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Easy Fall/落ち、着く

大学を卒業してから2年が経ちました。
なんとか元気に生きています。
冷たい糠雨に濡れながらも、今朝はパン屋でシュトーレンを買いました。
街路樹の色づいた葉はほとんど落ちて、赤に黄に歩道を彩っていました。
12月にしては暖かいものの、街の雰囲気はクリスマスに近づいているようです。

紅葉シーズンも漸くひと段落する頃でしょう。
バイトの日は店内を駆け回り、声を張り上げながら働いています。
なかなかに忙しいですが、やっていて楽しいです。
2年前の、存在全てを飲み込んでしまうような虚しさは最近味わっていません。
友達からは丸くなったとか、顔色が良いとか色々言われます。
実際思い詰めることはあまりなく、物事の流れるままに生活を営んでいます。


バイト先で掃除や料理を手伝わせてもらうことで、できることが増えました。
それらを少しずつ取り入れることで、生活が豊かになったようです。
換気扇やシンクを掃除したり、魚を煮付けたり、本を整理したり。
やってみて初めて、自分はこういうことが好きなんだと知りました。
自分のことさえよく知らないということが、今は嬉しいように感じます。

今日の昼には禅をやっている友人と話しました。
彼と話していると言葉がポコポコと湧いてくるようで楽しいです。

 風が吹くのではなく、吹いたらそれが風だった

 自信を持つことは、自分「が」何かに確信を持つことであって、
 必ずしも自分「を」信じることと同じでない

 言葉には意味表現(内→外)と伝達(外→世界)の機能があるが、
 伝達機能のみでさえ詩になりうる

 花のような人、海のような人がいる


彼はこれから地元に帰って教師をやるようで、とても似合っていると思いました。
私も自分らしくあれるように、誠実に生きていきたいです。


自分を信じられなくても、
誰かの優しさを、世界の美しさを、酒の旨さを信じていたいのです。

いつかの私へ、これでいかがでしょうか。
たとえ間違っているとしても、私にはこうする以外なかったのです。

こうなってしまった自分を受け入れて、
いつか結んできた縁を大切にして、
真面目に世界と向き合って。

どうにか人生を続けていこうと思うのですが、いかがでしょうか。


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