フォールディングバイク四国一周記(未完)

 2021年以降、Dahon Dove Plusにて四国一周にチャレンジしています。
 簡単ではありますが、以下にその記録を残しておこうと思います。

2021年0日目 大阪南港~東予港

 四国までのアクセスにはフェリーを選択しました。自由に行動できる期間は限られているので、平日夜に出発し、休日初日の早朝に四国に着けるというのは大きいです。
 内部のレストランで晩ごはんを頂きました。ただ出発が遅めなので、自宅かフェリーターミナル最寄り駅までに外食しておいた方がよかったようです。味は、フェリーであることを思えば普通です。相当混んでいました。
 到着までの間は基本的に暗闇の中を進みますが、明石海峡大橋くらいまでは夜景を楽しめます。明石海峡大橋の通過予定時刻の案内も出ており、甲板(屋上?)に出ると何人もの方が夜景を楽しんでおられました…が乗客数に比べると少なめでした。
 客室はシングルを選択しました。寝るには十分なサイズでした。鍵は内側からしか掛かりませんが、船内に貴重品ボックスだかロッカーだかがあったので、問題はありません(まさかでっかい自転車を盗っていく人がいるとは思えないし……)。

1日目 東予港~四国中央市(川之江)

 午前6時頃、東予港着。しばらく船内にいられるので、ゆっくり準備をして、午前7時の壬生川駅送迎バスに乗りました。港からスタートしても良かったのですが、港湾周辺は歩行者や自転車の走行を想定した設計になっていない印象があり、避けました。しかし早朝なので気にしなくて良かった気がします。
 バスにはしまなみ海道を走るという方がおり、しばし歓談しました。
 
 自転車四国一周には公式ルートがあり、基本的に道路にその旨が示されていますが、壬生川駅はそのルートから外れています。よって壬生川駅到着後、公式ルートに復帰しないといけないのですが……まったく土地勘がなかったためにだいぶと苦労しました。ナビを見るためのスマホホルダーを導入するきっかけになりました。

 この日は非常に足が重たかったことを覚えています。寝不足に加えて、コロナ禍での運動不足、工業地帯ゆえの交通量の多さ、そして朝食の補給忘れ、加えて当時痛めていた左肩が疼痛を発しだし……本当に大変でした。
 そのせいなのかどうかはわかりませんが、途中黒島に寄り道した際、時刻表を勘違いして1時間待ちぼうけを食らってしまいました。しかしこの島にはおいしいハード系のパン屋「ジャックのパン屋」があります。食べながらのんびりと待ちました。いい休憩にもなった気がします。

 黒島から帰還後、公式ルートは小さな峠に到達します。スポーツ用の自転車なら問題ない程度ですが、私は素直に降りました。Dove Plusは車体が非常に軽いので多少の坂にはシティサイクルより強い一方、タイヤが転がらないので4%くらいの傾斜でもうしんどくなってきます。私の脚が弱すぎるだけのような気がします。
 峠を抜けたあとは片道一車線の道路を進みます。ここも非常に交通量が多く、精神的に疲弊しました。
 
 16時ごろ、四国中央市「ホテルセレクトイン四国中央」に着きました。カレーの無料サービスがあり、助かりました。また、部屋が思ったより広かったような気がします。
 ただ近所にドラッグストアがなく、湿布すら購入できないまま翌日を迎えることになってしまいました。

 総走行距離は70kmくらいです。運動不足の身体にはいきなりキツすぎましたかね。

2日目 四国中央市~坂出市

 この日はたしか8時30分くらいにホテルを出ました。昨日に引き続き交通量の多い道路を抜けて行かなければならないため、なるべく道路が空いている間に進みたい、という狙いです。また寄り道スポットが多く、時間を確保したいという面もありました。
 すぐ「道の駅とよはま」に着きました。ゆゆゆのイラストがプリントされた自販機や看板があり、息が長いなあと感じたのを覚えています。
 ここでは土産品と茶葉を購入しました。肩が痛いのに荷物を増やす愚行です。しかし四国でも茶葉が生産されているとは、ここで出会うまで知りませんでした。気温が低すぎず、かつ山があればどこでも作れるんですよね。
 10時30分頃、道に迷いながら(右折でも左端のレーンに案内が示されている、ということを当時は知らず、交差点を素通りしてしまいました)、「琴弾公園」に到着、休憩を取ることにしました。ここには非常に大きな寛永通宝の砂絵があり、見ると金運が上がるそうです。さっそく馬券を買いましたが、外れました。また今のところ、貯金が増える傾向は見られません。あまり信じないほうが良さそうです。
 せっかく香川に来たので、近隣の「かじまや」というところや、通過点にあった「501UDON」で讃岐うどんをいただきました。「かじまや」はうどんは当然、おでんも人気のようで、常連の方が2、3本ばかり取って食べていました。「501UDON」ではすだちうどんをよばれたと覚えています。閉店されてしまったようで残念です。
 またこのあたりは道路が海岸の近傍を通過しているため、なかなか風景が綺麗です。肩の痛みはまるで変わりませんでしたが、疲れは少し取れたようでした。
 峠を超え、「津島神社」を通過すると、再び市街地に入ります。昨日に引き続きへとへとで、「うちわの港ミュージアム」や「四国水族館」で休憩を取りながら進む形でした。
 「うちわの港ミュージアム」は小さいといえども入館無料で驚きました。せっかくなので買って帰ろうかと思いましたが、無事に持ち帰る自信がなく、泣く泣く断念……。「四国水族館」は完全にファミリー向けの水族館という印象でした。
 ホテル周辺にスーパーがないのは分かっていたので、四国水族館近隣のイオンで食料品を購入しました。非常に疲れていて、茹でられないのにうどんを買ったり(湯通しして食べましたがオススメできない感じになってしまいました)、一部購入品をリュックに入れぬまま店を出てきてしまったり、散々でした。
 公式ルートの高架橋を避け、絶対に観光客向けに勧めてはいけない細い道を抜けつつ、17時半ごろ、「坂出グランドホテル」に到着。
 近所のスーパー銭湯の無料券をもらったにも関わらずホテル内の大浴場を使ってみましたが、清掃されていたとはいえ相当に傷んでいました。素直にスーパー銭湯を利用したほうが、ホテルのためにもよかったのかもしれません……。

 総走行距離は55kmくらいでした。 

3日目 坂出市~東かがわ市(白鳥)

 この日も早く出たかったはずなのですが、午前9時を回ってしまいました。いよいよ疲れが溜まっていたようです。速度も、朝にも関わらず時速10kmちょっとしか出ていませんでした。
 瀬戸大橋や瀬戸内海を眺めたり、地元の農家さんを軽く助けつつ12時ごろに高松市の中心に入りました。本当なら11時に着いて、屋島を軽く一周しようと思っていたのですが……「四国村」のほかはすべて断念し、代わりに骨付鳥をいただきました。スパイシーで脂っこく、昼というより夜に食べたい味でした。
 「四国村」は建築博物館――野外なので「館」ではないのですかね?――で、江戸~明治あたりの民家が、山麓に多数移築されています。相当な規模で、ゆっくり見て回ったら1日掛かるほどです。面白かったのですが、余計に体力を消耗したことは秘密です。
 四国村を出たあともそれなりに走ったのですが、「道の駅源平の里むれ」でソフトクリームを食べたほかはなにも思い出せません。ソフトクリームを食べたということは、固形物が食べられなかったということです。疲労困憊だったのでしょう。
 18時前、「HOTEL AZ 香川東かがわ店」に着きました。洗濯だけしてさっさと寝たような気がします。近隣に同一規模のスーパーが2つ並んでいる謎の施設があり、不思議でした。

 総走行距離は65kmくらいでした。

4日目 東かがわ市~阿南市

 この日は7時過ぎにホテルを出ました。
 次の宿泊施設の都合上、この日は今までにない距離を走る必要があり、とにかく早く出なければいけなかったのです。疲れてるのに……
 ただホテルを出てすぐ北灘の「うずしおロマンチック海道」に差し掛かったのは幸いでした。地元観光案内所もおすすめの快走路で、信号少なく、風景も楽しめます。途中の「きたなだ海の駅」には猫カフェもあります。朝早すぎて開いていませんでしたが、ネコチャンが寝ていました。
 しばらく走った後、渡船で大鳴門橋方面へ向かいます。明らかに地元民向けの道を抜け、本当は大鳴門橋まで辿り着きたかったのですが、最後の最後にとんでもない坂があるのを見て引き返しました。時間・体力ともに厳しい……。
 無念の帰路の途中、飲み物がなくなってしまったので通りがかりのヤマザキショップに立ち寄ろ……うとしたらヤマザキショップの建物を転用した会社の事務所でした。でも飲み物だけは売られていて助かりました。
 渡船で四国本土に復帰後、徳島市内に入って「中華そば かわい」でラーメンをいただきました。本場徳島ラーメンで、たいへんおいしかったです。
 このあと公式ルートに沿って走り、徳島市役所に到着しました。四国一周を優先する場合は特に寄らなくて良かった気がします。前後を含め、道がややこしいので。海岸沿いを重視しないのであれば、シンプルに国道11号・55号を走ったほうが良いかもしれません。
 休憩をはさみつつ、ひたすら南進し、17時頃に「ビジネス・イン 一楽」に着。イヌチャンがいるとのことでしたが、この日はいらっしゃいませんでした。代わりにオーナーさんが阪神戦を見ながらゴルフの練習をしていました。ロビーにトレーニングマシーンがある面白いホテルでした。

 この日は無事に自己最長記録の85kmを走り切りました。100km走って当然の世界ですが、ミニベロなので少しは褒めてほしい。

5日目 阿南市~海陽町(宍喰)

 前日夜、私は標高図やストリートビューを見ながらずっと考えていました。
 この先の峠2つ、ミニベロじゃ無理じゃね、と。
 ただの峠なら歩くのですが、なんといっても相手は国道。交通量が多く、山間で歩道もなく、お遍路の道ではありますが、ちょっと危険ではないかと。
 10分ほどの逡巡の末、諦めて阿波橘駅から汽車に乗ることにしました。まあこういう事ができるのも、フォールディングバイクの長所ということで…(言い訳)
 日和佐で途中下車し、「日和佐うみがめ博物館カレッタ」に向かいます。ほぼ亀に特化した水族館で、うみがめについてたいへん勉強になる施設です。
 日和佐の南にある峠はバスで越そうと考え、「阿波尾鶏中華そば 藍庵」でラーメンを食べたり(都会風の味だと思ったら東京に姉妹店があるそうです)、薬王寺に参拝などし、発車数分前にバス停に到着したところ、既にバスは出発してしまっていました。
 ……高速バスだったので乗客がいなければ通過もやむを得ないです。田舎ではよくあることです。結局、汽車で牟岐まで向かいました。本当はDMVに乗りたかったのですが、運行延期されてたんですよね。確か。
 牟岐からは海岸沿いをのんびり走り、17時頃、宍喰の「Pavilion Surf & LODGE」に到着しました。ロッジは初めてでしたが、オーナーや従業員の方に暖かく迎えていただけました。いつかマリンスポーツをしたくなったらここに来ようと思います。
 せっかく共用キッチンがあったので、町中の「ショッピング大黒」で肉などを買ってきてビーフンを作りました。

 この日の総走行距離は25kmです。

6日目 海陽町~室戸市

 もっとも過酷なエリアを気合と公共交通機関で突破したので気が楽だったはずなのですが、なぜか9時に出発していました。理由はわかりません。寄り道が多くなりそうだったので、早めに出たのかもしれません。
「海の駅 東洋町」で昼食を確保後、ひたすら海岸沿いを南進します。最初は砂浜が多かったのですが、いつのまにか岩石がゴロゴロ転がっているような海岸になっていったのが面白かったです。
 このあたりはお遍路においてもっとも過酷な道のりとして知られており、なにせほとんど集落がないものですから、宿泊はおろか補給さえままなりません(10km以上自販機すらないエリアもあります)。さらに今でこそ歩きやすい道路が整備されていますが、昔は道らしい道すらなかったようです。
 空海上人をはじめ多くの方々が行ったであろう修行に思いを馳せながら30kmほどを走り抜けました。
 昼過ぎに「むろと廃校水族館」に辿り着きました。ここは世にも珍しい廃校をそのまま水族館にしたところで、展示にユーモアが効いていて規模の割に楽しめるところです。この日はたまたま高知方面の中学校か高校かの遠足だったようで、巻き込まれてどうなるかと思いましたが、礼儀正しい方々でした。
 手順に「室戸世界ジオパークセンター」や最御崎寺に参拝後、16時頃室戸岬に到着。正直ちょっと早かったですが、地元民(猫)と戯れたりしているうちに自然と時間が経っていました。この日の宿は「うまめの木」という民宿でした。おいしいごはんをいただきつつ、偶然一緒になった自転車乗り(同じく四国一周されていたようです)の方と将棋の話をしていました。

 この日の総走行距離は40km強です。

7日目 室戸市~安芸市

 朝食をいただいたのち、9時過ぎに出発。この日はずっと逆風で、相当に苦しんだせいか、道中のことがあまり思い出せません。交通量も多く心身ともに疲れ気味でした。ハーフクリップを固定するためのネジを落としてしまったので、途中で確保しながら西進した気がします。そういえば急に曲を思いついてiPadでスケッチした気もします。……書いているうちにいろいろ思い出してきましたね。
 昼食は北川村にある「いごっそ」というラーメン屋さんを考えていたのですが、あいにく定休日。「北川村「モネの庭」マルモッタン」まで往復したあと、奈半利町の駅前にある「イタリア食堂 トンノ」でいただきました。
 マルモッタンはフランス・ジヴェルニーにあるモネの家の庭を再現しているところらしく、なかなか綺麗でした。睡蓮の季節を外してしまっていたのはちょっと残念でしたが、仕方ありません。平日にも関わらず男女のカップルが多く、ある意味疲れました。なんかごめんね。
 奈半利川の西側にある「田野駅」は面白いところで、ごめん・なはり線の駅・道の駅・バス停が一体となった最強の駅です。まあそんなこと言ったら「奈半利駅」も物産館と一体になっているから似たようなものなんでしょうか……。田野せよ奈半利にせよ時間があればもう少しいろいろ見て回りたかったのですが、そこまでの余裕がなかったのは残念でした。
 17時頃、安芸市の「東風ノ家」に着。古民家に私一人、静かな夜でした。せっかくなので夕食は「はっしゃん」という居酒屋で地のお酒などをいただきました。疲れていたせいか異常に酔ってしまいました。サイクリング後の飲酒には気をつけましょう。

 この日の総走行距離は50kmほどです。

8日目 安芸市~高知市(中断)

 9時に出発したかったのですが、前日のアルコールが抜けきらず、起きたのが9時過ぎでした。宿の方にはご迷惑をおかけしてすみません。
 この日はひたすら走って高知から一旦帰宅するだけの予定でした。ただそれではさすがにつまらないので、いちおう「安芸市立歴史民俗資料館」に寄りつつ、安芸市内を1時間ほどポタリングし、地元のお茶なども購入しました。おいしいお茶でしたが、ホステルの人によると跡継ぎがいなくて苦しいようです。
 あとはなにも考えずひたすらペダルを漕ぎました。香南市の市街地に入るとルートがややこしく、苦労しましたが16時頃に高知駅着。うどんをいただいてから帰宅しました。
 翌日は一日寝ていた気がします。

 この日の総走行距離は50kmほどです。

2022年9日目 (再開)自宅~高知市(浦戸)

 特急などを乗り継ぎ、11時半頃に高知到着。徳島南部に並ぶ難関エリアへの挑戦とあって緊張していました。
 初日は移動疲れもあって走行距離自体は控えめに、「大川筋武家屋敷資料館」や「高知県立高知城歴史博物館」など、観光をメインにしました。高知城歴史博物館はぜひ高知城とセットで回られることをおすすめします。チケットが非常にお得です。
 昼食はひろめ市場で食べるつもりだったのですが……異常に人がいて断念しました。旅行中に感染したのでは各所に迷惑がかかってしまいますから、仕方ありません。先に高知城に行くなどして昼食時を外したはずなんですけどね……。
 高知市街を徘徊したあとは浦戸方面に向かいます。途中、高知競馬場の横を通過したものの、ちょっと時間がなくて入れませんでした。残念です。浦戸では桂浜水族館に行くつもりだったのですが、運悪く臨時休業の日でした。これまた残念です。なんとも言えない再開1日目でした。まあ桂浜の荒波を見れたのは良かったですかね……。
 18時頃、宿泊施設着。民宿が軒並み埋まっていてラブホに泊まることになってしまったので、施設名は申し上げられません。ていうか1人で使ってよかったのかな。空いてたからいいか……。ごはんが普通においしくて驚きました。2食付きだと思えば許容範囲の値段でした。

 この日の総走行距離は30kmです。

10日目 高知市~四万十町(窪川)

 9時半頃に宿を出発。ひたすら海岸沿いを行きます。観光施設がいろいろあったようなのですが、朝でどこも開いておらず入れなかったのはちょっともったいなかったです。宇佐湾に入った途端、海が静かになったのは驚きました。体力と脚があれば横浪黒潮ラインを走っても良かったのですが、さすがにやめておきました。
 12時頃、須崎市に着きます。ここには「鍋焼きラーメン」というものを供しているお店がいくつかあり、この日は「まゆみの店」というところでいただきました。一瞬は不思議な食べ物だなあと思いましたが、中華麺は伸びにくかったはずなので、うどん同様に鍋焼きにするのに向いているのかもしれませんね。おいしい和風中華そばでした。
 途中、安和駅では「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」に出会えました。直前の峠で列車が通過しているのを目撃しており、観光列車ならしばらく停車するから次の駅で見れるんじゃないか、と踏んだのが大当たりでした。まあだからなに、と言われたら返す言葉もありませんが……。
 そしてその直後に悲劇が訪れます。当初の予定では長い峠越えを回避して、海岸沿いの県道320号を走るつもりでしたが、なんと通行止め。いやもしかしたら走れたかもしれませんが、七子峠をバスでエスケープする予定だったので、ギャンブルができなかったんですよね。大変な思いしながら安和の峠を歩きました。
 15時過ぎに久礼に到着。本来なら市場か道の駅かに行く時間があったはずなのですが、なんの余裕もなくバスに飛び乗って七子峠へ。一人旅で気味悪がられたか、あるいは単に暇だったかで運転手さんや地元の方とお話した後、16時に七子峠を出発。あとは気が楽なもので、仁井田川沿いにゆるゆると下っていきました。どうもお米の名産地のようでした。
 道の駅で豚まんを食べたりしながら、18時に宿泊地である「ファミリーロッジ旅籠屋・四万十店」に着。ファミリーロッジですが1人でも使えました。
 なおこの日の晩、台風が接近しているということで、土佐清水市の宿の方からキャンセルの連絡を受けてしまいました。まあ結局は台風来なかったんですけど、しかたないですね。

 この日の走行距離は62kmです。
 スマホホルダーを導入したのでかなり正確な数値が出るようになりました。
 あとたぶんこのあたりでホルダーの固定が十分でなく、スマホを道に叩きつけて画面を割ってしまったのですが、はたして、どこだったか……。

11日目 四万十町(窪川~十川)

 チェックアウトが11時まで可能だった(のと昨日のキャンセル連絡が結構ショックで凹んでいた)ので、のんびり休んで10時半出発。四万十川沿いに下っていくだけの日で、時間に余裕をもたせなくてもよかったというのも大きいかもしれません。
 窪川まではそこそこ車が多かったのですが、中村方面に抜けたい車は国道56号に行くのが普通ということもあって、国道381号の分岐点からはほぼ誰もいなくなり、道路が貸し切りという自体に。たいへん楽な思いをしました。
 当然ながら速度も出ます。時速20kmほどで走った結果、想定よりも早く昼過ぎに「道の駅 四万十大正」に到着。うなぎをいただきました。川でとれるんでしょうか。あるいは四万十川の水で臭みを取っているのかもしれません。うなぎは取れたてだと泥臭いので、しばらくきれいな水で飼育する必要があるんですよね。沼津とか三島にうなぎの名店があるのはそういう理由です。
 またここには「四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター」という施設があり、なんとなく入ったら施設の方が暇で暇でしょうがなかったのか、2時間ほどさまざまなことを教えていただきました。なんならお茶もいただけました。600円でこれは赤字では……? ナショナルトラストと言ったら沼津近辺でも柿田川湧水あたりで行われており、なんとなく身近な気がしました。
 15時半頃、大正町を出ます。この辺にダバダ火振の本社があるそうなのですが、去年に奈半利町で購入していたため、素通りしてしまいました。なぜ奈半利町で……?
 駅ナカに登山道への入口がある土佐昭和駅や、生活に必要なものが全て揃う「ライフショップまつした」などを通過後、17時半に十川に到着。おもったより早く着いてしまったので、「みよき食堂」で唐揚げ定食をいただきました。もう少し遅い時間に行くとお店の主みたいな方と酒盛りができるそうなのですが、ちょっと早くてまだ始めたばっかりだったようなので、軽くお話をするだけに留まりました。
 この日の宿は「かっぱバックパッカーズ」というところでした。たいへんお人柄の良い方が営まれており、地域の方に愛されている場所でした。あとここでボラという魚のイメージが変わりました。田舎のボラはおいしい。マジで。
 
 この日の総走行距離は46kmでした。
 そういえば宿に『ささめきこと』がおいてあったのですが、どうしてなんでしょうか。高知、関係あるんでしたっけ……?

12日目 四万十町~四万十市(中村)

 台風のせいで天気を心配していたのですが、この日はほぼ晴天。少なくとも中村までは行くことを決めて、10時に宿を出ます。もう1泊ぐらいしたかったな。
 スタートから5分で「道の駅 四万十とおわ」を見つけたのでさっそく休憩します。アイスなどをいただいたはずです。
 この日も引き続き四万十川を下るだけなので気軽なものでした。順調に走り、昼前に「道の駅 よって西土佐」で恐ろしい量の野菜炒めを食べ、沈下橋などもなんとなく渡ってみたりしたところで、なんだか、雲行きが怪しくなってきます。天気のことではありません。道のことです。国道であるはずなのに、道の真ん中から白線が消え、道幅が狭くなっていきます。……ここ国道441号は、いわゆる"酷道"でした。天下の439ほどでないとはいえ、観光需要で地元民以外が利用したり、あるいはバス道であることを考えると、これはなかなか大変なことです。
 しかしこの日は平日なのが幸いしました。休日は他県の車が増えてとても走れなくなるんじゃ……。しかしまさか自転車で離合したり対面の通過待ちをすることになるとは思いませんでした。なお路面はきれいでしたので、酷道初心者におすすめです。
 ちょっとビビりながら無事に酷道を走りきり、15時半頃、中村市街地に入ります。あまりにも早かったので「四万十川学遊館」というところに行きました。ここは水族館と捉えると少々規模が不足していますが、学習施設と捉えると、恐ろしいほどの情報量で驚きです。四万十周辺の生き物の飼育展示のほか、大量の標本や資料が展示されています。本気で向かい合ったら1日かかるのではないでしょうか。
 この日の宿は「ビジネス&リゾート ホテル ココモ」でした。Googlemapだと評価が低くてちょっと怖かったのですが、どうもリニューアル前の評価があんまり良くなかったようで、宿泊時点では、値段なりの十分なホテルに変わっていました。まあ地方なので建物が古いのは仕方ないですね。

 この日の総走行距離は55kmでした。

13日目 四万十市~土佐清水市~宿毛市

 朝起きると雨が降っていました。いちおう雨具を用意していたのですが、土佐清水市での宿がなくなっていたこともふまえ、バス移動を選択しました。このあたりはいつかリベンジしたいと思っています。
 11時頃、土佐清水市に到着。引き続きバスで足摺岬に移動、12時すぎに目的地着。途中のバス道が新道ではなく旧道を走っており、奈良で八木新宮線に乗ったときのことを思い出していました。本当にバス一台ギリギリの細い道をスイスイ走っていってびっくりするよね……。1時間ほど散策の後、一時的に雨が上がっていたため、ジョン万次郎資料館までは自転車で移動することにしました。
 ただこれがよくなかったか、清水市市街地を抜けたあたりで強い雨に襲われます。かくとなってはこちらも引けませんので、雨具を着て強行します。当然走行速度は落ちますから、ジョン万次郎資料館にあまり時間を掛けられなくなってしまいました。なかなかの施設で、30分で回るのはちょっともったいなかったかもしれません。
 16時頃、「足摺海洋館 SATOUMI」に着きます。ここ単体だと普通の水族館といった趣ですが、周辺の観光施設も合わせて楽しむと、格別の体験になるような気がします。「気がします」というのは、時間的に足摺海洋館しか行けなかったので、詳しいことは分からないということです。
 閉館後しばらく待ってからふたたびバスに乗ります。運転手さんが足摺岬へのバスと同じ方でした。降りる時に視線を感じました。そらそうや……。
 19時に宿毛に到着。迷いながらも本日の宿「ホテルアバン宿毛」に辿り着きました。外見はいかにも昭和でしたが、中身は相当に新しくなっており、おすすめのホテルです。
 この日の晩御飯は「中華料理 アルズ」というところでいただきました。たいへんおいしいところだったのですが、当時のバイトの方が「イベルメクチンでコロナ予防できるんや~」とか言っていたのが気になりました。肝臓とかを悪くしていないか心配です。もう治験結果が出た今では信じている人はいないと思いますが、コロナには効きませんので、ご注意ください。

 この日の総走行距離は24kmでした。

14日目 宿毛市~宇和島市(中断)

 翌日からは雨予報でどうしようもなさそうだったので、予定を切り上げて宇和島で中断することにしました。となると走る元気が湧いてこず、この日もバス移動。途中で非常にお手洗いに行きたくなり、公衆トイレを調べて途中下車。幸い天気良く、自転車で宇和島まで行くことにしました。海岸沿いに山の中、市街地と風景の変化に富んだ好ルートでした。
 14時前、「道の駅 うわじま きさいや広場」に到着。遅めの昼ごはんとして回転寿司店に入りましたが、今から考えると宇和島なので鯛めしのほうが良かったような気がします。まあ宇和島風鯛めしは沼津で食べられるので……。
 そして宇和島駅から特急に乗って帰還しました。
 ……でこのまままっすぐ帰られればよかったのですが、ゲリラ豪雨で列車がストップ、本州に帰還することができなくなり、やむなく丸亀で一泊することになってしまいました。おしまい。

 この日の総走行距離は24kmでした。

to be continued…

予定
15日目 自宅~十川
16日目 十川~八幡浜市(一部、鉄道でエスケープ)
17日目 八幡浜市~松山市
18日目 松山市~今治市~西条市(だいたい一周達成!)
19日目 しまなみ海道・ゆめしま海道
20日目 大三島~大久野島~竹原
21日目 竹原~とびしま海道~呉(帰宅)
四万十~宿毛~宇和島間はいつか走ります。

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