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「イーオット」だけど「超ドジオット」(続)ーそれでも完璧「段取り男」

以下の投稿記事の続編です。

イーオットは、昔から「段取り」と言う言葉が好きだ。どこか昭和のにおいのする言葉だ。「鉛筆なめなめ」とか「一丁目一番地」とか「落としどころ」とか、現代の人にはその語感がストレートには伝わらないかもしれない。

この「段取り」私が感服するのは、山に登る時だ。服装、食料、水 etcと実に手際よく整えて行く。山の頂上で食事をする時その準備の良さ、手際の良さ、抜かりのなさに気づかされる。

主食のタンパク質、デザートの果物、スィーツ、コーヒーorココア。いつの間にこんな物を詰め込んだのかと驚く。食事が済んだら食器から水分を拭いとるトイレットペーパー、それを捨てるゴミ袋まで。最後はエネルギー補給ドリンクと塩あめ、ドライフルーツとナッツ。

思えば山登りは一歩間違えば死に至るアクティビティである。「山男」として歩んだ40数年で培った勘とかコツとか怖れが自ずと身についたのだろう。地図でしっかり計算し軟弱な私でも登れるかを確認している。私はと言えば、自分のことだけしか考えず、全てお任せでただ彼に従って登るだけだ。だから一人では絶対登らない、登れない。

彼は建築士である。建築の現場でもこの「段取り」が力を発揮する。建築工事は工程表に従って粛々と進む。が時として思わぬ突発事態が起きるものだ。そんな時頼りになる要員でもあったようで、若い頃は工事の遅れを取り戻す突貫工事専門だったそうだ。現役時代は「あいつ段取り悪いなあ」とよく口にしていた。

日々の暮らしでも彼のうれしい段取りに気づく。包丁でネギを切ると気持ちよく薄く切れる。研いでいてくれたのだ。そう言えば鯵を下す時、まず包丁を研ぐことから始めていた。部屋の壁紙を変える時も部屋の寸法を図り、壁紙、糊、刷毛、ローラー等を抜かりなく調達し、私を助手にして完璧(?)に張り替えた。もう何度張り替えたことだろう。

孫たちが遊びに来ていた時も、次の日が雨だと分かったら全員のスニーカーに防水スプレーをかけていた。高尾山に登った時も「絶対落伍者が出るから」とベビーカーを担いで登った。案の定4人の孫たちは代わる代わるそれに乗った。

マレーシアで彼と一緒に仕事をした時、「詰めが甘い」と叱責された。その時のイーオットは実に怖かった。今でもその情景が目に浮かぶ。彼の「段取りの美学」からしたら、私の行為は杜撰で許せないものだったのだろう。それ以降も私の「詰めの甘さ」「いい加減さ」は批判され続けている😅😅😅


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