見出し画像

4月から新社会人になる私へ

このnoteは4月から新社会人になる1年前の私に向けて、4月から社会人2年目を始める今の私が書いています。1年しか社会人やっていないけれど、その経験から、もし、社会人を始める前に、こんなことを言ってもらえたら、少しは気が楽になったのかな、と思って書いています。

内容はもはやポエムというか自慰です。社会人の先輩方からは「オレも昔はこんなことで悩んだわ~」といって笑われ、自信しかないあなたからは「ダサい」といって鼻で笑われそうな内容ですが、1年後のあなたの現状はこれです。受け入れて、前向きに生きてください。

1. あなたは普通の新人です

あなたがこれを聞いたら、不服そうにむすっとした顔で「決めつけないでもらいたい。私は内定先で1年インターンをしていて、評価は高かった。新卒でもぶっちぎって仕事ができると思う」と食ってかかるでしょう。ですが、あなたは普通の域を出ない新卒です。「仕事ができる」とは残念ながら言えないでしょう。

社会人になる前から、あなたがインターンをしたり本を読んだり話を聞いてみたりして、自分なりに「仕事ができる」とはどのようなことなのかを考えていたのは知っています。しかし、今のあなたが見えている範囲はとても限定的で、大事な要素が欠けています。そのことに、できるだけ早く気がついてください。

1年働いた私でもまだ見えていない範囲はたくさんあると思いますが、今見えている範囲で「仕事ができる」を整理してみました。

1. 定量的な仕事ができる
・命じられたタスクを期日以内に言われた品質以上に仕上げることができる 
・課題をタスクに分解し、タスクの品質と進捗を管理・推進できる

2.定性的な仕事ができる
・お客さんから信頼される、お客さんから指名される
・お客さんを納得させることができる

仕事ができるには2種類あると私は考えています。定量的な仕事ができると定性的な仕事ができるです。定量的に仕事ができるから定性的に仕事ができなくてもいいという関係ではなく、両方をバランスよくこなせる人を世間では「仕事ができる」と呼ぶのだと思います。

インターンを通して、あなたは定量的な仕事ができるに関しては少し理解して、上司からの期待値を超えようと試行錯誤を始めていたように思います。(インターンに、その点が評価されていたのは事実でしょう。)
しかし、あなたは定性的な仕事ができるに関しては何も分かっていません。

最初にアサインされたプロジェクトであなたは、早々にこの壁にぶちあたります。お客さんから信頼を得るのは、あなたの想像以上に難しいです。

結論からいうと、あなたは最初のプロジェクトでお客さんから名前を覚えられずに終わります。分析を担当したのも、分析に関する報告をしたのもあなたで、週次定例で毎週顔を合わせていたにも関わらず、名前を覚えられませんでした。「名前は覚えられなくても、分析を担当していた新卒として存在は認識されていたでしょ?」とあなたは食い下がるかもしれませんが、それすらも叶いませんでした。

残念ながら、最初のプロジェクトではあなたはお客さんから信頼されず、存在価値がないとみなされます。

具体的にはどういうことかというと、あなたが週次定例で「××において異常値がみられ理由は○○であると考えられる」と報告しても、お客さんは「は?」という顔をします。そして「異常値はなぜ起きるのです?」と私ではなく、上司に再度説明を求めるのです。上司が同じ内容を話すとお客さんは納得します。

この差がお客さんからの信頼の有無で、定性的に仕事ができるか・できないかの差になります。単語のチョイス・経験・ルックスetcすべてをひっくるめて、この人の話なら聞いてもいいなと思わせるのモノが信頼です。

あなたは信頼を作ることの大切さと難しさを分かっていません。あなたは、上司の期待値を超えるようにタスクをこなせば、お客さんにもそれが伝わり信頼を得られると考えているかもしれませんが、それは誤りです。

上司のみならず、お客さんに対しても「私はこんなことができる。私と一緒に仕事をするとメリットがある」と主張し、お客さんの期待値を超える結果を修めて初めて、お客さんに「こいつの話なら聞いてもいい」と思ってもらえるのです。

「自分からアピールするのってダサくない?」とあなたは思うかもしれません。自意識過剰です。あなたは普通の新人で、お客さんや上司を唸らせるだけの成果物を最初からだして信頼を勝ち取るようなことはできません。
ビジネスの利害で繋がるのは、あなたが思っている以上にシビアです。何ができるのか分からないやつと一緒に仕事をしたいと思う人はどこにもいません。

あなたは新卒なので実績はありません。上司にもお客さんにも必死に自分ができることを主張して、実際にやってみせてください。信頼を勝ち取ることに必死になってください。皆、大人なので、多くの人はあからさまに波風立つようなことはしません。しかし、目線や言葉遣い、噂などであなたをどうジャッチしているのかは分かります。嫌というほど分かります。

インターン中は、あなたを好意的に受け入れてくれた上司のもとで働き、客前にでることはなかったあなたに、こんな将来を予測して事前に対処方法を考えておけというのは酷なことかもしれません。しかし、だからこそ思うのです。現実より1歩先を考えられなかったあなたは、「伝説の新人」からは程遠く、普通の新人なのだと。(普通の新人以下なのかもしれないね、悲しいけど…)

2. 自分の心は自分で守ろう

お布団が大好きで、汗をかくのが嫌いな引きこもり気質のあなたには信じられないかもしれませんが、1年後には週1回のペースでジムに通い、時に仕事終わりに一人でランニングをするようになります。なぜか、心を壊さないためです。

あなたはたくさん働きたくて、ブラックとして名高い業界に身を置くことに決めましたね。その期待を裏切らず、就職先はたくさんお仕事をくれます。厳しい上司と厳しいお客さんもくれます。
最初のプロジェクトで悔しい思いをしたあなたは、必死になって挽回しようと働きます。徹夜も休日出勤もするようになります。(その良し悪しを論ずるのはやめよう。あなたがやりたいと思ってやったことだからね)

晴れて望み通りに社畜となったあなたは、時に心が徐々に何かにむしばまれていくような、死んでいくような感覚を味わうことになります。徹夜して作った資料が上司に一瞥もされなかったとき、深夜26時にだれもいないオフィスで空腹と寒さを感じたとき、何か得体のしれない黒いものが心を覆って壊していくような感覚を覚えるようになります。

他にも、疲れているのに直前までパソコンの画面を見ているせいか寝れなくなります。色んなアレルギーがでるようになります。お酒を買いだめするようになり、アルコールを摂取する頻度が上がります。辛いものばかりが食べたくなります。

そんな風になったときは、いったん仕事を切り上げて、軽いストレッチと筋トレをしてください。体を動かすことで気分がリフレッシュされ、適度に疲れるので寝やすくなります。

アルコールでも筋トレでも何でもいいので、自分の心は自分で守ると約束してください。こんなことをいうのは、あなたの親友が心を壊して会社を辞めてしまうからです。

あなたはちょうど今頃、年上の親友から「仕事をやめるかもしれない」と相談を受けていると思います。彼女はパワハラとセクハラで心と体を壊し、大好きだった仕事を、結局を辞めてしまいました。心を壊してしまった彼女の姿を見るのは、とても辛いです。

1年後のあなたは、仕事を楽しいと思っており、なんやかんや就職先を気に入っています。気の合う同期に恵まれ、できるだけ長くこの仕事を続けたいと思っています。それを叶えるために、自分の心は自分で守ると約束してください。心を壊した社員を会社は必ずしも守ってくれません。

茨木のり子もいってるじゃないですか、「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」って。1年後にはこの言葉がよく分かるようになります。愉快な社畜ライフを楽しみにしててください。

3. あなたらしい姿を探そう

このnoteを書こうと思ったのは、あなたにどうしてもこれを伝えたいと思ったからです。社会人になったあなたはどんな格好をして、どんな風に振る舞うべきなのかで悩みます。

分かっていたことですが同僚はほぼ男性です。同期も上司も男性ばかりです。お客さんもほぼ男性です。そんな中で舐められたくない、変な距離を取られたくないと考えたあなたは、女性らしさを消して、いち早く仕事で成果を挙げようと全エネルギーを仕事に振り切ります。

時間の無駄だからといってロングだった髪をショートにし、男性ばかりの職場で浮きたくないからという理由で白黒グレーの服ばかり、パンツスタイルばかり着ます。「あいつは仕事は満足にできないくせに身なりにばかり気を使っている、だから女は部下に欲しくない、女と仕事はしたくない」と言われたくなかったのです。

それらは自分で決めたことですが、あなたは『華やかに女性らしくいたい』という気持ちと『仕事にだけ集中して早く1人前に認められたい』という気持ちのバランスが取れなくなり、度々苦しみます。

しかし、例えば、金曜日の朝、会社に行くまでの道すがらで、きれいに巻かれたロングヘアで、淡いピンク色のスカートを履いたお姉さんを見かけたとき、あなたの心はざわりと波打ちます。

例えば、飲み会の席で「君は愛嬌がないよね。黒以外の服でも着たら可愛げがでるんじゃない?」と冗談交じりに言われたときに、ああ惨めだなと思うのです。

あなたは自分が思っているより欲張りです。仕事ができるようになりたいし、綺麗になりたいし、友達とも遊びたいし、のんびりだらだらしたいと思っています。あなたはそれらの欲求を捨てることはできません。

1年後のあなたは女性らしさを消して、仕事に全エネルギーを注ぐのをやめることにしました。明るい色の服を着て、爪を飾り、お化粧も時間をかけた上で、仕事をすることにしました。もう少し余裕ができたら髪を伸ばそうと思っています。

つい最近この方針に切り替えたので、周りの反応は実のところよく分かりません。もし着飾った若手の女性だからという理由で軽蔑してくる人と出会ったら、その人と仕事をするのは諦めようと決めています。

あなたも私も、この業界で働くバリキャリ女性のロールモデルをあなたは見つけられておらず、どんな風に振る舞っていけばいいのか模範解答を見つけることはできていません。そんな中でも1つ言えるのは、無理に自分の個性を矯正して働くのは楽しくないということです。

なので、過度に自分の欲求を殺す必要はないとあなたに言いたいのです。それは服装や髪型だけでなく、あなたが気にしている愛嬌もそうです。

あなたは大学生になった辺りから、愛嬌がないねと度々言われ、その度に少し傷つきます。(ちなみに、社会人になるともっと言われます。)指摘されるように、あなたは初対面の人に満面の笑みで挨拶をできるような可愛げや、人懐っこさは持っていません。しかし、中長期的な関係になると、あなたの肯定的な考え方や他者を思いやったコミュニケーションを評価してくれる人が一定数でてきます。

それがあなたの個性です。愛嬌はあった方がいいと思うので今から魅力的な笑顔を練習してほしいですが、初対面で相手の信頼を得ようとするのではなく、中長期的に相手の信頼を得るようなコミュニケーションを模索するのが、あたらしい働き方なのではないかと私は思います。

活躍して成果をあげている人はそれぞれ魅力に溢れています。自分にはその魅力がないから成果を出せないんだ…と諦めるのではなく、自分には違う魅力があるはずだとポジティブに考えましょう。この考え方がきっとあなたを生きやすくするはずです。


この3つを時々思い出しながら社会人1年目を走りきってください。

4月から社会人2年目になる私より

いただいたサポート費用は書籍の購入費用に充てさていただきます!