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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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2023年7月の記事一覧

未来のためにできることー「民主主義とは何か」と問い続けること

昨年書いた記事は、「善き人間であろうと学び続けること」ー私にとって「善き人間」とは「善良な市民」のことである。市民は自分が暮らす社会が平等で公平で自由であることに責任があり、それを維持して行く義務がある。次の世代もその社会で幸せに暮し続けられるために。 「個人は相互に自由かつ平等であり、それを可能にする政治・経済・社会の秩序を模索し続けるのが人間の存在理由です。民主主義をどこまで信じることができるのか、それがいま、問われています」(「民主主義とは何か?」宇野重規 著) 「

今日ときめいた言葉63ー「世界に希望が残されているとしたら、それは名もなき人々の中にある」(ゲド戦記 作者の言葉)

(2023年7月26日付朝日新聞「こころのはなし」ー成果主義の社会 生きのびるにはー「ゲド戦記」翻訳者 清水真紗子氏の言葉から) この記事は、「成果主義の社会を生きのびるには」と題して、今そんな現実に苦しんでいる人に向けて書かれたものだが、余生を送る私にも刺さった。 人の一生、所詮大河の一滴に過ぎず、この世から消え去っても何の痕跡も残さないと思っていた私の考えを打ち消すような言葉であるからだ。 「世界に希望が残されているとしたら、それは名もなき人々の中にある」(「ゲド戦

今日ときめいた言葉62ー「なんで学校に行かないといけないの?」に答えられますか?

(2023年7月15日付 朝日新聞 「『素朴な疑問』が刺さる」から五味太郎氏の言葉) 子供にこのように尋ねられたらなんと答えますか? 学校教育にあまり期待をしていない私だけれど即答は難しい。私は下記の記事「再び日本の学校教育について〜人生で必要なことは、ほとんど家庭で教えられる」で、次のように書いた: 「私にとって学校教育とは、子供が生きるための知恵やスキルを学ぶための選択肢の一つである。それ故、むしろ精神形成の過程で、学校教育から受ける悪影響や一方的な意識の刷り込みを

今日ときめいた言葉60ー「子どもの声 気にして配った心」

(2023年7月8日付 朝日新聞 「飛行機で手紙『うるさいときは教えて』」から) この記事は、カナダから2歳と生後8ヶ月の二人の子供を連れて東京に向かう夫婦が機内で配ったキャンディーと耳栓と手紙(「二人の子供がうるさくしたら教えてね」という内容)を受け取った女性のコメントについてである。「この手紙が機内の空気を柔らかくした」と語っている。 「ああ、いまだに子連れは周りにこんなにも気を使うのね」とちょっと愕然とし、自分の子育て時代を思い出してしまった。1980年代後半のこと

今日ときめいた言葉59ー「体験しなければわからぬほど、お前は馬鹿か」

(2023年6月30日付朝日新聞 「斜影の森から」福島申ニから) この言葉は、「原爆の図」を描き、核の非人道を問い続けた丸木俊さんの言葉だそうである。「戦争や被爆の体験がないから平和を願う核心になる実感がない、という世代がいるが」という問いに対して、答えたものだそうだ。 人間の想像力や共感力を信頼しているからこそ発せられた言葉だと説明されている。 「実際に戦争で人が死ぬ悲しみ、人が焼け焦げるにおいがどういうものか」と言うことを想像できない議論は机上の空論だ」と言う佐藤優