見出し画像

二人で歌って歩いた帰り道。 なくなってはいけない 大切な時間。


こんばんは。noteさん。

暖かい風がツツジの鮮やかな色を濡らしに、やさしい雨を連れてきました。
同じリズムで刻む音が、渇いていた土や空気に、浸みわたっています。



はじまりの4月も、もうすぐ終わり。
去年とも違う、日常が、いつの間にか過ぎていきます。

新学期って、何だかそわそわしますよね。
仲良くなった友達と離れるのは嫌なのだけど、
教室から見える景色が違っていたり、
これから一緒に過ごす、担当の先生や新しい顔ぶれを見回して。

リセットされた環境で、
これからの1年をどう過ごすのか、
不安で、だけど、期待している。

毎日が手探りで、その瞬間に精一杯で。
少しずつ自分を作り上げていた時間だったなあと、懐かしく思い出します。



今は。
突然はじまった、これまでとは違う、世界。
変わってしまった現在の生活に、
大人なら慣れるしかないと諦めることができます。
だけど、
今を生きている、子どもたちは、
人生に1度しかない大切な時間を、
ちゃんと楽しめているのかな、、
なんて考えてしまいます。


子どもの頃は、1日がものすごく長くて。
初めてのことに緊張して、それでいて新鮮で、
苦手なことだって渋々やってみて、
ひとつずつ経験が増えていくことを嬉しく感じていました。
友だちの表情や言葉のやりとりで、
楽しくなったり、ケンカもしたり。

人と人との、コミュニケーションから、
すべてが始まっていた気がします。



高校を受験して、ちいさな町から出てきた、ひとりぽっちの、わたし。
千人を超える世界なんて、生まれて初めてでした。
それに、話すことばのイントネーションさえも違っていて。

これまでの自分を誰も知らない新しい生活に、
とてもワクワクしていたはずなのに、
いざ始まってみると、
これからどうしようって、
心が、とても寒かったのを覚えています。

窓側から2列目の、後ろから2番目。
出席番号順に座っていた後ろの席の、
明るくて、笑顔が優しいあの子と、
帰る方向がおんなじで、一緒に帰るようになりました。

だんだんと暗くなっていく、バス停までの道のりを、
分厚くて、重たいカバンを抱えて、
大好きな曲を、二人で歌いながら、
歩幅もスピードも合わせて、歩く。

他に考えることなんてなくて、
流れている時間だけを楽しめていた気がします。

恥ずかしい、なんて思いもしなかった、
年齢よりもまだ幼かった、わたしを、
とても愛しく思います。

あの頃は、友だちとの時間がすべてで。

触れ合う数センチの距離も、
授業中のひそひそ話も、
すれ違うときの微笑みも、
なくてはならない、大切なものでした。


スマホがすぐそばにある今の子ども達とは、
つながる世界が違っているかもしれないけれど、
新しい生活様式では埋められない、
なくしてはいけないものがあります。

今日は昭和の日。
青い子どもだった記憶を振り返って。
その思い出の中にあった、日常の、
大切なものを取り戻すために、
大人の自分を使ってみてほしいなと思います。

今の、そして未来の、子どもたちのために、
大人は何ができるのかな、、
これからのために、
いま何をしてあげればいいのかを、
愛しい気持ちで、いつも考えながら。

みんなが安心できる、
あたらしい仕組みができることを
心から願っています。



追伸。
ここ数年は連絡が途切れてしまっていた、
看護師としてがんばっている、あの子に、
久しぶりにメールをしてみようと思います。

昭和の歳月に想いを寄せて。






 最後まで、読んでくださって、ありがとうございます。。