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4文小説 Vol.12

クリスマスイブ、曇り空の境内は閑散として、気持ちを鎮めたい身にはありがたい静けさだった。

先日は歳下の女優が帰らぬ人となり、報道では滞在先のホテルから転落した事故だと伝えられているが、真相は想像に難くない。

公表がためらわれる世情は現在も変わらないことを思い知りつつ、私たちが同様の死でお別れしてから18年、今年も母と支え合いながら年の瀬を迎えられた。

長らく悲しみを追体験する時だったこの日も、人並みより早い仕事納めのおかげで近年は安堵が入り混じるようになり、あなたのはからいだと受け止めている。

―父の命日

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