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多拠点生活をして6ヶ月経ったので

8月末で多拠点生活を始めて6ヶ月が経ったので、いろんなコトを書き留めておく。

今年の2月に新卒で入った会社を退職して、場所的制約も時間的制約もなくなった。
これはまたとない機会では?ということで関東の家を引き払って多拠点生活を始めた。流浪の民デビューである。

「移動が大変では?」とか「変な人いるのでは?」とか「合わなかったらどうしよう」とかいろいろ頭に浮かんだけど
やってみないことにはわからんでしょって事が多かったのでとりあえずええい!とはじめた。

どうやって多拠点生活してるの?

転々と流浪していると言うと「宿はどうしてんの?」とよく聞かれる。
ホテル滞在をよく想像されるが、流石にそれでは財布が持たない。
かと言って野宿するほどの体力も無ければ、ひとりで「田舎に泊まろう」を実践できるほど(互いに)安心安全な社会でもない。

今は、ADDressというサービスを利用してる。
定額でいろんなところに住めることに加えて、各拠点には”家守”がいて拠点管理だけでなく、地域のお店やイベントを紹介してくれたり交流の場を作ってくれたりする
家守さんのおかげでより”住んでいる”実感が強くなってるんだと思う。

各自治体のコロナ対策に従って移動しているため、関東(月2で予定アリ)と名古屋(実家)の往復がほとんどだが、感染がおちついたタイミングを狙って少しづつ他の場所へも足を伸ばしてる。
(夏になって更に感染拡大が進んだので、8月はほとんど移動できず...)

ただ、ADDressの拠点は続々と増えていて、気兼ねなく全国津々浦々へ行ける日が来るのが楽しみである。

移動はどうしてんの?

ほとんどJR在来線!夏の間は青春18きっぷをフル活用
ADDressの会員料金と移動費をあわせても以前の家賃よりも安く収まってる。願ったり叶ったり。

おかげで在来線に強くなった気がする。
長距離移動の場合は切符の有効期限が2日以上あったり、18切符ユーザーには馴染みのある”ワープ”の存在を知ったりとレベルアップできてる。
長距離長時間の電車移動にも耐えうるお尻も出来上がった。

拠点にはひとりで滞在するの?

よっぽど地方の拠点でない限り、他にも滞在している人がいる。
けども、ほとんどの場合はおなじ拠点にはADDress会員さんと家守さんしかいないので、よっぽど変な人はいないと思ってる。
半年利用したけど不快になるような変な人には未だに遭遇していない。
(ゲストハウス提携拠点やシェアハウス提携拠点は他の住人さんがいることもある)

関東で丸3年シェアハウスに住んでいたからか、ある程度のことは許容できる体質になっていることも大きいハズ。
個人的には「ADDressのサービスに共感して、利用している」という共通点があるだけで少し安心できる。
ハードル低すぎかな。

拠点を予約するときに個室タイプかドミトリータイプか選べるので一人の時間もちゃんと取れるのもありがたい。

日に当たる時間が増えた

何を当たり前のコトを言ってんだって感じだけども事実なんです。
拠点間を移動する度に外に出るし、人の少ない昼間に移動するので、日に当たる時間が増えた

2020年3月に在宅勤務に移行してから、外に出る時間がかなり減っていた。
当時住んでいた部屋は北向きで直射日光がほとんど入らない部屋。
「日中は出勤するし、休日は共有リビングで過ごせばいいし」と思って選んだものの出勤はなくなり、コロナ禍で共有部を使うのは躊躇われるようになり、日に当たる時間が格段に減った。

今がベストな生活なのかはわからないけど、生きものとして健全になった気がする。

とにかく喫茶店

この生活を始めてよかったと思うコトのひとつに喫茶店がある。
とにかくいろんな喫茶店に行ける。

もちろんチェーンの喫茶店やカフェもよく行くのだけど、
店ごとに個性のある個人経営の喫茶店がとにかく好き

定番メニューもお店次第で色の異なるモノが提供される。
クリームソーダは文字通り色が違ったりする。
インスタで紹介してるので是非)

ときにはおしゃべりな店主さんの半生を伺ったり、お店の周りの歴史を聴いたり。
はたまた厳かなシャンデリアの下で背筋を伸ばして一服したり。
とにかく低いテーブルだったり、柔らかすぎるソファだったり。
それぞれのお店のこだわりと歴史を巡るのがとにかく楽しい。

なかでもパンチが強かった喫茶店  西洋乞食

不思議な友達ができた

1年と少し前からPodcastを配信している。
喫茶店好きが喫茶店のことやその他の気になることをポツポツと喋る番組。

ありがたいことに回を重ねるごとにリスナーさんも増え、お便りもいただけるようになった。

中にはSNSでつながって、喫茶店でご一緒してくれる方もいる。
学生の頃からの友人や、前職の同僚ともまた違う、不思議な繋がりができた。
実際に会うと「ほんとにリスナーさんがいるんだな」と思えると同時に、みなさん優しく接してくれるので勝手に友達が増えた気分になる。
友達と呼ぶにはおこがましくなるような人生の先輩もいるが、そういう人とも仲良くなれるのが醍醐味なのかなとも思う。

多拠点生活をしているが故に全国のリスナーさんのもとへ伺えるので、コロナが落ち着いたらいろんなとこで一緒にお茶したいなと。
行きたい喫茶店も尽きないし。

(Podcastの最新回はこちら)

心地よかったまち・拠点

静岡県川根本町

大井川鐵道で小一時間ほど山奥へ登ったところにある、築140年の空き家をオーナー自ら改修してできたゲストハウス。
決して便利な場所ではないけど、ゆっくりと考えを巡らせるにはうってつけ。
常にDIYで何かしら作っているので伺うたびに宿が進化しているのがすごく面白い。

香川県小豆島

島というとくるっと一周できちゃうイメージがあるけども、小豆島は港が3つあり、島の反対側まで行くのに車で1時間かかる。
小豆島内はもちろん、周辺の島々に日帰りで行けるのが非常に嬉しかった。
直島や豊島で自転車に乗って美術館を巡る。体にも頭にも良い時間だった。

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コロナウイルスの感染拡大で思うように動けていないが、それ以外については特に大きな不満はない。

それぞれの土地の個性を体で感じたことで「都会or田舎」みたいな小競り合いから意識がより離れたんじゃないかな
便利不便の差はもちろんあるけど、それだけじゃ良し悪しなんて決められない。
東京も好きだし瀬戸内海の島々も好き。好きポイントはそれぞれ違うし比べるとこでもない。どっちも良いのよ。ほんとに。

何かしらのきっかけで生活を変えるときに
多拠点生活を選択肢のひとつに入れてくれたらいいなと。
生活を変えるタイミングがなくても
「こんな生活をしている人がいるんだな」と隅っこで知っておいてくれたらなと。

長野の山奥でしっとりした空気を浴びながら、半年間を振り返ったのでした。



いろんなことを考えながらクリームソーダ飲んできます。