ジーコスタイルの組織を作ろう
こんにちは!
自己分析理論協会の認定講師の森です!
サッカーの話です。
2002年日韓ワールドカップで起きた事件
今から20年前に日韓W杯開催前に、サッカーファンを激震させた事件があったのを覚えているでしょうか。
中村俊輔 代表落選。
言わずと知れた日本のファンタジスタ。魔法の左足。
当時すでにウイニングイレブンのジャケットに起用されていました。私の同級生たちは中村俊輔のプレーを真似したがりました。
そんなスーパースターが代表から落選することに驚きを隠せませんでした。
W杯で日本代表はベスト16の健闘で大会は盛況のうちに終わりました。
大会後しばらくすると、トルシエ監督や選手のインタビューでW杯で何が起こっていたか少しずつ見え始めました。
トルシエスタイル
なぜ中村俊輔を選ばなかったのか?この質問をされたトルシエ監督のコメント。
自国のスーパースターであるジダンよりも中村俊輔のフリーキックが優れていると評価した上で、代表から外しているんです。
トルシエ監督という方はとても緻密で、組織の体制を厳格に整備します。
中田英寿さんは当時の日本代表についてこう語っています。
当時、珍しかった3バックを採用し、中田浩二をCBに起用するなど革新的な戦術が話題になりました。
ただし、この3バックは変則4バックで、サイドのウイングとCBの連携により攻撃を組み立てるフォーメーションでした。
そのような戦術の中で中村俊輔は構想外となったのです。
トルシエとジーコの違い
2006年にはドイツW杯が開催された。日本代表の監督を務めたのは、サッカーの神様ジーコ。
トルシエとジーコの違いを中田英寿はこう語る。
どちらが良いという話ではないのですが、ジーコが選手を選んでから戦術を組んでいたと思われるエピソードがたくさんあります。
ジーコスタイル
2006年のドイツW杯で、日本代表はシドニーオリンピックを経験した世代が名を連ね、「黄金の中盤」と呼ばれた中田、中村、小野、稲本を中心とした攻撃的な布陣でした。
これはシンプルにジーコが好きな選手を選抜したからなんです。
クラブチームの監督と代表監督の大きな違いは、全ての選手を自分で選べるか否かです。
組織を0から作ることができるんです。
結局、みんなやりたいようにやる
ジーコのような組織編成をすると、ちょっとした問題も生まれます。
それは、選手が希望する、または得意とするポジションにつけないことです。
下図は日韓W杯のトルシエジャパンのフォーメーションです。
続いてドイツW杯のジーコジャパンのフォーメーション。
中田英寿選手のポジションにご注目ください。
中田英寿といえば、イタリアリーグのペルージャやローマでトップ下を務めた攻撃の起点となる選手ですが、ジーコジャパンではボランチのポジションでした。
中田さん、ボランチ器用が大変不服だったようで、「本当はトップ下やりたいけど、しょうがない」とおっしゃってました。
また、ドリブラーの三都主選手もサイドバックのポジションにいます。
選手のパーソナリティに対してミスマッチとも思える布陣ですが、これがチームに科学反応を起こします。
中田選手はボランチで器用されたことで、攻撃の組み立て方について後衛の選手とよりコミュニケーションを取るようになりました。
三都主選手は元々ドリブラーなので果敢な攻撃参加でオフェンスのバリエーションが生まれました。
その結果、DF側からオフェンスに転じる動きと、攻守の連動が生まれました。
中田選手と宮本選手が試合中にディフェンスラインの上げ下げについて終始揉めていたのは有名です。
人のポテンシャルなどわからない
一般社会での組織はおおよそトルシエスタイルで組織編成をします。
会社で言えば、目標や戦略において人員配置を決めるわけです。
これは間違いではありませんが、往々にして人は他人価値を見定めることはできません。
君は体育会系だから営業。君は経理。君は数年頑張ったから課長ね。
ってな具合に、履歴書や表面的なものしか見えていないんです。
やりたいようにやらせてみたらいい。
やりたいようにやったらいい。
私たちが組織や社会にできることは地位やポジションでは決まらない。
また、ビジョンや志を共にする者は、必要とされる状況に応じて自分を変化させ、周りを変化させることができるんです。
忍耐し順応することも大切ですが、置かれた場所でも自分の意思表示をして、最大限の表現をすることが必要だと思いました。
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