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20-21 EPL 第1節 Tot vs Eve

 EPL第1節の注目カードが9/13に行われた。
トッテナム対エヴァートンの一戦。試合後の分析をさせていただきます。

・シーズン前の両チームの動き

 シーズン前の動きは対照的である。トッテナム(以降Tot)は主な大型補強なし。右sbにウルブズからドハーティ、中盤にサウサンプトンからダイナミズムのあるホイビュルクを補強。ただ1番の補強はケイン、ソンが開幕から出場できるというところだろう。
 
 変わってエヴァートン(以降Eve)は大型補強。アンチェロッティの教え子の2人。レアルからあのスーパースター、ハメスロドリゲス、ナポリからアラン、そしてワトフォードからドゥクレを補強。中盤を一新した。
 全シーズン6位・12位と期待を裏切ってしまったTot・Eve。今シーズン両チームはどういった結果が出るか、名将同士の注目の第1節。


・両チームの布陣、前半

両チーム4-2-3-1の布陣。Totは頂点にケイン、新加入のドハーティ、ホイビュルクらがスタメンに。ヴェルトンゲンの抜けたCBにはダイアーが入った。
 Eveは中盤に新加入のアラン、ドゥクレ、ハメスを置く。頂点にはカルヴァートルーウィン。左にはEveを引っ張ってきたリシャルリソンを置く布陣。
 試合開始からEve陣内に圧をかけるTot。ただ最初に大チャンスを迎えたのはEve。前半16分、ベンデイビスが戻したボールにリシャルリソンが反応。GKと1対1。GKも交わすもゴール左上へ。チャンスを逃してしまう。Totも前半24分、ソンフンミンの右へカットインから
クロス。ケインが飛び込むも数センチ合わず。

 前半32分にはEveのCKからカウンター。モウラの推進力、ソンへのサイドチェンジ。ケインが上がってくるのをおとりに、後ろから上がってきたアリへのラストパス。フィニッシュもピックフォードのナイスセーブ。得点は取れなかった。前半42分、ドハーティのシンプルな縦パスからケインの技ありループでのラストパス。ドハーティがダイレクトで打つもピックフォードの牙城は崩せず。
 お互い決定機を活かせず0-0で前半を終える。

・注目の後半、第1節の結果はいかに。

 後半Totが動く。前半消えていたアリから中盤に厚みと強度をもたらすシソコへとチェンジ。
 ただスコアを先に動かしたのはEve。後半10分、左サイドでFKをもらったEve。ディニュのの間接クロスにカルヴァートルーウィンが頭であわせて先制。クロスの精度と空中線の強さを象徴したゴールだった。
 その後両チームなかなかチャンスを作れず、終盤まですすむ。後半39分にはドゥクレのスルーパスに抜け出したカルヴァートルーウィンがシュート。ただこれはキーパー正面に。

 このままスコアは動かず0-1でゲーム終了。モウリーニョとアンチェロッティの名将対決の軍配はEveにあがった。

・中盤を制し、タメと時間と決定機をもたらしたEveの2選手。消えすぎたTotの前線。

 「私がチームに期待してたものだよ。」
そうアンチェロッティが語るように、Eveの中盤は見事なほどに機能していた。
 まずは新加入のスーパースター、ハメスロドリゲス。とてつもなく大きな印象を残したのは言うまでもない。トップ下に位置したハメスは比較的自由に動き、主に右サイドで決定的な仕事をして見せた。タメと時間を生み出せるボールキープ、絶妙で1番いい場所に出せるラストパス、数秒で30m以上の距離に放てるサイドチェンジなど。この試合でも圧倒的な存在感で中盤に厚みをもたらした。

 
 もう1人が仕事人、ドゥクレ。アランももちろん良かったがやはり彼よりドゥクレだろう。相手の攻撃を遮断できる1体1の強さ、アランとのバランスの取れ具合、チーム最多を記録したパス本数。Eveが中盤で圧倒できたのはドゥクレとアランのスムーズな連携も大きな要因だろう。

 変わってTot。シャドウの位置で仕事をまかされたデレ・アリ。つまりアランの付近で違いを見せなければいけなかったアリは前半全く機能をなさなかった。それこそボールが回ってこなかったもあるけれども、周りに絡みきれず1人消えていたような感じ。32分に決定機を作るも決めきれず、それ以降はほとんど絡みなし。後半はじめにシソコにチェンジされた。

 
 加えて、中盤を支配されたことによりワイドにポジションを位置どれなかったモウラ、ベルフワイン。それにより孤立してしまったケイン。Totはワールドクラスの前線が揃っているけれどもうまく絡むことができず、攻撃を全くなさなかった。結局決定機もあまり作れず、、。
2節以降に不安を残す結果になった。

・注目のカードの結果

 両チームの第1節での完成度は対照的だった。新加入選手が違いをもたらしたEve。現有戦力で臨み結果が出なかったTot。
 昨シーズン不調だった彼らのオフシーズンの動きがここまで違いをもたらした。まだ第1節とはいえこの先に期待をもたらすEveの中盤はBIG6にも多くの恐怖をもたらすであろう。
 Totは現有戦力でも優勝を目指せるメンバーが揃っているからこそ、今回の試合は大きな不安感を生む一戦だった。
 
 EveはCL出場、Totは優勝を目指す上で大きな期待と不安が見えた注目の一戦だった。