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大丈夫だよ。 あなたを信じて 待っている から。

こんばんは。noteさん。

激しい光と雨に飲み込まれて、人も世界も 見えない不安に包まれています。
少しだけ落ち着いた空を見上げたら、静かに佇む まあるい月がありました。


明日も大雨です、って、
自信たっぷりに、画面の中から言われたので、
我が家の周りをパトロール、してみました。

梅雨どきに、くっきりと つけておいた、
流れる水の、道しるべは、今でも、へこんだままで。
これなら大丈夫だって、お散歩気分で、ひとまわり。

のびた緑のじゅうたんを、ななめに抜けて、
薄暗がりの、玄関に向かう、その途中、で。

いつもなら、通り過ぎてしまいそうな、
松の木の、滴が落ちた、その先に、
なにか、が、ひとつ、ありました。

茶色くて、たまごくらいの、大きさの。
そして、ほんの、ちょっとだけ。
、、うごいて、いたんです。

おそるおそる、近づいてみると、
うずくまった、ちいさな、小鳥、でした。

どしゃ降りに打たれて、飛べなくなったのかな。

近くに寄っても、首をかしげるだけで、
逃げる、なんて、そぶりもない、ものだから、
こちらも膝を抱えて、見つめていると、
バッチリ。目が、合ってしまいました。

ぴー、ぴー、ピーー。

ひし形の、大きく開けた、くちばしから、
思いっきりに、いのち、を叫んで、
真っ直ぐに、求めてくる、その声に、
まだヒナなんだ、って分かりました。

柔らかな羽毛を濡らして、震えている、
まだ温められていたい、はずの、
小さくて、潰れてしまいそうな、その身体を、
守ってあげたい、そう思ったのだけれど。

めったにない、初めての、めぐり逢いに、
どうしていいのか、分からずに、
ちょっと困ってしまいました。
そして、
頼りない、わたしが、
頼ることができたのは、
ありがちの、いつもの、検索、なのでした。

それなのに。


拾わないで。。

その答えは、予想外の、冷たい、フレーズで。


本当に? このまま?
うしろ髪は、ちぎれそうなほどに、引かれた、けれど、
かよわい、そのかたまりに、触れることなく、
その場から、そっと離れました。

カーテン越しに、のぞいてみたりしても、
通りすがりの、あいつに、連れ去られてしまいそうで。
やっぱり心配になって、もう一度、見にいくと、
置き去りの、その姿は、消えてしまっていました。




気になって寝付けないほどの、夜が明けて、
ようやく雨が止んだ、ひとときの、庭先に、
ほがらかな、さえずりが響いて、
大きいと、小さいの、二つの影が、見えました。

まだ薄くて、短い翼を、いっぱいに動かして。
おとな、になろうとしている、小さな命が、
必死に、飛ぼうと、もがいていました。
ときどき疲れてしまって、諦めそうになるけれど、
親鳥の、口うつしの、御褒美で、励まされながら。

そうして、少しずつ、
距離を延ばして、移動して、
最後は、ブロック塀の、その上に。

1メートル先にある、天に向かって、
力の限りに、羽ばたくのだけれど、
浮かんだのは、ほんの、20センチ、で。

それでも、繰り返す、んです。
何度も、何度も。
コンクリートの、壁に、ぶつかりながら。



おいで。
ここで、待っているから。

なかなかやってこない、空も飛べるはずの、わが子を、
親鳥は、優しく、見守っていました。

たとえ、傷ついていたとしても、
もう助けに行くことはないんだよって、
そんな強い意志を伝えるように、
ただ、じっと、そのままで、
その、高い場所から。



生きていく為に、必ず通らなければならない、
生き物、としての、試練に、
真っ正面から、立ち向かっている、その光景は、
まるで、幼い記憶を見ているようで、
どこか懐かしい、そんな気がしていました。



大丈夫だよ。
あなたなら、
ちゃんと、飛べる、から。

ときどき、空へと鳴く声は、
そう、言っているように、聞こえました。


たった一度だけの、
その瞬間の、
親と子の、かけがえのない、時間。

ただ信じて、そっと見守る。
これが、愛、、なのかも、しれません。

その優しさを感じて、生きて、いく。
人間だって、おんなじ、なんじゃないかなって、思います。

誰かが、信じて、待っていてくれる、から。

そんなふうに思えたなら、
何かを求めて、頑張ることができるだろうし、
無理だと思えた過去も、
先の見えない未来だって、
きっと、乗り越えられる、んです。

その、誰かは、
親だって、子どもだって、仲間だって、いい。
たいせつに、想うひと、でも。


そんな、あたたかい、存在に、
もう一度また、出逢えたなら。。
そして、いつか、
そんな、あたたかい、存在に、
わたし、もなれたらいいなって、思います。



雨上がりの、隣りの屋根の、端っこで。
あっという間に、大人になった、
三羽の、仲良しきょうだいが、
元気に、とび跳ねていました。



追伸。
あなたが待っていてくれるから、
わたしは、今日も、頑張れるんです。
だから、、明日も、、、きっと。


 最後まで、読んでくださって、ありがとうございます。。