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はたけしごと1年生

昨年、夏から少しずつ体調を崩していた父が年を越すことなく亡くなった。癌だった。

退職後に趣味で始めた家庭菜園。
近所の方に畑を借りて始めるや、凝り性の父はどんどんハマり農地を拡大。
作った野菜を美味しいと言われて、ますますやり甲斐を増していった。

病に倒れてからも畑が気がかりだったようで、
都度家族が畑の状況を伝えていた。
いよいよ身体が厳しくなってくると、「タマネギの苗だけでも植えて欲しい」と父。
自身で種から育苗したものだった。

私を含め家族は皆野菜づくりの知識はない。
そんな家族でも定植可能な方法を教えられ、私たちはそれをもとに植えた。

拡大した農園のなかでも、特に土づくりにこだわった畝があったようで「あの畝は他の人にはいじられたくないな…」と父は漏らした。

父の葬儀等々が落ち着いた年明け、秋以降手付かずになっていた畑の整理を始めた。
そのなかで、私はタマネギだけでなく他の野菜も作ることを決めた。

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