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【半分小説半分実話】婚活と就活:第1話

大好きな彼と急に別れることになった。急に…いや、少しは予感してたから、そんなに驚かなかった。彼も私も悪くない。ただ別れる以外に道がない。そんな状況が切なくもあったし、でも私は妙に納得していて、何も抵抗しなかった。

彼「ごめんね、本当に俺の勝手で、こんなことになって…」

私「ううん、私は大丈夫。あなたのことが心配なだけでね。仕方ないって分かってるから、謝らなくていいよ!」

彼「またもし付き合える状況になったらさ、電話する。もちろん俺のこと怒って受け入れてくれないだろうとは思うけどさ」

私「あはは、私だってずっとフリーでいられるわけじゃないから!でもそうだね、もしいつか、お互いフリーだったらね。元気でね!」

彼は私を手放したことに罪悪感を感じていそうだったけど、私にとっては彼は既に過去のいい思い出になっていた。不思議なもので、彼と別れた瞬間から、「よし!婚活するぞ!」という変なやる気が出てきていた。

お見合い業者に3つ連絡して、それぞれ担当の人と30分くらいずつ話した。結婚相手の希望の条件はもちろん、私自身のことも細かく聞き取られた。結構疲れたけど、さっきの変なやる気で乗り切った。すぐにそれぞれの業者から1人目の候補者が紹介された。正直誰がどうとか何とも思わなかったけど、とりあえずその全員と会うことにした。

会ったうちの2人は、会ってもやっぱりピンとこなかった。2回目のデートはしなくていいかもな、と思った。でも1人は違った。ピンときたかどうかは別としても、結婚相手として明らかに条件がよかったからだ。

その1人を仮にA君としよう。まずA君は、かっこよくて、優しくて、高収入だった。そのうえ、なぜか私のことをすごく気に入ったみたいだった。その証拠に、1回目のデートの時に、ほとんど「君と結婚したい」みたいなことを言われたのだ。

正直言って、もうこの人と結婚してもいいかもしれないなって、思ってしまった。だってこんなにいい条件の人、自力じゃ見つけられないから。でも、私の何がそんなに良かったのか分からなかったから、ピンとはこなかった。



A君との1回目のデートの次の日、友達に会った。この友達の名前は友美にしよう。頻繁に会ってるわけじゃないけど、人生の大事な時にはいつも相談に乗ってくれる頼れる友達だ。

私「そういうわけで、A君と結婚してもいいかなって、ちょっと思っちゃってるんだよね。」

友美「あのさぁ、あんた混乱してるよ。まだ元彼君と別れたばっかりでさぁ、こんな時に大事な判断できるわけないって。A君にはさ、ごめんなさーい私の勘違いでしたーって言って断っちゃえばいいじゃん。とりあえずフリーで3ヶ月ぐらい過ごしてごらん。浮いた時間は本でも読みなよ。さすがに彼氏ほしいなって、心の底から思ってから婚活再開しなよ」

私「まじで友美の言う通りかも、私混乱してるわ。でもさ、人間って不思議なもんで、振られたら婚活しなきゃって思っちゃうのよ。でも確かにね、ちょっと冷静になったほうがいいかもね、私。」


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そのまま読めば婚活小説、転職に置き換えて読めばほぼ実話です。続きも書きます、よかったら読んでね!

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