の連携としているなか、全てを1つのプロダクトで対応することを実現しています。特に、データ統合をすることをす推進しており、アクセス、効果計測ログだけで対応するのではなく、企業が保有しているビジネスデータとの連携を行うことでのLTVで意思決定をしていくことを実現しています。

提供している機能は、マーケティング・オートメーションの主体となる顧客管理、リードスコアリング、SFA、メール配信など、および分析、ABテスト、LPOなど、幅広く提供しています。

また、マーケティング・オートメーション導入の3つの罠として、分析環境、人材、データ保有を挙げています。これらの罠を解決すべく、外資系コンサル出身者を中心に、導入、運用サポートを行う体制を構築しています。

◯ プロダクトサイト

https://mieruka-b-dash.com/about-ma/

◯ コスト

初期費、ランニングともに都度見積もり

◯ サポート

国内企業でもあるため、日本語、かつ手の届いたサポート体制が構築されています。 

Satori

2015年に設立されたSatori社が提供しているマーケティング・オートメーションです。従業員も10名前後と少数精鋭、ベンチャー企業です。

顧客管理、セグメント作成、LP/フォーム作成などはもちろん、ユーザ情報を保持しているユーザだけでなく、匿名(Webアクセスのみ)ユーザの情報を管理するなど、、リード管理に強みを持っています。また、Cookieデータを連携、外部ディスプレイ広告への出稿機能も,標準で提供しています。

◯ プロダクトサイト

https://satori.marketing/

◯ コスト

・初期費:100,000円

・ランニング

顧客数:100,000件(180日間)まで。超えた場合は0.1円/ユーザ(Cookieのみの匿名ユーザも含む。Cookie数と判断してよい)

メール配信数:100,000件まで(180日間)。超えた場合は、0.1円/メール

◯ サポート

国内企業でもあるため、日本語、かつ手の届いたサポート体制が構築されています。

まとめ

マーケティング・オートメーション領域は米国発にて提供、発展してきました。当然、海外勢が強く、国内勢がニッチ領域に特化したり、営業・サポート力で対抗している状況にりますね。機能など、「プロダクトで実現できること」は海外勢が一歩進んでいる状況ですが、その反面、実際の導入、運用がうまく言っていないケースが、ちらほらと聞くことがある状況と言えます。

その逆に、国内勢は「導入サポート」に差をもって対応して、巨人に立ち向かっている、もしくは、ニッチ領域への注力で市場を切り開いている状況といえるでしょう。

前述の通り、ツールのコストは、殆どが都度見積もりとなってます。プロダクトの範囲が広く、かつ単一になっていないためになりますね。この辺は致し方ないので、問い合わせをした方がベターです。

マーケティング・オートメーションは、機能が出尽くしてきているサービスでもあり、大きく競争優位性を勝ち得ている企業はありません。極論を言うとコモディティ化している、早晩そうなると言えるでしょう。また、実際の運用を行い、PDCAを実施できることが大切なため、各企業で実現したい目的を考えて、それを実現できるプロダクト、サポート体制を提供できるサービスを選ぶべきと考えています。

しかし、〜 Marketing Cloudっていう名前だらけですねw

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