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誰にもいえない事ほど誰かに分かってほしい。

なんとも愚かである。

年齢も仕事も不詳。そんなこと当時17歳だった私には知る由もなかった。ただ分かるのはおじさんであることと、私たちは愛に飢え、愛から逃げていると言うこと。生まれてから17年間、頭を撫でられたことなんてなかった。抱き締められた時、初めて人間の命を証明する秒針を感じて胸が高鳴った。相手の秒針を早めているのがアルコールのせいでも重ねている若く水々しいカラダのせいでもそんなのどうだって良かった。危なくて刺激的で気持ち悪くて、エクスタシーな瞬間では彼を恍惚の目で見つめたものだ。

思わずひィと怯んだ夜。目の前にライターをかざされあ、ガチで死ぬかも。と息を呑んだ夜。もう終わりにしようと思ってもできなくて、自分が情けなくてやるせなかった夜。可愛いよ。嬉しいよ。何も感情が動かなくなって何もかも全くわからなくなった夜。色んな夜を、シーツの感触を音を感情を、時々いまだに鮮明に思い出し、どうしようも無く居た堪れない気持ちになる。

そうだ。いっそのこと全て葬ってしまおう

もう十分苦しんだじゃないか。もう十分我慢したじゃないか。もう十分分かった。見つからない得られないと言うことを。夢は理想は限りなく幻想であると絶望した。

だが結局結論から言うと葬れなかった。私を弱くしているのは間違いなくこれなのに。葬りたいと思えば思う程この経験と行きたいと言う思いが強くなるのだ。自分でもおかしいと思うが、尊くて愛おしい。

” 経験はモノコトではなくてジブンだと思う。”

誰とキスしようがセックスしようが私の価値は変わらない。そして、私の価値は私が、決める。

辛いことはゼロがいい。だからといって遠ざけたり、自分を責めたり否定したりする必要はない。認めて受け入れて許してあげよう。何をではなく全てを。

気楽にいこー。

”誰か”に囚われないで。あなたはあなたでしかないのだから。






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