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一生に 1度だけ。 巡ってきた その瞬間を 楽しみたい から。


こんばんは。 noteさん。

久しぶりに、かすんだ景色に包まれて、すべてがゆっくりと流れています。
ときどき運ばれる湿った匂いが、明日からの便りを届けてくれました。



一生に、1度、だけ。
そう言い切れるほどの、出来事って、
後になってから、振り返って分かるもの、だけれど。

自分次第で自由に選択できる、そんな時代でも、
限られた時間の中で、巡ってきた、
貴重な瞬間 って、ありますよね。


これから先の未来に、たぶん、立ち会えることはないだろう、
そう気付いてしまったので、
聖火リレーを、見に行ってきました。

心待ちにしていたほどの、ことではなかったはずなのに、
残りの人生、を考えたときに、
わたし、というアルバムの、1ページとして、
やっぱり、残しておきたくなりました。



前日までは、あんなに晴れていたのに、
予定時刻の1時間前から、ポツポツと降り出して。
雨の中、間違えて誰も通らない場所で待っていた、そんなエピソードも、
セピア色の、笑いばなしになるんだろうな、
なんて、ぼんやりと考えながら、
沿道にあふれた、焦がれる空気を感じていました。

だんだんと薄暗くなってきて、
止んでいた雨が、また地面を濡らした、
その夕闇の中から、
近づいてくる、光と、ざわめきのかたまり。

にわかにふくれた、人だかりに、
ランナーの姿もはっきりとは見えなくて。

それでも、
桜のカタチに守られた、炎 だけは、
空に向かって、ただ静かに、
赤く、燃えていました。


カメラで、パチリ。
この目に、ちゃんと焼き付けるつもりでいたのに、
画面ごしに見ているうちに、
ゆっくりと、だけど、あっという間に、
五色の風は、通り過ぎていきました。

記念すべき瞬間、だったのに、
行こうと決めた時に想像していたものとは、
何だか違っていました。
感動しましたって、いえない、感じが。

1年も余計に、待ったはずなのに、
ワクワクする気持ちが、湧いて来なかったんです。
目の前にある、非日常、の出来事に、
別の世界を見ていたような、気がします。

日が近づくにつれて高まっていく、期待。
届くニュースに喜んだり、お祭り気分で浮かれたり。
そんな、かつての夢を、見ていたから、なのでしょうか。

二度とない、歴史のひとつ、に立ち会えたというのに、
嬉しい気持ち、になれていないのは、
どうしてだろうって、思ってしまいます。




高校時代。
体育祭で、憧れていた応援団になりました。
引き継がれてきた、母校の応援歌と、
どんどどんと響く、太鼓に合わせた振付けを
ひと月先の本番に向けて、必死に練習しました。
毎日のように、何回も、何十回も。
身体は悲鳴を上げたけれど、
仲間と夢中になれる、楽しさを知って。
目標のために、力を合わせたから、
当日は晴れやかな気持ちでいられた、
それが今でも、心に残っています。




待ちに待った、はずの、
東京オリンピック・パラリンピック。

聖火リレーが始まった途端に、
開催へ向けたスピードが急激に速くなって、
大慌てで、つぎはぎされた、その旗を、
もうすぐ、揚げようとしています。

どんなにうまく縫い合わせたとしても、
しっかりとした、厚い布地でなければ、
世界からの、複雑に吹き付ける 強風に、
ちぎれてしまいそうです。

身体ごと、持って行かれそうな、そんな突風に立ち向かうには、
結んでつないだ、ポールだって、頑丈な素材と、太さが必要で。
そして、周りでそれを支える、たくさんの、誰かがいなければ、
バランスを崩して、倒れてしまいます。

着々と準備をして、余裕のある力を蓄えていたからこそ、
本番当日に、夢中になれるんだと思います。


遠くの光にとらわれて、
足下の小石に気付かないような、
そんな歩きかたでは、
前に進むことだけでも、とても怖くて、
楽しみたい、のに、楽しめない、んです。


いろんな、思いを抱えて、今、を生きているひとがいます。
気付かないふりをして、飛び込む勇気があるのなら、
良いことも、悪いことにも 向き合って。
ちゃんと見せて、欲しいなって思います。

繋いできた、澄んだ炎に照らされている、
クリアに描かれた、未来図、を。

いろんなことがあっても、良い時間だった、
こころから、そう思えるように。





追伸。
どんなこと、があったとしても、
これまでの、すべてをかけて、
先へと続く道を求めた、そのすがたは、
ただただ、美しいのです。




 最後まで、読んでくださって、ありがとうございます。。