学校

「学校は嫌いだ。」

僕の名前はショウ。
学校は嫌い、と言うと、
「学校好きな人なんていないよ。」
なんて大人には笑われてしまう。
その度にため息をつきたくなる。
大人たちのその考え、僕は違うと思う。
きっと学校好きな人はいるよ。
スポーツが出来たり、勉強も出来たり、特に、友達も居るような子達は学校に来ても楽しそうにしてる。
僕みたいな人もクラスに何人かは居るよ。何人かは。でも、その少数派の子達も、学校に来なくなっちゃった。

僕はこの"狭い箱"が苦手だ。
こんな箱に34人も子供を入れたらトラブルが起きるに決まってる。そんなの僕でもわかるのに。
だいたい人が多いのだって僕は嫌なんだ。
ねぇ、僕みたいな子も居るよね、きっと。
さらに先生は
「みんな仲良く、明るく、元気に」
って。
仲良くできない子だっているよ。人間なんだから合わない人くらいいたっていいと思うんだ。明るくしてなきゃダメなの?暗い子だって居てもいいよね。元気にって言われたって調子が良くない時くらいある。
「みんな違ってみんないい」
もよく先生たちは言うよね。
その言葉そのものはいいと思ってる。でもそれを行動で示してくれる人は、学校には居ない。みんな口だけだ。
学校は1日6時間だ。でも多いよ。僕は6時間も勉強をして歩いて家に帰ったらもうぐったりだ。こんな学校楽しくないよ。
うん、やっぱり学校は嫌いだ。

だからね、僕は大人になったらきっと、「学校嫌いのための学校」を作るんだ。
まずこの学校は、少人数の授業をする。
クラスの人数の平均は5人くらい。
そこに先生が2人。そしたら先生も少しは楽になるかなぁ。
学年は年齢で分けることはしない。ただ、入学する時にはみんな同じ歳だけど、そこから飛び級するのも、前の学年に戻るのもアリ。教科ごとにレベル制の学校だから、算数は3年生レベルで、国語は5年生レベル、っていうパターンもOKなんだ。

なんだかワクワクしてきたぞ、僕はこんな学校なら楽しかったのかもしれない。これなら頑張れるって言う子も多いかもしれない。

1時間目は10時から。1日6時間なんて多すぎるよね。最低3時間出席で花丸をあげる!勉強をしに来るところだから、服装も髪型も自由。体育のジャージだって動きやすくて好きなものをどうぞ。給食が苦手?お弁当持ってきてもいいよ。

そして、そして、僕は__________

…チャイムが鳴る。
5時間目の授業が終わった。

帰る時間だ。
僕は「学校嫌いのための学校」を作る研究のために、嫌いな学校に来ている。
何度も言うけど僕は学校が嫌いだ。
そんな学校に毎日休まず来ている。
もう僕は花丸人間だって、自信を持ってもいいと思うんだ。
頑張って休まないで来るのは褒められるけど、気持ちを押し殺して頑張りすぎるのは良くない。
だから僕は、嫌いな学校の中で、楽しみを見つけた。「学校をどうすれば好きになるか」って考えること。
君は、どう?
学校好き?嫌い?
みんな頑張りすぎなくらい頑張ってるんだ。
大人は、僕らの頑張りすぎを止めてはくれない。ゲームのやりすぎとか、テレビの見すぎなんかは止めるけどね。
頑張りすぎてつらくなっちゃう子だって居るはずなのに。その子のために頑張りすぎも止めて欲しいよね。
じゃあ、何か嫌いなことを頑張りたい、そんな花丸な君への提案。
嫌いなことを頑張る方法
その1 「嫌い」の中で楽しみを見つけよう
これは僕が試した方法だ。
その2 頑張るのはいいけど頑張りすぎはやめよう
心も体もつらくなっちゃうよ、きっと。
その3 どうしてもダメなら、ちょっと休んでみよう
人間ってものは時には休みが必要なんだ。
休む時はマイナスなことは何も考えずに休もうね。休んでる自分を責めたりなんかはしないほうがいいよ。

さぁ、家に着いたよ。
"ショウの脳みその中"
少しお話してみたよ。
ここまで聴いてくれてありがとう。
また、いつか会おう!
じゃあね。

ガチャッ…

アパートの1階、ドスンッと音を立てて茶色い扉が閉まった。

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