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外資系メーカーに勤める公認会計士の日常|10. 英語と日本語、ドルと円

外資系企業は通貨単位が混在!?

最近ワーママの働き方について書くことが多かったのですが、今回は外資系ファイナンスあるあるについて書きたいと思います。

外資系企業ですので、普段の会話から英語と日本語が行き交うのは想像にかたくないと思います。が、実は言語だけでなく通貨単位の円とドルも入り混じっていて、いやーこれは慣れるまでが大変!

もともと円&日本語の世界にいた私

今までのキャリアとしては、会計監査人として企業の決算をチェックしたり、経理部で会計実務を行なっていた時代が長かった私。例えば、これ、ぱっと読めますか?

1,000,000,000円

一、十、百、千…と桁を数えていては経理マンは務まりません。見た瞬間に「10億円!」と言えるようになるのが、会計に足を突っ込んだ者として最初にクリアするべき関門になります。

ではこれはどうでしょう?どん!

1,000百万円

はい、これも10億円です。この変な表記も慣れるまでが大変ですよね。この他に1,000,000千円という書き方でも10億円です。

お気付きかもしれませんが、数字の桁って3桁区切りで表記するのですが、これが全然日本語の単位とマッチしてないのが、分かりにくさの1つの原因になっています。日本語の単位は実は4桁区切りで言い方が変わりますよね(一、十、百、千で1セット。その後、一万、十万、百万、千万で1セット…と続く)。なので、数字を読みやすくするための3桁区切りがいまいち機能していないのです。

英語の数字は分かりやすい

一方で、この数字の3桁区切りにピタッとはまる言語が、実は英語なのです!

1: one、10: ten、100: hundred

1,000: thousand, 10,000: ten thousand, 100,0000: hundred thousand

1,000,000: million, 10,000,000: ten million, 100,000,000: hundred million

…どこまで行っても、3桁区切りの冒頭に1が来てたらone/aなになに、だし、10が来てたらtenなになに、100が来てたらhundredなになに、と言えばよいわけなんです。日本語での数字表現に比べると、ずっとずっとこの3桁区切りの良さが活かされてますよね!

外資系企業で通貨単位が入り混じるわけ

さて、ここで話を少し戻します。外資系企業に勤めていると、お金について話す時に、日本円で表現するときもあればドルで表現するときもあります。

外資系企業とて、私は日本の子会社で勤めているので、普段国内の業者さんに払う費用の請求書はもちろん円だし、普段国内のお客さんに売る時の請求書ももちろん円です。そうなると、会計システムに記帳されるときの単位も当然円になってきます。こういうわけで、実務的な買った売ったやその記録について話すときは、円で話すことが多いです。

逆に、外資系企業だからこそ(いや、多国籍企業ならどこでもなのか?)、本社など他の国の人と話す時には、共通言語としてみんなドルで話します。当たり前ですが、各国がそれぞれ自分の国の通貨で話していたら混乱しますよね。

で、本社を始めとした他の国の人たちとお金についてシビアに話し合うタイミングってなんでしょう?

答えは、予算策定、です!

つまり、日本はあといくら節約してくれ!とか、日本であとこのくらい売上頑張ってくれ!とか、逆に日本で投資したいのでいくら欲しい!とかいう時にはドルで話すことになるのです。ここから発展して、普段の国内の会話でも、今月は売上何ドル足りなかったとか、費用何ドル余計にかかったとか、予算との対比の文脈で話す時はドルで話すことが多くなります。

こうなると、結局普段から、円で管理している売上や費用が、換算すると何ドルで、それが予算に対してどう、というのを、絶え間なく頭の中でスイッチしながら過ごしていかないといけないのです。

でも大丈夫!覚え方があります!

げげげ、なんか混乱しそうだな…と思われたそこのあなた。大丈夫です。円を日本語で話す世界と、ドルを英語で話す世界が唯一交錯する場所があります。それが、ここ!

1億円=1 million dollars

(100,000,000円=1,000,000ドル)

です!お気付きかもしれません、日々刻々と変わる為替レートを完全無視して、1ドル100円と考えると、1億円=1 million dollarsこそが、1なになにと日英共通で言える数字なのです。

ビジネスの会話のなかでいちいち、あの件は100万円だったから、それを換算すると1万ドルで、これを英語で言うと…とやっている時間はありません。円から考えるときもドルから考えるときも、1億円=1 million dollarsの単位でとにかく言っちゃう!つまり、100万円なら0.01億円で、0.01 million dollarsなのです。慣れてきたら、頭の中で数字3桁区切りを思い浮かべれば、0.01 million dollars=10 thousand dollarsの言い換えはすぐにできるようになると思います。この感覚を身につけてしまえば、普段の会話で数字が上手に言えなくて手こずることはないでしょう。

この方法の唯一のデメリット

さて、円を日本語で話す世界と、ドルを英語で話す世界を自在に行き来する方法を伝授しましたが、この方法にも唯一のデメリットがあります。それは、ドルを日本語で話す世界と、円を英語で話す世界に全く対応していないということです。私自身、急に50万ドル、とか、10 million JPYとか言われても、反応できません(笑)なので、ドルなら英語、円なら日本語…と割り切れる状況の方にお勧めしたい方法でございました。(割り切るためには、日本人同士でずっと日本語で話しているシチュエーションでも、ドルの数字を言う瞬間だけ英語で1 million dollarsと言うルー大柴方式をとらないといけません。でもこれは外資系企業に勤めていれば違和感ありません。)

いかがでしたでしょうか?1億円=1 million dollarsの法則、使えそうな方はぜひ使ってみてください!

お役に立てるnoteを提供していけるようがんばります!