内と外

内(自意識)ではなく、外に大事なものを作った方が人生はイージーだということだ。外の世界には仕事や趣味、そして人間がいる。内(自意識)を守るために、誰かが楽しんでいる姿や挑戦している姿を冷笑していたらあっという間に時間は過ぎる。だから、僕の10代と20代はそのほとんどが後悔で埋め尽くされている。ー「ナナメの夕暮れ(凍える手)」より

令和元年の今年は、春日がいろいろ合った末に結婚したり、俺モテないです過剰にアピール芸人の最先端にいた山ちゃんも結婚と、若林の周りが立て続けに決断するに至っているのだが、そんな中当人の若林も11月22日(いい夫婦の日)に婚姻届を出すという最もすかさなければいけなそうな芸人が、めちゃくちゃベタなことをやってのけた記念すべき年だ。

日向坂の番組のMCを見ていて思ったのは、他者に対してとてつもなく寛容になっているなぁということだ。バカリズムとかはいい意味でもその狂犬っぷりを残しているように思えるが、この番組の若林は本当にやさしい。

 少し前の印象を振り返ってみると、ONでもOFFでも気難しい顔のままの何を考えているのかわからない、冷ややかな目で世間を見ている考えすぎのめんどくさいやつというイメージをどうしても持ってしまっている。日向坂で会いましょうもそうだが、ヒルナンデスや自身の番組MCなどでもしっかりお笑い風ができている。そう若林、いや若林さんは僕らの知らないうちに、しっかり大人になっていたのだ。

著書の「ナナメの夕暮れ」を見ると、色々と変わってきた考えに共感することが多いんだけど、流行りのものを揶揄・冷笑すれば笑いは起こりやすいが、自分のファンのためにもそういった笑いは違うのではないかと変化を起こしたことが綴られている。
自分の内にある自意識と呼ばれているものやプライドを守るためでなく、趣味や人、仕事といった外に大事なものを持ったほうがいいという言葉は、まさに15歳年下の女性という外に大事な人を手にしたことに繋がる若林にふさわしい言葉だと思う。

 山ちゃんの結婚報告の時も、バスケをやっていて無関心だったというエピソードがあったが、それ以外にも野球をやったり最近はゴルフを始めたり、一人旅行にも行くようになった。ストレスが溜まると仲間とともに海岸に大量の花火を打ち上げに行くというのだから、負荷がかかる仕事だからかストレス対策がしっかりしているのにも感心させられる。シンプルに参考にしたいなと思わされる始末なのは、自分自身は部屋に籠りがちで、手頃なゲームやNetflixに時間を使ってしまっていて、他人のコンテンツに振り回されている感を感じているが、それは居心地がよく楽して自分を傷つけないものだからたちが悪い。

他人を冷笑することはないが、自分がチャレンジしないからこそ失敗をしないから、どこか高みから見て評論するような自分にはなっているのかもしれない。はて?守らなければいけない自分の中の大切なものとはなんだろうか?
もうアラフォーになっているのだから、そんなもの海に向かって投げ捨ててしまってもよくないか?と自分に問い掛ける。いや、海に行くのがめんどくさいなら、今度の土曜日にでも回収してもらおう。





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