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【詩】後悔

夜行バスに揺られ 何ともなしに車窓の景色を目で追っていた
そこかしこで見る光景と全く同じ
眩しいネオン ミニチュアサイズになった光はどんどん過ぎ去っていく

ポケットに突っこんだままの映画のチケット
日付は二年前 喧嘩別れをしてしまったあの日
僕たちにとって決定的な何かを残した 忘れられないあの日

襲ってくる後悔を振り切るように イヤホンジャックを耳につける
つんざめくロックに身を任せて どうにでもなれと願った
苦しさで心がクシャクシャになりそうだ

皺の付いた心を元通りにできたら
今ある思いを直接吐き出せたなら

どれ程悔やんでも時計の針が左向きに回ることはないし
地球が自転も公転もやめることはない
ただ、分かっているのは一つ
僕はあの日から動き出せない
泣きじゃくる子供のようにうずくまっている

情けない事実だけがここに転がっている




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