見出し画像

春の風

トントンとシェアメイトがドアをノックする音で起きた。朝8:00、盛大なる遅刻だ。着のみ着のままで飛び出すように家をでる。何も考えずにコートを掴んででてきたけど、階段を駆け下りるとそこは春だった。駅につくと電車の発車時刻まで時間があったので、駅のトイレで歯を磨く。髪の毛はボサボサ。まるでホームレスみたいだと自嘲気味に笑う。門司港駅は国の重要文化財なのでトイレでさえ少しセンスの良さを感じられるのがせめてもの救い。コンビニでコーヒーを買って電車に乗り込む。私は時々遅刻をする。どうしても起きられない朝というのが度々やってくる。先週はMさんの葬儀があったからからな。アドレナリン爆発で猛烈に仕事をしたあとは、その反動でずどーんとくることが多い。決められたルーティンに照準を合わせて、自分で自分のコンディションを整えるのは私にとって相当キツイ。落ち込もうと思えばいくらでも落ち込めるのだけけど、そんなことは何も生み出さないことは段々わかってきた。できなかったことを考えても仕方ない。私の欠落を埋めてくれる同僚に感謝しつつ、私は私ができることを淡々とやるだけだ。月曜日の朝がはじまる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?