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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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#ウェルビーイングのために

今日ときめいた言葉90ー「客観性や数字的なエビデンスこそが真理だとされているが、経験が導く感覚の中にも真実はある」

(2023年11月1日付 朝日新聞 「こころのはなし 数値的なエビデンスなくてはダメ?」 現象学者 村上靖彦氏の言葉から) 「先生の考えに客観的な妥当性はありますか」と学生に聞かれるそうだ。 村上氏の研究は数値的な証拠を積み上げない内容なので、若い学生は数値データを使わないことに耐えられないのだろうという。 でも村上氏は語る。 「個人的な体験の中で感じたことはその人にとっても一つの真実です」 現代社会では、いつも数値的な根拠が必要で自分の経験や考えには価値がない気がし

今日ときめいた言葉89ー「難しいとしか言わない人は、大体において現状を変えたくない人なんですよ」

(2023年10月15日付朝日新聞 日曜に想う「少数派の痛み見ぬふりしない」中田喜直氏の言葉から) (タイトル画像は孫の作品❤️) あの、「小さい秋みつけた」「夏の思い出」「雪の降る町を」の作曲家 中田喜直氏の言葉である。妥協のない姿勢で闘い続けた人であったそうである。 「あなたひとりが頑張ってもどうしようもないのだ。そんな風に個の意志を冷笑する人たちが、やがて多数派という『権力』になっていくのだと」 「いつの世も己の心を殺すのは、弱い立場にある人々だ。傷つくのを恐れ余

今日胸に刺さった言葉87ー「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」「ロシア人を獣にしたのはテレビだと思います」

(2023年10月27日付 朝日新聞 「斜影の森から」ーメディアの沈黙と御用ジャーナリスト 元朝日新聞編集員 福島申ニ氏の言葉) (タイトルイラストはjp.123rf.comから転載) ◉「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」 スタニスワフ・レツというポーランドの詩人の言葉だそうだ。 権力と結んだメディアは民衆の耳目をふさぐ。不都合な情報は伝わってこないし、逆に国内でどんな悲惨なことが起きていても世界に伝わらない。今のロシアや独裁的な国々がそうであるように。 映画「

今日ときめいた人85ー中学生新聞を創刊した中学1年生

(2023年10月19日付 朝日新聞 「岸田首相に直接聞きたい。それならー」から) この中学1年生は、なぜ「日本中学生新聞」を創刊したのか?それは岸田首相に質問したいことがあったからだそうだ。質問とは、 「核兵器禁止条約になぜ日本は署名も批准もしないのか」 ということ。 修学旅行で訪れた広島で話を聞いた被爆者の女性に「今の政治に言いたいことは何ですか」と聞いたところ 「核兵器禁止条約に参加してほしい」 ということだったからだ。 広島で開催されるG7広島サミット(

2023年危険な夏ー我かく過ごしたり。未来の私への伝言

今年の夏は連日35度を超える日々が続いた。それも日本全国、北海道まで36度超え。東京は50日連続真夏日だそうだ。来年以降も現在の状況が続くのだろうか。(恐らく、そのように覚悟しよう!) 世界では山火事が頻発。「地球が沸騰している」と国連事務総長の声明が発せられた。かと思えば、大洪水が街を押し流すところも。地球が危ないと言うのに戦争なんてやっている場合か、プーチン氏。SDGsなどと言う人類の目指すゴールが吹っ飛んでしまったではないか。 そんな中でも私の日々の生活は地味に続い

今日ときめいた言葉56ー「孤独でいるために、まわりに人を必要とする」

(2023年6月11日付朝日新聞 「折々のことば 鷲田清一」から池内紀氏の言葉) 上記の記事によると、ドイツ文学者池内氏は自著の中で「音楽の都ウィーンのカフェは、孤独にふけるのにうってつけの場所である」と言っているそうだ。 「人々が無名のまま隣りあうこの場所でそっとおのれを解く(ほどく)。群衆の中に埋もれるかのように」と。 我々日本人が「孤独」と聞いて、イメージするのは否定的な意味合いを持った心理状態だろう。「孤独」について、tbsradio.comの記事が以下のように

今日ときめいた言葉25ー「世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない」

英語訳は、 There’s nothing as beautiful as dedicating one’s life for a cause. 上の日本語のフレーズは、「司馬遼太郎が日本の未来を憂いて小学生の国語教科書に書いた『洪庵のたいまつ』」からの引用文で、英文は依頼された人がそれを英語に訳したもの(洪庵とは緒方洪庵のこと。彼は優秀な若者を育てることに身を捧げたと言う話) (2023年2月26日付 朝日新聞 「窓」から) その教科書からの一文の翻訳を頼んだ人は、岩

今日ときめいた言葉20ー「私たちの魂がたった一回でも、幸福のあまり震え響くなら、その一度のためにはすべての永遠が必要だった」

ニーチェの残した言葉だそうだ。 「あなたが人生の中で一度でも、生の大きな喜びを味わうことができたならば、あなたは苦悩に満ちたこの人生のすべてを、神や真理という虚構に頼らずとも肯定できる」 (竹田青嗣氏の解釈ー2023年2月2日付 朝日新聞「明日へのLessonーフリードリヒ・W・ニーチェ“ツァラトゥストラかく語りき”から) 私はまともにニーチェの本を読んだことがない。哲学の授業などで講じられた概略的知識しか持たず、「ニヒリズムの人」と勝手に自分で決めつけ今まで顧みること

今日ときめいた言葉12ー「勝てないけど負けないを目指す」覚悟が問われる時代

(2023年1月1日付 朝日新聞「『覚悟』の時代に」宗教学者 山折哲雄氏の言葉) 日本人が覚悟を求められるときに使う言葉 ー「死ぬ覚悟で」 「死」と「覚悟」が結びついたのはなぜか? 戦のなくなった世の中で武士が主君にどのように忠誠を尽くせばよいのかを強調するために、死が注目されたと山折氏は言う。さらに転機になったのは「葉隠」で「観念的に過激化させた思想」が、 「武士道というは死ぬ事と見つけたり」 である。しかし、「葉隠」には、勇ましい形で死の覚悟を促す生き方の他に、も

今日ときめいた言葉9ー「日本人は日本語を実に粗末に扱ってきた」

「人間をある人間たらしめるのは、国家でもなく、血でもなく、その人間が使う言葉である。 日本人を日本人たらしめるのは、日本の国家でもなく、日本人の血でもなく、日本語なのである。それも、長い<書き言葉>の伝統をもった日本語なのである。 (「日本語が滅びるとき」ー英語の世紀の中で 水村美苗 著) それなのに我々日本人は、長い歴史を通して日本語を粗末に扱ってきたと水村氏は言う。1500年前は漢文(真名)に対する大和語(仮名)という下位に来る言語として、明治近代以降は西洋語に対す

謙譲の美徳、お好きですか?ー「ほめること・愛情表現」は出し惜しみせずに言葉にしよう🥰

「つまらぬものですが」「お口に合いますかどうか」「私の愚妻」「愚息」  人前で身内や自分に関わることを謙遜して表現すること。あなたも日常生活で使っていますか?(でも夫や娘については、それに相当する言葉が見当たりませんね) 結婚した頃、夫が私のことを人前で良く言わないことを不快に思っていた。二人の時はあまり気にもならなかったけど。だからその都度、夫には抗議していた。「そういうあなたは何様なんだ」と思っていたから。最近では、私が諦めたのか、慣れっこになったのか、夫が学習して言わ

我慢を手放すーmagic wand魔法の杖は、存在しないとまず心に刻もう!

悲しいけど、我慢を取り払う決定的な手立てはないと考えよう。人間社会にいること自体が、すでにストレスフルなことだと思うから。多かれ少なかれ、不本意な我慢は強いられるものと前もって覚悟した方がいい。その方が受ける傷を小さくできるから。 こんな時、いつも思い出されるのが、夏目漱石の言葉だ。 「智に働けば角が立つ、情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに、人の世は住みにくい」 かの文豪も人の世で生きることに苦労していたようだ。そして結果、胃潰瘍を患い亡くなっている。胃

「世間」という名の見えない圧力ー世間の目、気になりますか?

昔、オーストラリアでテレビを見ていた時、コマーシャルで、 「ちょっとお隣まで砂糖を借りに行って来るわね」 と言った後、車でビューンと走り去るというシーンがあった。家族で見ていてゲラゲラ笑った記憶がある。「お隣」の距離ってどんだけなんだと。 日本の「お隣」とはその距離感が全く違う。こんなスペイシーな空間で生きていたら人との距離感も日本人とは違うのだろうなとその時思った。物理的な距離感と同じように、心理的な距離感も日本人ほど緊密ではないのではないか、と。 日本人なら、「向

子育て最大の喜びは、思いがけない子供の一言に出会った時

恐らく多くの親たちが、この小さい子たちの思いがけない言葉に感動したり、笑わせられたり、感心させられたりした経験があるはずだ。もうすっかり忘れていたけれど、”baby’s diary”ー赤ちゃんの日記ーの中には、ちゃあんと残っている。「子供は詩人だ」と思った瞬間が。 長女の言葉 ーまさに長女のキャラクター。結構早熟タイプで賢い子だった。 ❶ ある日ボルネオのジャングルあたりをドライブしていた時、点在するビダユ族の住居を見て叫んだ。 “Oh, they are so BI