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家なし家族のミラクルハッピーホーム

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元ホームレスのおいちゃんたちが30人暮らすミラクルハッピーホームでの出来事を綴っています。
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#エッセイ

愛とは「見えてるよ」と伝えること

結局このところのもやもや病の正体は自分が必要だと信じてやってること(ホームレス支援&シェ…

Mikuru.M
3年前
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博愛主義だなんていえない

救命救急の待合室で救急車で運ばれた81歳の奥さんの延命措置の選択を迫られている旦那さんをみ…

Mikuru.M
3年前
8

もう誰も死ぬな

もう両手では数切れれないほどの死別を経験したけれども、どんなにベストを尽くしたとしても、…

Mikuru.M
3年前
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仕事じゃない仕事を大切にしたい。

ナースコールで呼び出されたので、Kさんの部屋に駆けつける。十中八九なんともないのだけど、…

Mikuru.M
3年前
9

福祉の現場で働き続けることの焦りと葛藤

たぶんまともに働けない最近の悩みといえば専ら福祉の現場で働き続けることへの焦りと葛藤だ。…

Mikuru.M
3年前
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骨を拾う

身寄りのないおいちゃん達に寄り添うことを生業にしているので、葬儀に携わることは少なくない…

Mikuru.M
3年前
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人間関係のリハビリ

喫煙所はホームの憩いの場のひとつである。   花札に興じているひとあり、窓の外をボーっと眺めている人あり、他愛のない話に花を咲かせている人もあり。 大好きなタバコを片手にひとりひとりがリラックスして過ごしている。そんな喫煙所だから、おいちゃん達の本音がポロッと飛び出すことがある。    その日、私が喫煙所に顔を出すとOさんがひとりソファに足を投げ出してタバコを吸っていた。    Oさんは2年前にホームを卒業して、いまは近所で一人暮らしをしている。 無料定額宿泊所であるホー

ホームレス支援は交換留学に似ている。

元ホームレスのおいちゃん達が暮らすハッピーミラクルホームに初めてやってきたとき、不思議…

Mikuru.M
4年前
9

優しい世界のまわしかた

豪雨明けの夜の街を散歩。雨の匂いが色濃く残っている。 住宅街の真ん中でなにか小さなものが…

Mikuru.M
4年前
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認知症のおじいちゃんが教えてくれた友だちの作り方。

「友達ってどうやってつくればいいんですかねー」そんなことを同僚にぐちぐち相談していたら、…

Mikuru.M
6年前
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認知症のおじいちゃんから教えてもらった友達をつくる方法

「友達ってどうやってつくればいいんですかねー」そんなことを同僚にぐちぐち相談していたら、…

Mikuru.M
6年前
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信頼関係を築かなければ、スタート地点にさえ立たせてもらえない。

ホームレス支援の現場にいると不条理なことにたくさん出会う。 飲みすぎてぶっ倒れたおいちゃ…

Mikuru.M
6年前
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最後のユートピアとしてのドヤ街

東京滞在で時間が空いたので山谷を散歩。 路上にパイプ椅子を出して昼間から呑んだり碁をうっ…

Mikuru.M
6年前
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元ホームレスだったおいちゃんの葬式に100人が集まった話。

「田中さんが亡くなったよ。」 施設長からの電話はそんな唐突なひとことから始まった。よく晴れた日曜日の午前中だった。朝食を食べに降りてこないので、宿直が起こしにいった時にはすでに布団のなかで亡くなっていたそうだ。90歳の大往生だった。 わたしは記憶を辿った。最後に話したのはいつだっけ。ああ、一昨日の昼ごはんだ。私が「田中さーん、元気ですか?」と声をかけると「元気じゃよ。梅干しいるか?」って満面の笑みで、いつも持ち歩いている梅干しを分けてくれようとしたんだった。ああよかった覚