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8月31日の夜に

こちらのお題に参加して書いています

【お題抜粋】統計データによると、夏休みの終わり、8月下旬は10代の自殺が1年で一番多くなる時期と言われています。なんとなく学校に行きたくない、つらい出来事を打ち明けられない、また、そもそも何が苦しいのかわからないけどつらい、といった子ども達の気持ちは、10代を過ごしてきた皆さんにも、共感できる部分があるのではないでしょうか。今まさに悩んでいる10代の方へ向けて、noteを書いてみませんか。


10代の頃をふり返ると自分自身を天才だと勘違いしていた小学生時代、部活に勉強に友達も沢山いて充実してたけどあらゆるプレッシャーで死にそうだった中学時代、引き続き部活のプレッシャーはあったもののあらゆる憂鬱から逃げるように当時の彼氏との交際にほとんどの時間と労力を割いていた高校時代と見事に別人のようである。

8月31日、小学生だった私は日記やら宿題やらが全く終わっておらず、夜中まで親に全面的に手伝ってもらっていた。当時インターネットなんて便利なものはなかったので新聞をひっくり返して天気を確認してもらい、どこかに出かけた日だけは思い出して、あとは適当に埋めた。何年生だったかは覚えいないが、おそらく毎年そう過ごしていたんだと思う。

中学。今考えると部活がつらすぎた。中学から軟式テニスを始めてうっかり強豪校で、しかも1年生の時から選抜選手になってしまい、夏休みなんて本当に比喩でもなんでもなく朝から晩まで練習していた。
新人戦から引退がかかった最後の大会まで市の大会では優勝して当たり前という中で勝ち続けるというのはとんでもないプレッシャーで、私も、ペアの子も毎日謎の吐き気と戦いながら練習していたが今考えると単純にストレスでしかない。

高校も何となく誘われるがまま軟式テニス部に入ってしまい、いつの間にか県の選抜選手になってしまった。夏には男子部員と同じメニューを1週間こなす地獄の夏合宿があった。軟式テニスは基本的にダブルスしかない競技で、私は志高い先輩とペアを組んでいて「ご迷惑をおかけできない」というだけのモチベーションで部活に行っていた。

中学、高校の8月31日の記憶は全くない。恐らく普通の休みのように過ごしていたんだろう。多少宿題に追われていたかもしれない。

高校2年の時から当時大学生だった彼氏と付き合い、とにかく授業をサボることを覚えてしまった。
その頃両親が離婚したりと私の家は何かとバタバタしていたが、派手に非行に走るような年齢でもないし、しかし何もかもめんどくさくなって、学校にも行かず彼氏に会いに行っていた。当時はSNSもないし、誰に言うでもなく淡々と学校をサボって彼氏に会う。セックスをする。部活が始まる頃ようやく学校に行っていた。仕方なく。

サガンの「悲しみよこんにちは」に出てくる17歳の女子高生みたいに怠惰で、常に憂鬱だった。

学生時代はつらかった思い出のほうが多い。

もともと責任感が強かったので部活で勝ち続けなければならないなんて苦痛でしかなかったし、ほとんど意味のない校則でガチガチに固められた中学校は一見穏やかではあるが陰でいじめが横行していて、とにかく雰囲気が悪かった。卒業アルバムを撮影する時に髪が日に焼けすぎていて茶色く見えるから黒染めしろと言われて、従った学生がいるのを横目に馬鹿馬鹿しく何もかも無視した。それもこれも、私は部活に勉強に最大限努力をしていてあえてスクールカーストという言葉を使うのであれば最上位にいたため教師からの要求や指示もある程度拒否できたが故のだ。
同じ小学校出身だった女の子がいじめられていた時、担任には「彼女の家に行って励ましてくれないか」と頼まれた。大事な友達だったので従ったが「お前の仕事だろう」と当時からしっかり不満を持っていた。教師全員、馬鹿だと思っていた。

そのまま何もかも頑張り続け、県内で一番頭がいい高校に入った。そして燃え尽きたんだと思う。高校に入りたては周りの天才に少しでもついて行きたいと努力して勉強していたが、疲れた。
あぁ、そうか夏休みも8月31日もあったもんじゃない。特に部活を引退してからはほとんど毎日夏休みみたいな気持ちで生きていた。
受験勉強はもちろんするが、夜中まで勉強して親が寝静まった頃家を抜け出して彼氏と会う。朝方家に帰り、昼まで寝て気が向いたら学校に行く。

今こう振り返ると、中学は周りの期待のために生きていたが、高校になってやっと自我が芽生えたのだなと思う。学校をさぼっていた私をほとんど咎めなかった母親には、宿題を手伝ってくれた小学生の頃から全く頭が上がらない。

こんなnoteを学生さんが読むかどうかもわからないが、大人のほうが断然楽しいし楽だ。自分で金を稼げるし、どう使ったって文句言われないんだから。好きな服も靴も買える。酒も飲めて、海外にだって旅に行ける。馬鹿だと思う大人がいることは変わらないが、信じられないくらい優秀で尊敬してもしても足りない人に出会えたりもする。会社にだって規則は沢山あるけど、校則のほうがよっぽど馬鹿馬鹿しい。学生の悩みなんて取るに足らないものだという大人がいるのだとしたら、馬鹿だと見下して構わない。

もし今大変な学生時代を過ごしている人が万が一これを読んでくれているのなら、あなたが大人になるのを待っているよ。
私はその頃すっかりおばさんという年齢だろうけど、よろしければ一緒にお酒を飲みましょう。

おわり

#8月31日の夜に

お読み頂きありがとうございます。最近またポツポツとnoteを上げています。みなさまのサポートが私のモチベーションとなり、コーヒー代になり、またnoteが増えるかもしれません。