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ブランドバッグを手に入れた(後編)

ついに買ってしまった、ブランドバッグ。
元々は黒のクラシカルな形のバッグを狙っていたはずなのに、最終的にはまあまあ違う感じのバッグに行きつきました。
最初に思っていたものから変わったとはいえ、自分の気持ちに素直に、心から満足して購入できたバッグだと自信を持って言えます。

悩みに悩んだ末、このバッグにたどり着いた自問自答の記録。
書いているうちに5000字を越えてしまったので、前後編でお届けします。

(前回のあらすじ)
伊勢丹や三越のバッグコーナーを巡りいろいろなバッグを見るうち、バッグ迷子になってしまった私。
改めてどんなバッグが欲しいか考えたり、買う勇気が持てない最大の原因であるお金について考えるうち、買わない理由をクリア。
満を持してバッグを購入すべく、お店に行くことにしたのでした。


いざお店へ!

ついにバッグを迎えに行くべく、フェラガモの店舗に向かいます。
ブランドの世界観を味わえる路面店…も気になるのだけど、ポイントが貯まる魅力には抗えず伊勢丹に行くことに。
ただ少しでもブランドの空気を味わいたくて、ラグジュアリーブランドが並ぶ4階の店舗を選びました。

販売員さんとの会話を楽しむ

お店に入ると、すぐに穏やかで優しい販売員さんが声をかけてくださいます。
気になるバッグを伝えると、持ってきていろいろ見せてくださいました。

せっかくなので初めからしぼりすぎず他のバッグも見てみたいと思い、候補にはなかった色や形のものも持ってみる。楽しい~!!

バッグの持ち手は前後で微妙に長さを変えて持ちやすくしていること、皮革の修理や染色といったやアフターフォロー、イタリアブランドならではのこだわりなどの話を聞くと、モノの背後にあるストーリーが知れてまた楽しい!
販売員さんはこういった情報を伝えてバッグの良さを説明してくれるけど、必要以上に感情を込めることはなく、過度にアピールすることもありません。
強くアピールしなくても良さは伝わる、というような余裕を感じます。

そしてバッグの説明以上に、私自身のことを質問して掘り下げてくださいました。
・どんな色が好み?
・どんなシーンで使いたい?
・バッグで外せない要素は?
・なぜバッグを買おうと思った?
・普段どこで買い物をしているのか、なぜ伊勢丹に来たのか?
などなど。

いろいろ聞かれたけど戸惑いはなく、会話することが楽しいし、私のことを理解してバッグ選びをお手伝いしてくださるのが嬉しくて。
話しながらも自分の考えが整理されていきました。
優秀な販売員さんは優秀なコーチでもあるのかもしれません。

迷う。そして決断

結局、お店に行く前から気になっていた形の黒と赤の2択に絞り込みました。
めちゃめちゃ迷う。

完全に予定外だったツイリー(バッグに巻き付けるスカーフ)も紹介していただき、すっかり心が動いてしまい、バッグに合わせながらひたすら迷いました。
プリントの色柄が美しいツイリー、そもそもカラフルな色柄は大好物です。
巻いたり外したりして、バッグの表情を変えたらもっと楽しめそう。

あと、バッグをどれにするか決めきれず、ツイリーを巻いた姿で選ぶのもありかも!と思い、時間稼ぎ半分にいろいろ合わせてみていたのは秘密。笑
ひたすら迷っているだけの時間をうまく文章化できないけど、お店には1時間以上滞在してたから、かなりの時間を迷うことに費やしたはずです。

黒と赤、それぞれに一番好きな組み合わせのツイリーが決まり、いよいよこの2択だとなり。
えいやっと両手に持って鏡の前に立ってみました。


その瞬間、私の心は決まった気がします。
(実際に決断するのにはあと少し時間がかかったけど)




赤のバッグに決めました。

決めた後は嬉しくて自然と笑顔になってしまって、
お金を払うときも、出費の怖さより圧倒的な達成感がありました。

一般的に、赤いバッグは何にでも合わせられるアイテムではないと思います。
いろんなところに持っていきたいと言ったとき、最初におすすめされたのも黒のバッグでした。
実際黒バッグは、私にとってなんにでも合わせられる万能バッグだと思っています。

でも、自分が心から気に入ったファッションアイテムたちと合うのならそれでいいのです。
ベーシックな色や形でなくても、自分がヘビロテできるものなら、それは自分にとっての「定番」「一軍」のアイテムなのだと思います。

バッグを手に入れて

どうして購入に踏み切れたのか

なぜ今、半年間ためてきたお金をつぎ込んでバッグを買ったのか?
高価なものを買おうと決意する、決定的な出来事があったわけでもありません。
正直に言うと深い訳はないのです。
ただただ、ブランドバッグを魅力的だと思い、手に入れたいと思っただけ。

以前の私なら、同じ金額のお金を使うなら海外旅行をしたと思います。
でも、この2年ちょっとの間は旅行する機会がほとんどなく、旅行しないことにもすっかり慣れてしまいました。
旅行は好きだけど、旅行できなくても別の楽しみを見つけることができる。
シンプルに、旅行の優先順位が下がりバッグの優先順位が上がった。それだけのことです。

この半年間で、ブランドバッグに憧れ、手に入れるなら何がいいか真剣に考え、地道に働いて稼いだお金がバッグを買えるくらいに達した。
憧れを形にするため、ちょっとした行動を積み重ねていくうちに自然とその時が来ただけのこと。
継続は力なりってこういうことなのかも。

これまでの私は、時間をかけてお金を貯めて何かを買うという発想はありませんでした。
毎月自然と入ってくるお給料や、半年ごとに入ってくるボーナスをなんとなく貯めて、なんとなく「今これだけのお金であれば使ってもいい」と思えるだけの金額を使うだけ。

また、半年もの時間をかけ、自分が本当に満足できるものを突き詰めてから買うという経験もありませんでした。

私はこれまでも衝動買いは少なく、考えながら買い物をしてきたつもりでした。
でもブランドバッグは、今までにないほどに突き詰め、考え抜いた末の買い物だったと思います。
様々なブランドを見て、ストーリーを知ったりビジュアルから世界観を味わったりしたこと。
何度も足を運んで現物を見ながら、自分がどんなものが欲しいのかを真剣に考えたこと。
迷ったけど、時間はかかったけど、本当に楽しかった。
やっぱりファッション好きだな、楽しいなと思えました。

バッグを買うに至る決定的なイベントはなかったかもしれない、でも私にとっては、その全ての積み重ねそのものが特別な出来事だったように思います。

私のバッグはなんの歌?

真っ赤なフェラガモの袋を肩にかけ、足取りも軽く家に帰りながら。
このバッグを手に入れた私は何の歌を歌うだろうか、と想像してみました。

↓私の中で、ブランドバッグと言えばこちらのnote。

高価なバッグを買う人たちは、心の中で演歌を歌っている、という、ブランドバッグのエモさを存分に味わえるnoteです。
界隈では「演歌バッグ」なんて言葉もあるくらい、まさにブランドバッグ is 演歌なのです。

でも私の脳内に流れたのは、演歌ではなくレ・ミゼラブルの「民衆の歌」。
これまで頑張って働いて、流してきた血(比喩)と引き換えに手に入れた赤いバッグ。
私はこのバッグを携えて、自由を手に入れるんだ!革命を起こすんだ!
そんな気持ちが音楽になって流れてきたのでした。
(勇ましい曲だけど、先ほどのnoteでいうところの鎮魂歌パターンと思われます)

自由といっても、生活のために働かなくて済むようになろう、欲しいものを全て手に入れたい、などとはちょっと違います。
革命といっても、誰かと戦って何かを勝ち取ろうとはしていません。

手に入れたいのは、自分の内面的、精神的な自由。
好きなものを身に着けよう、自分の気持ちに正直に、やりたいことをし、思っていることを素直に表現しよう。
内面的、精神的な自由を得るため行動を起こしていこう。
そのための第一歩が、このバッグを手に入れることだった気がします。

赤色でそれなりの容量があるバッグなら、夢をいっぱい詰め込んで、私を自由な世界に連れて行ってくれそうです。

最後になりますが写真を。(本音:私が全力で選んだバッグを見て!!)

写真では伝わりきらない魅力

本物はもっともっと素敵!見てるだけで自然と笑顔になってしまいます。(親バカ的心境)

このバッグを相棒にして、いろんなところに出かけたいと思います。
これからよろしくね。


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