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4文小説 Vol.26

そうか、中央部に人差し指を添えれば安定するのか。

好物のジャガイモを捌くのは思いのほか難しい、不慣れな包丁を手に、そんな生活の基礎知識を四十も目前にして学ぶ。

いつまでも依存したままではいられないと目が覚めて、月に一度くらいはキッチンに並んで立つことにした。

先月のカレーに続いて今月は鍋、あと一年で母も後期高齢者だが、習いたいことはまだたくさんあるから、この時間がどうか末永く続きますように。

―四十の手習い

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