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がんを告知されてからの術後化学療法を受けると決めるときまで。
気持ちを追ってみます。


告知を受けて

がんです、と言われたとき「あ、そっすか」みたいな感じだったことは
コトの起こり」で書いたとおり。

大学病院の予約を3日後に取ってもらってからクリニックを出て、
そのあと入っていた仕事に向かう間も、仕事先から自宅に向かう間も、
わりと冷静に自分の気持ちと向き合ってみたけれど、
「あ、そっすか」以上でも以下でもなくて。
「なんで自分が!?」なんてことも思わず、ショックも特に受けておらず、
「死ぬかも」という恐怖心もなく。

胃がんを罹ったことと向き合っているのか、逃避なのか。
わからないけれども、これが正直な気持ちだったし、
そのあとも変わっていません。

もしも化学療法しかないと言われたら……

そんなことももちろん考えていました。

この場合の化学療法とは、切除困難な胃がんに対するもののこと。
ほかの臓器に転移している状態で、抗がん剤のほか、
ここでは緩和手術や放射線治療、対処療法も含んだ話をします。

自身のがんがそこまで進行していて、治療が病気を治す目的ではなく、
生存期間の延長を目的として行われるものであるならば、
拒否していたと思います。

つらいながらも、元気なときと同じように動き回れて、
好きな場所に行って、好きなものを食べて、友人と笑い合って……。
それができるのなら治療を受けてもいい。
でも、そうではないなら、治療はせずに残る時間を好きに生きる。
それを選ぶ。

死生観

もともと死に対する恐怖心はなく
今、死ぬと言われても、いいよと受け入れられる人間です。

「人はなんのために生きているのか」。

迷いなく答えます。
私は、良く死ぬために生きています。
死ぬときに「あ〜楽しかった」とか「あ〜幸せだった」って言えたらサイコウ!
そう言うために生きているし、命が途絶える瞬間が今だったとしても、
「楽しかった!」「幸せだった!!」、そう言えます。

例えば今。
抗がん剤治療を始めて、体はつらいことが多いです。
できないこともあります。
でも、幸せです。
幸せを感じる要素が私の周りにたくさんあるから。

たとえ伏していたとて、自分の性格からして
きっと幸せは感じていられるんだろうけど、
もっともっとハッピーでいるために、
つらいと伏して延びたところで意味がないんです。

手術前夜から術後化学療法開始まで

手術前夜、眠剤が用意されました。
眠れない方が多いのでしょうけれど、まったく不要でした。
消灯時間後、わりとすぐに寝入り、起床時間までぐっすり。

全身麻酔での手術ですし、手術中に何が起こるかわかりません。
でも、死への恐怖はないので、手術への恐怖もなく。
寝起きスッキリ! 9時30分からの手術に向かいました。

そして、手術から約2週間。
手術で摘出した胃を検査した結果、ステージ2Bと診断がつきました。
胃がんのステージ2Bは、術後化学療法を勧められます。

これは、再発の可能性を下げるために行われるもの。
術後化学療法によって再発率が低下するという臨床試験結果も出ていますが、
治療を受ける・受けないは、自分で決めます。
主治医の先生いわく、「受けなくても再発しない人はいるし、
受けても再発する人はいる」。

答えは一択。
「受けます」。
だって、受けなかったとして、再発したら
絶対「やっときゃよかった」って思うもん。
受けて再発したら、それはそれ。
胃がんになったときと同様に「あ、そっすか」です。

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