読書感想:生き方


1.GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣(スコット・アラン)


感謝を意識することが、幸福感やレジリエンス、コーピングを高め、人間関係を良好にして、免疫力を改善して、人生を充実させるとの生き方の原則を意識づけできます

<Point>
・感謝するたびに、脳はドーパミンを分泌して気持ちが良くなり、セロトニンを分泌して落ち着くことができる
・持っていないものではなく持っているものに意識を向くことで、自分が受けている恩恵に気づくことができる
・感謝する習慣を自動モードして、逆境を克服して前進する力が得る
・共感力と寛容の精神を養う
・欠乏意識は経済状態とは関係がなく、心の持ち方
・欠乏意識は思考力を低下させる
・自分に思いやりを持つことは感謝の心を育むため軽視してはならない


2.人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている(ふろむだ)


人はバイアスから逃れないからこそ、その前提で立ち回らなければ、ただの徒労で終わってしまうと危機感を持てる示唆です

<Point>
・どんなに有能な人でも、ひいては心理学者であっても脳の構造上、バイアスは生じる
・実力とは別にとんでもない威力の錯覚資産が作り出され、他者からの評価は概ね錯覚資産によってなされる
・成功は運次第だと認め、個々の成功は運次第だとしても、成功確率を上げられるか
・組織の意思決定はハロー効果で蔓延しているため、合理的なことを主張すれば対立する
・人間の直感は、正しい判断に必要な情報が欠けていても、情報が欠けているという感覚を持たない
・他の人が自分のことを思い浮かびやすくしておくと、意外なところからチャンスが降ってくることがある
・バイアスが生じる以上、肩書を得ることは軽視できない
・人はバランスの取れた物語よりも、一貫して偏った間違った物語に魅力を感じる


3.最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法 (鈴木祐)


人間本来の特性を踏まえた近代社会の変化によって引き起こされる文明病の対策から、日常の体調管理を学べます

<Point>
・身体は加工食品に馴染みがないため、不調を起こしやすい
・脳はできるだけカロリーの高い食べ物を探すように進化しているため、環境から制約を設ける
・人間は集団の生き物であるため、孤独は心を毀損する
・限りある認知のリソースをムダに消費してしまうことを注意してデジタルデバイスを用いなければ、集中力は低下する
・平均の睡眠時間が1日7~9時間の範囲を逸脱すると不調になる
・腸内細菌は、アミノ酸や食物繊維などを材料にして、ビタミンB群やビタミンKといった重要な成分を合成し、栄養の吸収を助けたり、食物繊維を分解してエネルギーに変えたり、免疫力を高めたりと、健やかに暮らすために欠かせない機能
・抗生物質を摂り過ぎると腸内細菌が弱くなる
・Googleは食堂や休憩室の設計まで実験を重ねてこだわっている
・自然は人体の疲労を回復する働きを持つ
・自然の大気を吸い込むだけでも、腸内環境は改善する
・睡眠負債は自覚がないまま債務がかさむため、改善のためには良質な睡眠を取る。適度な昼寝は有効
・1時間程度の運動習慣で脳機能が改善する
・素晴らしいアートに触れたりして生じる畏敬の念には、炎症物質を適切なレベルに保つ作用があり、健康や長寿に大きな影響を持つ
・決まった間隔で仕事をしてリズムをつくる
・不安が生じれば観察者モードで自分を俯瞰する


4.世界の一流は「雑談」で何を話しているのか(ピョートル・フェリクス・グジバチ)


つながる、調べる、伝える、共有すると目的のある雑談を引き起こすことで取引先との関係を築き、社内の文化をつくれるとの人との対話を学べます

<Point>
・無目的な雑談は無意味どころか印象を下げかねない。目的を持ち、雑談を武器として対話する
・Googleは働き方が自由であるからこそ、コミュニケーションの機会を意識的に増やしている。オフィスも会話が生まれやすいように設計されている
・雑談は雰囲気作りのためではなく、成果を出すため
・何を考えているのかわからない会話は不信感になるため、雑談を通じた自己開示が重要
・社会や政治、経済、歴史など、あらゆることについて自分なりの意見を持ち、それを話すことが大人の嗜み
・日本は世界でも類がないほどのハイコンテクスト社会と位置づけられているが、欧米は人種や文化、価値観がバラバラであるため、ストレートに伝えるローコンテクスト社会が形成されている
・雑談を学びの場と考え、お互いの人生を豊かにするための知識や情報をやりとりする時間と捉えているか、世間話や無駄話と考えているかの差は大きい
・目先のタスクに集中しすぎて周囲の人と雑談をしていないと、組織内の力関係の変化を察知できないため、雑談の軽視はリスクヘッジの放棄とイコール
・万国共通して優秀なリーダーほど尊大な態度を取ることはなく、常に謙虚な姿勢で相手と向き合っている
・Googleでは報連相を重視しており、それができないと、仕事をしていないと判断される
・雑談を通して相手のコンディションや状況を確認することは基本


5.TraveLife クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なこと(本田直之)


未知に出会う旅を人生について思索して豊かさを追求するために学ぶためのツールとする考え方が魅力的です

<Point>
・未知に出会うことで選択肢が増え、自分のポテンシャルに気づくことができる
・異国の考え方そのものが違う人と話すことで新しい視点が得られる
・「自分は何やりたいか」よりも、「自分は何に向いているか」を知った方が現実的
・旅で計画通りにいかないことを体験すれば、対応力や計画力が磨かれる
・旅は不便や制約のもとでエ夫し、何かを生み出す最良のトレーニングとなる
・同じものを見続けていると、インプットがなくなり、絶対にクリエイティビティが下がってしまう
・何度も行くことができない旅の貴重さを考えることで、人生の有限性を実感でき、人生を楽しむトレーニングになる
・旅をしていると、他人を気にして着飾らなくなり、無駄に自分を大きく見せる必要もないと気づく


6.人望が集まる人の考え方 (レス・ギブリン)


人は誰しも他人に何かを求めているとの現実を直視して、関わり方を考えることができます

<Point>
・良い人間関係とは、自分が求めているものを手に入れるのと引き換えに、相手が求めているものを与えること
・人は自分の自尊心を大切にしてほしいと願い、それを傷つける人を敵とみなす
・人は程度の差こそあれ自分本位であり、自分に関心があるため、自分を好きにならなければ他人に友好的になれない
・礼儀やマナーは、人々が自分を重要だと感じ取りたい普遍的な欲求に基づいている
・無意識でも人は相手に良い印象を与えたいと思うため、相手を軽んじて自分を良く見せるための言動をする傾向に注意する
・相手を扱いにくい人だと思い込んでいれば、それが態度に表れ、相手も敵対的な態度を取る
・人々は自信のない人や弱気な人を本能的に信頼できない
・自分の最初の言葉、動作、態度が「主音」となることを肝に銘じる
・不平を言うと周囲も不快な気分にさせる
・相手をあるがままに受け入れて好きになる人こそが、相手の行動を改善するだけの影響力を持つ
・相手の話にじっくり耳を傾ける習慣を身につけると、自己中心的な性格を克服することができる
・議論では自分の正しさを証明しようとむきになるのではなく、少し譲って相手の意見に賛同できることを見つける
・ほめ言葉は相手の心身に工ネルギーを与える
・相手の最後の記憶が叱責ではなく激励になるようにするのが理想的な注意の与え方。動機がどうであれ相手がどう感じるか
・人前で相手に恥をかかせるのではなく、一対一で注意を与える
・相手の行為に注意を与えるのであって相手の人格を攻撃しない
・しつこくせず、注意は1回にとどめる


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