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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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#表現の自由

今日胸に刺さった言葉87ー「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」「ロシア人を獣にしたのはテレビだと思います」

(2023年10月27日付 朝日新聞 「斜影の森から」ーメディアの沈黙と御用ジャーナリスト 元朝日新聞編集員 福島申ニ氏の言葉) (タイトルイラストはjp.123rf.comから転載) ◉「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」 スタニスワフ・レツというポーランドの詩人の言葉だそうだ。 権力と結んだメディアは民衆の耳目をふさぐ。不都合な情報は伝わってこないし、逆に国内でどんな悲惨なことが起きていても世界に伝わらない。今のロシアや独裁的な国々がそうであるように。 映画「

今日ときめいた言葉79ー「独裁者のいない全体主義」

2023年9月30日付 朝日新聞 「近代日本メディア史 Ⅰ & Ⅱ」(著者 有山輝雄氏 メディア史研究者)についての書評からー 「独裁者のいない全体主義」ーこの著書にある言葉だそうだ。日本社会を的確に表現している言葉ではないだろうか。すごく納得してしまった。 「この国に独裁者はいない。しかし政権がきめたことが、たとえ少なからぬ人が首をかしげても、さしたる騒ぎにならず浸透していく。メディアはそんな社会を醸成してきた主要な仕掛けではないのか」と、この言葉を評者は解説する。

今日ときめいた人85ー中学生新聞を創刊した中学1年生

(2023年10月19日付 朝日新聞 「岸田首相に直接聞きたい。それならー」から) この中学1年生は、なぜ「日本中学生新聞」を創刊したのか?それは岸田首相に質問したいことがあったからだそうだ。質問とは、 「核兵器禁止条約になぜ日本は署名も批准もしないのか」 ということ。 修学旅行で訪れた広島で話を聞いた被爆者の女性に「今の政治に言いたいことは何ですか」と聞いたところ 「核兵器禁止条約に参加してほしい」 ということだったからだ。 広島で開催されるG7広島サミット(

未来のためにできることー「民主主義とは何か」と問い続けること

昨年書いた記事は、「善き人間であろうと学び続けること」ー私にとって「善き人間」とは「善良な市民」のことである。市民は自分が暮らす社会が平等で公平で自由であることに責任があり、それを維持して行く義務がある。次の世代もその社会で幸せに暮し続けられるために。 「個人は相互に自由かつ平等であり、それを可能にする政治・経済・社会の秩序を模索し続けるのが人間の存在理由です。民主主義をどこまで信じることができるのか、それがいま、問われています」(「民主主義とは何か?」宇野重規 著) 「

今日ときめいた言葉50ー文章術「スピードだけがサービスじゃない。言い切らない。断罪しない。文章にふくらみを。人格に奥行きを」

(2023年5月23日付 朝日新聞 「新聞記者の文章術」編集委員 近藤康太郎氏の記事から) 上記タイトルの言葉は、前にも取り上げた近藤康太郎氏による「新聞記者の文章術」という連載記事からのものです。 文章術について、先の記事で近藤氏は、 「他者はわたしに興味がない。厳然たる事実です」 と書き、文章を書くにあたり「謙虚であれ」と戒められた。 そして今回の記事では、上記の言葉「スピードだけがサービスじゃない。言い切らない。断罪しない。文章にふくらみを。人格に奥行きを」を

今日ときめいた言葉28ー「為政者と対峙するジャーナリズムは憲法が求める役割 鋭い追求こそが政治記者へのリスペクトをもたらす」

この言葉、ニューヨーク・タイムズの政治エディター、デイビッド・ハルブフィンガー氏の言葉だそうだ(2023年1月25日付 朝日新聞 論座の一推しから) 記事は続けて言う。氏がジャーナリズムの世界に入ったのは、 「『番犬(Watchdog)としての監視』が重要と考えたから。記者が取材源と親しくなり過ぎてへつらうリスクを指摘し、為政者に執拗に問いを重ねる『根性』がないなら『この仕事はやらないほうがいい』」と。 アメリカの民主主義への脅威が高まっているからこそ、番犬の役割もより

今日ときめいた言葉4ー「亡くなる前だからこそ一緒にいてあげたい」(絶望の香港を撮り続けた監督の言葉)

「権力による歴史の書き換えだけではありません。人は、記憶しておきたいことは覚えているが、そうでなければ忘れてしまったり自ら書き換えてしまったりするものです。集団にせよ個人にせよ、記憶は事実とは距離があります」   (2022年7月16日朝日新聞 チャン・ジーウン「絶望の香港を撮る」から) これは香港の映画監督、チャン・ジーウン氏の言葉である。チャン氏は、香港が一国二制度を踏みにじられ、自由を失い、市民が沈黙を強いられるなかで、5年がかりで映画「Blue Island 憂鬱之