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#3 サンディこわい

恐怖の種類というのはいくつかあるが、それらはどれも「知らない」というところから来ているのだそうだ。

死後の世界を知らない、お化けのメカニズムを知らない、ストーカーの心理状況や考えていることが解らない。自分の頭の中に情報が無いことに対して発される警告、それが恐怖なのだ。

ぼくも最近恐怖に苛まれている。元凶は、「サンディ」という店ある。恐怖の理由は一つ。

安すぎるのだ。

サンディは、大阪を中心とする関西に点在するディスカウントストアだ。関東にも何店舗か出店しているようだが、主戦場は大阪らしい。その特徴はやはり上に書いた安さだ。生鮮食品もさることながら、一般流通しているカップ麺やジュースやお菓子、調味料たちが劇的に安い。その安さは、まるで物価の違う海外を訪れた時を彷彿とさせる、というのは少し誇張した表現だが、まぁそれに近い。

買い物に行くと「わぁやすい!!!!!!」とテンションはぶちあがり、気が付くと本来の想定よりも多くの商品を買ってしまい、結果的に会計は他の店で買うときと変わらんやないかい、ということもザラにある。

ぼくは怖いのだ。え、安すぎん?と。他の店との比較した時、価格が一線を画し過ぎていてどんなメカニズムでその値段がついているのかがわからなすぎて怖い。お茶とか500mlで39円で売ってるし。

なので、ちょっとだけサンディについて調べてみることにしたのだ。主にインターネットで。

サンディの安さの理由はその商売の形態にある。商品を棚に並べる際、メーカーから仕入れた段ボールのまま並べるのだ。段ボールの口だけ開けておき、お客さんはそこから商品を手に取る。この商売の形態を「ボックスストア」というらしい。梱包用の「ボックス」をそのまま使っているからこの名前が付いたんだとか。

これならわざわざ陳列する必要が無いから人件費も削減できて、結果的に安く出来るわけだ。

あとは店舗を見て思ったのだが、並んでいる商品の種類が少ないのだ。小麦粉は2ブランド、醤油は1ブランド、みたいな。少ない種類の商品を大量に仕入れることで、安い価格で購入しているに違いない。

レジを通過した後、袋詰めする台によく備え付けられているちっちゃなビニール袋も無い。こういう地味にかかってくるコストを削減してその分値段に反映させているのだろう。

今回の調査で判明した事実、およびそれに基づく推論はこんなところである。コストを徹底的に排してその分値段を下げている、涙ぐましい努力ではないか。今回の情報はあくまでその一端に過ぎず、さらなる企業努力がなされているものだと推察するが、だんだん調べるのも馬鹿らしくなって来たし安い事は正義なのでこの安さは今後とも享受し続けたいと思う。

安さの理由を明らかにすることができ、恐怖からも解放された。なんと清々しい気分だろうか…。

食料品はサンディで決まりだ。
残りは日用品だな。

と、なれば。

「ここらで一杯、激安ホームセンターがこわい」

おあとがよろしいようで。

もし「サポートしてやってもいい」という方がいらっしゃいましたら是非宜しくお願いいたします。サポート費用で大阪の街の取材等を重ね、記事をよりパワーアップさせていきたいと思います。