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未来の私のために。あの時何に感動したのかを思い出すために。

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今日ときめいた言葉。日常生活で出会った素敵な言葉、心動かされた言葉あるいは事柄について書いています。そんな言葉に出会った時、凡庸な日常が一瞬輝きます。ああ、私は言葉に生かされてい…
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2023年10月の記事一覧

今日ときめいた言葉88ー「私たちは過去から解き放たれるために、過去を知らなければならない」(続)ー保存されていた患者8002人分のカルテ

(タイトル写真は、www.amazon.co.jp から転載) (2023年10月27日付 朝日新聞「現場へ!」埋もれた実態 語るカルテ) この記事は、「戦後復員してきた元日本兵のPTSDによる暴力の連鎖が現在にまでつながっている」という以下の記事の続編である。 表向き日本軍は、日本の兵隊にそのような精神を患う軟弱な人間はいないと否定していたが、実際は千葉県にあった国府台(こうのだい)陸軍病院に収容して精神神経症などの兵士の治療を行っていた。その数1万人以上と言われる。

今日胸に刺さった言葉87ー「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」「ロシア人を獣にしたのはテレビだと思います」

(2023年10月27日付 朝日新聞 「斜影の森から」ーメディアの沈黙と御用ジャーナリスト 元朝日新聞編集員 福島申ニ氏の言葉) (タイトルイラストはjp.123rf.comから転載) ◉「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」 スタニスワフ・レツというポーランドの詩人の言葉だそうだ。 権力と結んだメディアは民衆の耳目をふさぐ。不都合な情報は伝わってこないし、逆に国内でどんな悲惨なことが起きていても世界に伝わらない。今のロシアや独裁的な国々がそうであるように。 映画「

今日ときめいた言葉79ー「独裁者のいない全体主義」

2023年9月30日付 朝日新聞 「近代日本メディア史 Ⅰ & Ⅱ」(著者 有山輝雄氏 メディア史研究者)についての書評からー 「独裁者のいない全体主義」ーこの著書にある言葉だそうだ。日本社会を的確に表現している言葉ではないだろうか。すごく納得してしまった。 「この国に独裁者はいない。しかし政権がきめたことが、たとえ少なからぬ人が首をかしげても、さしたる騒ぎにならず浸透していく。メディアはそんな社会を醸成してきた主要な仕掛けではないのか」と、この言葉を評者は解説する。

今日ときめいた言葉86ー「私たちは過去から解き放たれるために、過去を知らなければならない」

(タイトル写真は、www.amazon.co.jp から転載) (2023年10月23日付 朝日新聞「現場へ!」大阪大学教授 北村毅氏の言葉) この記事は、北村氏が幼少期に受けた父親からの暴力について、原因を探っていったらその父親の父、つまり北村氏の祖父の過酷な戦争体験にたどり着いたというものである。 祖父は太平洋戦争に召集され中国戦線で戦った日本軍の復員兵だった。殺し尽くし、焼き尽くし、奪い尽くす「三光作戦」と言われる残虐な作戦で武勲を挙げた優秀な兵士ー「過剰に適応し

今日ときめいた人85ー中学生新聞を創刊した中学1年生

(2023年10月19日付 朝日新聞 「岸田首相に直接聞きたい。それならー」から) この中学1年生は、なぜ「日本中学生新聞」を創刊したのか?それは岸田首相に質問したいことがあったからだそうだ。質問とは、 「核兵器禁止条約になぜ日本は署名も批准もしないのか」 ということ。 修学旅行で訪れた広島で話を聞いた被爆者の女性に「今の政治に言いたいことは何ですか」と聞いたところ 「核兵器禁止条約に参加してほしい」 ということだったからだ。 広島で開催されるG7広島サミット(

西沢渓谷を歩くー今年は「赤」が少ないそうだけれど🥹

例年だと西沢渓谷の紅葉🍁はとても美しい。今年は八幡平と同様赤が少なかった。1周約10キロを渓流に沿って歩く。春夏秋冬どの季節をとってもそれぞれの魅力がある。春は新緑の緑、夏は水しぶきをあげる渓流と滝の涼、秋は紅葉、冬は凍りついた滝の氷柱。 今回一番奥にある有名な七ツ釜5段の滝は大雨による土砂崩れが起き復旧工事中のため見られなかった。本来ならこんな滝が見られるのだが。 渓流を離れ、急登を上ると山道にでる。この道はトロッコ軌道跡で三富村と塩山駅を結んでおり、主に木材搬出に使わ

今日胸に響いた言葉84ー「孤児たちの悲しみをなかったことにはさせない」

(2023年10月14日付 朝日新聞「惜別」ー「戦争孤児の会」元代表 故金田茉莉さんの言葉) 金田さんは1945年3月10日東京大空襲で母親と姉妹を奪われ9歳で孤児になった。自身が戦争孤児だった過去については、50代ごろまで口を閉ざしていたという。大病を患い、いつ亡くなるかわからないという経験を経て学童疎開の記録を残す活動を始めたという。元戦争孤児を探し一人一人の証言を集める調査を独力で行なった。戦争孤児にとっては、 「語りたくない重い過去」 その証言を受け止められたの

今日ときめいた人83ー「いや、ときめいたのはこの人の演じる劇中人物の表情にである」と言った方がいいかも知れない。

         (タイトル写真はYouTube「チング」から転載) ー2019年37歳「愛の不時着」 ー2018年36歳「ネゴシエーション」 ー2017年35歳「スウィンドラー」「コンフィデンシャル」 ー2015年33歳「ジキルとハイドに恋した私」 ー2010年28歳「シークレット・ガーデン」「レイトオータム」 ー2005年23歳「私の名前はキム・サムスン」 ヒョンビンがどんどん若返っていく方向で彼の作品を見た。初めて彼の存在を知ったのが「愛の不時着」である。で、その時

憧れの銚子電鉄で犬吠埼灯台を見に行くー私の旅行記3

鉄ちゃんの間では人気のローカル線です。下の写真のような菜の花と電車の映像を見たことがあると思います。 何度も経営危機に見舞われながらアイデアと努力で電車を走らせています。それは電車に乗るとひしひしと伝わってきます。 車内アナウンスがユニーク。例えば、「本銚子駅」正式には「もとちょうし」だが、アナウンスでは「のぼりちょうし、ほんちょうし、もとちょうし駅に停車します」とアナウンス。思わず笑ってしまう。駅の駅名表示板にもそのように書いてある。「笠上黒生駅」(かさがみくろはえ)は

紅葉の始まった八幡平を歩くー私の旅行記1

10月10日の午後、「明日行こう」と決まったため、あわただしく準備を整える。宿泊先も取れなかったため、明日はテント泊。予定していたキャンプ地に向かっていた時、何年か前岩手山に登った時に使ったキャンプ場に遭遇。急遽変更してここでテントを張ることに。 何年ぶりかのテント泊(娘たちとはしょっちゅうキャンプをしていたのに。キャンプで子育てしたと言ってもいいくらい)。ついぞ夜空を見上げることもなかったが、昔よく探した「北斗七星」「カシオペア座」「オリオン座」をまた見つけることができ感

東日本大震災の地を訪ねてー私の旅行記2

仙台を出て海岸線を南に走る。道路沿いには津波が到達したことを知らせる標識が点々と立っている。 相馬市では458人が犠牲になったそうである。タイトル写真のお地蔵様は458体ある。 2011年3月11日から12年の歳月が流れた。美しい道路や整地された土地、でも無機質で人々の日常は奪われたままだと感じた。特に原発の事故で被曝した地域は放射能汚染問題が永遠の課題だと思う。 この資料館で見た津波が押し寄せてきた時の映像には涙がこぼれた。 ここから福島を後にして銚子に向かう。目的

今日ときめいた言葉82ー「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」

(2023年10月8日付 朝日新聞 日曜に想う「歴史に向き合う用意はあるか」記者 有田哲文氏の言葉から) 下記の記事は、朝鮮人虐殺にかかる松野博一官房長官の発言について衝撃と羞恥心を持って書いたものだ。 この記事「歴史に向き合う用意はあるか」は、不都合な歴史に対する我が国の政府とドイツ政府の向き合い方の違いについて、それぞれの政治家が発した言葉を通して書かれたものだ。 都合の悪い事実に対する日本政府の答弁の定番は、 「記憶にございません」 森友・加計問題では、 「

今日胸に響いた言葉81ー「知事の権限まで奪うなんて」

(2023年10月6日付 朝日新聞「もがく沖縄知事 重なる悩み」から) ー写真は朝日新聞デジタルより転載 この新聞記事のタイトルの言葉からして、すでに沖縄の基地問題を我が事ではなく他人事だというニュアンスが伝わってくる。社説で「我が事として考えよう」などと締め括ってみても虚しさが残るばかり。 かく言う私も同類である。78年以上私たちは沖縄の問題を見て見ぬ振りをしてきた。沖縄の問題に出会うたびに後ろめたさを感じてきた。 この記事は、辺野古移設反対という民意を三度否定し

今日ときめいた中秋の名月78ー満月と飛行機の影

(タイトル写真は、日テレNEWS画像から転載) 中秋とは旧暦の8月15日のこと。この日に見える月が中秋の名月だそうだ。だから満月とは限らない。2023年9月29日は中秋と満月が一致した、まさに満月の中秋の名月だった。次に満月と重なるのは7年後の2030年9月12日だそうだ。 月と飛行機の影。NHKのニュースを見ていてライブで流れた満月の映像に飛行機が横切りました。その一瞬の光景が心に残り、探してしまいました。