第22章 「宝くじの1等が当たる裏技」
「学問こそが最高の娯楽である」シリーズの第22章。このシリーズは毎週土曜日18時前後にアップします。
今回は耳より情報です。
宝くじが当たる裏技についてです。
1. 宝くじが当たる確率
さて、年末ジャンボ宝くじが11月21日から販売開始だそうです。
もう1ヶ月きりましたよね。
1等はいくらもらえるのか気になったので調べてみたんですが、前後賞を合わせて10億円ももらえるそうです!
すごいなー。
夢あるなー。
でもこれ、どれくらいの確率なんでしょうかね?
ということで、ホームページで調べてみました。
https://www.takarakuji-official.jp/
去年の年末ジャンボを参考に見てみると組数が200組、番号が6桁あるようです。
番号はそれぞれ0~9までの10通りあって、組数とすべての桁の数字が一致すれば1等大当たりというシステムのようですね。
と言うことは、当たる確率は
低い!
2億分の1って・・・。
これは当たる気せえへん。
ちょっと低すぎないかと思ったので、改めて調べ直したところ、どうやら番号の百万の桁は1で固定のようです。
なので、実質百万の位は飾りみたいなもので意味を持たないので、番号は10万通りですね。
ということで、当たる確率は2000万分の1です。
それでも低い!
というより、数字が大きすぎてイメージが付きにくいのですね…。
ちなみに、2017年の全死亡者数が134.4万人に対して、交通事故死が3694人いたそうなので、日本で暮らしていて交通事故で死ぬ確率が364分の1ぐらいです。
その55000倍ぐらいレアな出来事ということですね。
といっても、これは1枚買ったときに1等が当たる確率なので、たくさん買えば当たる確率も上がります。
1枚300円なんで、仮に3億円払って100万枚買ったとすると
5%の確率で当たります。
3億円もつぎ込んで、たったの5%かい!
宝くじ買う人の気持ちがわからんぞ!
2. 当たる裏技
・・・でもね、気づいたんです。
1等を当てる裏技があります。
まず、もし宝くじが当たるんだとすれば、1人1万円ぐらいまでならなんとか出せますよね?
そういう人を60万人集めます。
これで60億円貯まりますので、2千万枚連番で買いましょう。
なんと!
これで1等10億円は100%当たります!
そのあと、60万人で山分けしましょう!
1人あたり約1667円もらえます。
1人あたり1万円払って、もらえる額が1667円って、バカにしとんのか!
と思うかもしれません。
安心してください!
宝くじは1等だけじゃありませんから。
2億枚連番で買ったので、2等から7等までもれなく100%当たります!
それも皆で山分けしましょう!
さて、2等から7等までの総額っていくらなんでしょうか。
2等1000万円が20本で2億円
3等100万円が200本で2億円
4等10万円が1400本で1億4千万円
5等1万円が2万本で2億円
6等3千円が20万本で6億円
7等300円が200万本で6億円
1等の組違い賞というのもあるらしく、30万円が200本で6000万円です。
1等の10億円と合わせて、合計30億円です!
凄いね!
60万人で山分けしても、1人あたり5000円も貰えます!
投資金額と差し引きしたら、マイナス5000円!
やっぱり損しとる!
はい、これが期待値です。
この計算によると期待値は購入額のちょうど5割。
あなたが300円で買った宝くじの(当選番号が決まる前の)資産価値は、1枚当たり150円ということですね。
本当は宝くじの控除率は53.7%ぐらいらしいので、期待値は46.3%にならないとおかしいんですが、もしかしたら見落としがあるかも…。
3. 一番損しない買い方
300円の宝くじを1枚だけ買って、300円以上になる確率は約11%。
紙屑になる確率は約89%です。
ちなみに、連番で買うよりバラで買う方が、損しない確率が(ほとんど無視できるほどごくわずかですが)上がります。
2枚買って、600円以上になる確率は約3.2%
5枚買って、1500円以上になる確率は約5.4%
10枚買って、3000円以上になる確率は約10.6%
20枚買って、6000円以上になる確率は3.8%
30枚買って、9000円以上になる確率は3.5%
というように、確率が変動します。
グラフにするとこんな感じですね。(もし計算ミスしてたらすんません)
面白いことに、数枚買うよりは10枚買った方が損しない確率が上がるんですよね。
そして、10枚をピークに損しない確率は急降下します。
11枚以上は多少のゆらぎを無視すれば、1度にたくさん買えば買うほど、損しない確率は減っていくと思って差し支えないです。
しかし、ギャンブルは損しないことにこだわると大勝ちできないので、ギャンブル精神あふれる人は、あんまり気にしないのが吉かもしれません。
もちろん、損しない確率が一番高いのは「1枚も買わない」です。
なお、何枚買おうと期待値は購入額の5割で固定です。
3. 控除率と期待値
胴元が存在するギャンブルには控除率といって、胴元に入るお金があるので、全体の期待値は投資額よりも低くなります。
こういうゲームをマイナスサムゲームといいますが、宝くじはその中でも突出して期待値が低いのです。地域振興のための寄付みたいなもんです。
さらに、宝くじは個々のプレイヤーが期待値をコントロールできません。
完全に運勝負なので、誰がやっても期待値は平等です。
例えば同じマイナスサムゲームの競馬を例にとってみると、配当というシステムがありますよね。
当たったときに100円が何倍になって返ってくるか、賭ける組み合わせによって変わります。
これはどれだけの割合の人がそこに賭けたかで決まるので、実際に当たる確率とは一致しません。
なので、マイナスサムゲームでありながら、期待値が投資額を超える可能性もゼロではありません。
実際、統計情報をもとにアルゴリズムを組んで機械的に買い続け、プラス収支を出していた人がいるぐらいです。(脱税容疑で裁判になっていましたが…)
4. 終わりに
今回の記事で何が言いたかったのかというと、
別に、宝くじを買うこと自体は否定しませんが、
そういうものとわかった上で買いましょうねってことです。
今回の記事の意味がわからなかった人は、色々と悪い人に騙される可能性が高いので、中学レベルの数学を勉強し直した方が良いかもしれません。
大人になってから勉強するのは、けっして悪いことではありませんよ。
以上です。
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